はじめに押さえておきたいこと
- 木部・塗装・目地・網戸には当てないでください。簡単に壊れます。
- 洗車では距離を取り、直角に当てないのが基本です。
- 冬季の凍結でポンプが割れます。使用後の水抜きが最重要のメンテナンスです。
家庭用なら電動、圧力より水量とノズルを見る
先に答えを書きます。
家庭で使う高圧洗浄機なら、電動式で吐出圧力8〜10MPa前後が扱いやすい基準です。価格は2万円から5万円ほど。
そして、多くの人が見落とすのが水量とノズルです。
カタログでは圧力の数字が目立ちます。しかし実際の洗浄力は、圧力と水量の掛け算で決まります。圧力が高くても水量が少なければ、汚れは流れていきません。
さらに、同じ本体でもノズルを替えるだけで仕上がりが変わります。本体を買い替えるより、ノズルを買い足すほうが効果的な場面は多くあります。
私は乙種第4類危険物取扱者の資格を持っています。エンジン式を選ぶ場合の燃料の扱いについても書いていきます。
何ができて、何ができないか
期待と現実のずれが起きやすい道具なので、先に整理します。
| 対象 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| コンクリートの土間 | とても高い | 目地が深い場合は削れる |
| ブロック塀の苔・汚れ | 高い | もろい部分は崩れる |
| 車の泥汚れ | 高い | 距離と角度に注意 |
| 網戸 | 低い | 破れます。当てないでください |
| 木製デッキ | 条件付き | 繊維が毛羽立ちます |
| 外壁(サイディング) | 条件付き | 塗装が剥がれることがあります |
| 油汚れ | 低い | 洗剤との併用が必要 |
| こびりついた水垢 | 低い | 水圧では落ちません |
高圧洗浄機が得意なのは「表面に乗っている汚れを吹き飛ばすこと」です。
逆に、化学的に固着した汚れは苦手です。水垢、油膜、サビ。これらは水圧では落ちません。洗剤や専用のケミカルが必要になります。
ここを誤解して買うと、「思ったより落ちない」という感想になります。
吐出圧力の見方
カタログで最初に目に入る数字です。単位はMPa(メガパスカル)で表されます。
| 圧力の目安 | 用途 |
|---|---|
| 5MPa前後 | ベランダ、自転車、軽い汚れ |
| 7〜10MPa | 家庭用の標準。車、外構、ブロック塀 |
| 10〜12MPa | 広い駐車場、しつこい汚れ |
| 15MPa以上 | 業務用。一般家庭には過剰 |
高ければ良いわけではありません
圧力が高いほど、対象を傷める可能性も高くなります。
塗装が剥がれる、木が毛羽立つ、目地が抜ける、コーキングが飛ぶ。強すぎる圧力は、汚れと一緒に必要なものまで削ります。
また、圧力が高い機種ほど本体は大きく重く、音も大きくなります。住宅地では扱いにくくなります。
家庭用途なら、10MPa前後で十分だと考えてください。
水量こそ見落とされがちです
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分かもしれません。
水量は「毎分何リットル出るか」で表されます。単位はL/min(リットル毎分)です。
圧力は剥がす力、水量は流す力
役割が違います。
- 圧力:こびりついた汚れを剥がす力
- 水量:剥がれた汚れを洗い流し、面積をこなす力
圧力だけが高くて水量が少ない機種は、点では強いが面では遅いという特性になります。広い駐車場を洗うと、いつまでも終わりません。
逆に水量が多ければ、多少圧力が低くても作業は早く進みます。
家庭用なら5〜8L/min程度が一般的です。広い面積を洗う予定があるなら、この数字も確認してください。
水道の能力も関係します
見落とされる点です。水道直結型の場合、蛇口から供給できる水量が足りないと、本体の性能が出ません。
古い住宅や、蛇口が細い場合は注意が必要です。バケツに水を溜めて時間を計れば、おおよその供給量が分かります。
水量が不足すると、ポンプが空回りして故障の原因にもなります。
電動式とエンジン式
| 比較項目 | 電動式 | エンジン式 |
|---|---|---|
| 圧力 | 中程度 | 高い |
| 電源 | コンセントが必要 | 不要 |
| 騒音 | 比較的静か | 大きい |
| 重さ | 軽い | 重い |
| 燃料管理 | 不要 | ガソリンが必要 |
| 使う場所 | 屋外・屋内どちらも | 屋外のみ |
| 価格 | 2〜5万円 | 5〜15万円 |
家庭用なら電動式で十分です。コンセントがある場所で使うぶんには、これで困りません。
エンジン式が要るのは、電源のない現場です。農地、山林、建設現場など。あるいは業務で高い圧力が必要な場合になります。
エンジン式は4サイクルです
燃料を間違えないでください。
高圧洗浄機のエンジンは、ほとんどが4サイクルです。燃料タンクには普通のガソリンを入れ、エンジンオイルは別の場所に入れます。
草刈機やチェーンソーで使う混合燃料を入れると、白煙が出てカーボンが溜まります。物置に両方置いている場合は、容器に品名を書いておいてください。
詳しくは混合燃料の作り方と管理に書きました。
そしてエンジン式は屋外専用です。ガレージや屋内で使うと一酸化炭素中毒の危険があります。この点は発電機と同じです。
ノズルで仕上がりが変わります
本体と同じくらい重要な部分です。
| ノズル | 特徴 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 標準ノズル(可変式) | 広がりを手元で調整できる | 日常的な洗浄全般 |
| ターボノズル | 細い水流を高速回転させる | コンクリートの頑固な汚れ |
| 洗剤ノズル | 低圧で洗剤を吹き付ける | 洗車、外壁の予洗い |
| テラスクリーナー | 円盤状。飛散を抑えて面を洗う | 広い土間、ベランダ |
| 延長ランス | 手の届かない高所へ | 2階の窓、雨どい |
| パイプクリーニングホース | 配管の内側を洗う | 排水管、雨どいの詰まり |
ターボノズルは強力すぎることも
細い水流を高速で回転させることで、洗浄力を大きく高めたノズルです。
コンクリートに染み付いた黒ずみには効果的です。ただし、塗装や木部に当てると確実に傷めます。
車には絶対に使わないでください。塗装が削れます。
テラスクリーナーは飛散を抑えられます
意外と評価されていないアクセサリーです。
高圧洗浄はとにかく水と汚れが飛び散ります。壁も自分もびしょ濡れになり、隣家に汚水が飛ぶこともあります。
円盤状のカバーで覆うテラスクリーナーを使うと、飛散が大幅に減ります。広い面を均一に洗えるので、仕上がりのムラも出にくくなります。
集合住宅のベランダや、隣家との距離が近い場所では、これがあるとないとで作業のしやすさが変わります。
当ててはいけないもの
破損の相談が多い部分です。
- 網戸:破れます。網が伸びて元に戻りません。
- 木製デッキ・ラティス:繊維が毛羽立ち、ささくれます。
- 古い塗装面:浮いた塗装が一気に剥がれます。
- 外壁のコーキング:劣化していると飛びます。雨漏りの原因になります。
- タイルの目地:もろくなっていると抜けます。
- エアコンの室外機:フィンが曲がり、電装部に水が入ります。
- 車のエンブレム・モール周り:剥がれます。
- 人・動物:皮膚を傷つけます。ふざけて向けないでください。
とくに外壁は判断が難しい対象です。古い建物では、洗浄したことで塗装の劣化が一気に表面化することがあります。
不安なら、目立たない場所で試してから広げてください。それでも心配なら、専門業者に相談するほうが安全です。
洗車で使うときのコツ
家庭で最も多い用途だと思います。傷めないための基本を書きます。
- まず全体を水で流す。砂を落としてから本格的に洗います。
- 距離を30cm以上取る。近づけすぎると塗装を傷めます。
- 直角に当てない。斜めから当てると、汚れが流れる方向に力が働きます。
- 上から下へ。汚れが下に流れます。
- 洗剤ノズルで泡を乗せる。汚れを浮かせてから流します。
- 隙間に長く当てない。ドアの内側やライトの縁は、水が入ります。
3番の直角に当てないは、意識していない方が多い点です。真正面から当てると、力が塗装面を叩く方向に働きます。斜めから当てれば、汚れを剥がして流す動きになります。
また、ターボノズルは車に使わないでください。コンクリート用の強さです。
給水方式を確認する
| 方式 | 特徴 | 向いている環境 |
|---|---|---|
| 水道直結 | 蛇口にホースをつなぐ。安定して使える | 自宅の庭、駐車場 |
| 自吸(タンク・バケツから) | 水源がない場所でも使える | 屋外、キャンプ、農地 |
すべての機種が自吸に対応しているわけではありません。水道のない場所で使う予定があるなら、購入前に確認してください。
自吸で使う場合、専用のホースとフィルターが必要になることが多く、吸い上げられる高さにも制限があります。
また、異物を吸い込むとポンプが壊れます。バケツから吸う場合は、必ずフィルターを付けてください。
一緒に必要になるもの
| 道具 | 役割 | 優先度 |
|---|---|---|
| 給水ホース | 蛇口と本体をつなぐ | 必須 |
| 蛇口用のコネクタ | 形状が合わないと接続できません | 必須 |
| 保護メガネ | 跳ね返りと汚水から目を守る | 高い |
| 長靴・レインウェア | 必ず濡れます | 高い |
| 洗剤ノズル・専用洗剤 | 油汚れには水圧だけでは足りません | 中 |
| テラスクリーナー | 飛散を抑える | 中 |
| 延長高圧ホース | 本体を動かさずに作業範囲を広げる | 中 |
意外な落とし穴が蛇口の形状です。散水ホース用の金具が付いていない蛇口だと、そのままではつなげません。
買う前に、自宅の蛇口を確認してください。必要なら変換アダプターを一緒に用意します。
保護メガネも忘れないでください。跳ね返った汚水や小石が目に入ります。コンクリートを洗うと、細かい砂が飛びます。
使い方の手順
- 周囲を養生する。汚水が飛ぶ範囲を想定してください。
- 給水ホースをつなぎ、蛇口を全開にする。
- 電源を入れる前に、レバーを握って水を通す。ポンプ内の空気を抜きます。
- 電源を入れる。エンジン式なら始動します。
- まず目立たない場所で試す。圧力が強すぎないか確認します。
- 上から下へ、斜めから当てて洗う。
- 終わったら電源を切り、レバーを握って圧を抜く。
- ホース内の水を抜く。
3番を飛ばすと、ポンプが空運転して傷みます。必ず水を通してから電源を入れてください。
7番も重要です。停止後もホース内には圧力が残っています。圧を抜かずに外すと、水が勢いよく噴き出します。
凍結に注意してください
高圧洗浄機で最も多い故障の原因が、これです。
内部に水が残ったまま凍ると、体積が膨張してポンプが割れます。金属でもプラスチックでも、氷の力には勝てません。
そして、割れたポンプの修理は高額です。買い替えたほうが安いこともあります。
使用後の水抜き
- 蛇口を閉め、給水ホースを外す。
- 電源を入れ、数秒だけ運転して内部の水を出す。
- 電源を切り、レバーを握って圧と水を抜く。
- 高圧ホースとノズルの水も抜く。
- 本体を傾けて、残った水を出す。
2番の空運転は短時間にとどめてください。水がない状態で長く回すと、それはそれでポンプを傷めます。
寒冷地では、これに加えて室内保管をすすめます。物置でも氷点下になる地域では、水抜きだけでは不安が残ります。
凍結防止用の不凍液を通す方法もありますが、機種によって可否が異なります。取扱説明書を確認してください。
圧力が出ないときの原因
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 圧力が弱い | 給水量の不足 | 蛇口を全開に。ホースの折れを確認 |
| 圧力が弱い | ノズルの詰まり | 細い針で穴を掃除する |
| 脈打つように出る | ポンプ内に空気が残っている | 水を通してからレバーを数回操作 |
| 水が出ない | 給水フィルターの目詰まり | フィルターを外して洗う |
| すぐ止まる | 過熱による保護動作 | 休ませてから再開 |
| 水漏れ | パッキンの劣化 | 該当部品を交換 |
いちばん多いのはノズルの詰まりです。細かい砂が噴射口に詰まると、目に見えないのに圧力だけが落ちます。
付属の清掃用ピンか、細い針でつついてください。修理に出す前に、まずここを確認する価値があります。
近隣への配慮
高圧洗浄は、想像以上に周囲へ影響します。
- 汚水の飛散:隣家の車や洗濯物にかかります。範囲を確認してから始めてください。
- 騒音:モーター音が響きます。早朝や夜間は避けてください。
- 水の流出:泥水が敷地外に流れることがあります。
- 共用部での使用:集合住宅では規約を確認してください。
作業前に一声かけておくと、後のトラブルを防げます。とくに車が近くに停まっている場合は、移動をお願いしたほうが無難です。
ありがちな失敗
| 失敗 | 結果 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 圧力の数字だけで選んだ | 広い面積で作業が終わらない | 水量も確認する |
| 網戸に当てた | 網が破れる | 当てない |
| ターボノズルで洗車した | 塗装が削れる | 車には標準ノズル |
| 水を通さずに電源を入れた | ポンプの空運転で故障 | 先に水を通す |
| 冬季に水を抜かなかった | 凍結でポンプが割れる | 毎回水抜きする |
| 蛇口の形状を確認しなかった | そもそも接続できない | 買う前に確認 |
| 養生せずに始めた | 周囲が汚水まみれ | 飛散範囲を想定する |
メーカーごとの傾向
特定の製品をすすめることはしませんが、ブランドごとの傾向は選ぶうえで参考になります。
| ブランド | 傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ケルヒャー | 家庭用の定番。アクセサリーが非常に豊富 | 後から用途を広げたい人 |
| 工進 | 農業・屋外機器に強い。自吸対応が多い | 水道のない場所で使う人 |
| アイリスオーヤマ | 価格が抑えめ。軽量なタンク式もある | 年に数回しか使わない人 |
| ヒダカ | 業務寄りの性能を家庭価格で | 広い面積を洗う人 |
| リョービ(京セラ) | 電動工具メーカーらしい堅実な作り | 耐久性を重視する人 |
ここでいちばん効いてくるのがアクセサリーの入手性です。
高圧洗浄機は、後から「延長ランスが欲しい」「パイプクリーニングをしたい」と用途が広がりやすい道具です。そのとき、対応するアクセサリーが売っていなければ本体を買い替えるしかありません。
接続部の規格はメーカーごとに異なります。汎用品も出回っていますが、確実に合う保証はありません。アクセサリーが多いブランドを選んでおくと、後から融通が利きます。
静音性は住宅地では重要です
カタログの端に小さく書かれている項目ですが、実際に使うと影響が大きい部分です。
高圧洗浄機の音は、モーターとポンプの振動から出ます。安価な機種ほど、この音が大きい傾向にあります。
作業時間が10分で済むなら気にならないかもしれません。ですが、駐車場を丸ごと洗うとなれば1時間以上かかります。その間ずっと、隣家に音が届き続けます。
静音モデルと表記された機種は、この点に配慮した設計になっています。住宅が密集した地域で使うなら、圧力より優先度が高い場合もあります。
また、本体をコンクリートに直接置くと振動が伝わって音が増えます。ゴムマットを一枚敷くだけでも、体感はかなり変わります。
洗剤を使うという選択
水圧では落ちない汚れがあると先に書きました。その答えが洗剤です。
| 汚れの種類 | 有効な洗剤 | 補足 |
|---|---|---|
| 油汚れ | アルカリ性 | アルミには使えないことがあります |
| 水垢・白い筋 | 酸性 | 金属をサビさせることがあります |
| 苔・カビ | 専用の防カビ剤 | 植物にかからないよう注意 |
| 車のボディ | 中性のカーシャンプー | 塗装とコーティングを守ります |
使い方の基本は、洗剤を乗せて時間を置き、それから流すことです。
洗剤をかけてすぐ高圧で流しても、化学反応が起きる時間がありません。数分置くだけで、落ち方がまったく変わります。
ただし、乾かさないでください。夏の直射日光の下では、洗剤が乾いてシミになります。日陰で作業するか、こまめに霧吹きで湿らせてください。
また、高圧洗浄機に入れてよい洗剤は限られます。指定外の洗剤を本体のタンクに入れると、内部の樹脂やパッキンを傷めます。心配なら、洗剤は別途スプレーで塗布し、高圧洗浄機は流す役割に徹する方法が安全です。
コンクリート土間を洗う手順
家庭で最も効果を実感しやすい作業です。手順をまとめます。
- ほうきで砂と落ち葉を除く。これをやるかどうかで作業時間が変わります。
- 排水先を確認する。泥水がどこへ流れるかを見ておいてください。
- 周囲を養生する。壁、車、植木。飛散範囲は想像より広いです。
- 端から一定の幅で進める。ジグザグに動かすとムラが出ます。
- 少し重ねながら往復する。洗い残しの筋が目立つのを防げます。
- 最後に全体を水で流す。浮いた汚れを排水口へ送ります。
4番と5番が仕上がりを決めます。
高圧洗浄は洗った場所と洗っていない場所の境目が、はっきり出ます。適当に動かすと、あとから縞模様が残って気になります。
芝刈りと同じで、一定の方向へ、少しずつ重ねながら進めるのがコツです。テラスクリーナーを使うと、この均一さが自然に出ます。
そして途中でやめないでください。半分だけ洗うと、境目が残ります。時間に余裕のある日に始めてください。
買うか、借りるか
使用頻度によっては、レンタルのほうが合理的です。
| 使う頻度 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 年に1回以下 | レンタル | 保管場所と維持の手間が上回ります |
| 年に数回 | 購入(軽量な機種) | 思い立ったときに使えます |
| 月1回以上 | 購入(しっかりした機種) | すぐ元が取れます |
見落とされがちなのが保管の負担です。
本体だけでなく、給水ホース、高圧ホース、ノズル一式。それなりの場所を取ります。加えて、冬季には凍結対策が必要です。
年に一度の大掃除でしか使わないなら、ホームセンターのレンタルを検討する価値があります。業務用の性能を、購入価格の何分の一かで試せます。
電源まわりの注意
電動式を屋外で使うときの話です。
- 延長コードは太いものを使う。細いコードでは電圧が下がり、本体の性能が出ません。
- コードは完全に伸ばす。巻いたまま使うと発熱します。
- 屋外用のコードを使う。防雨型のコンセントボックスがあると安心です。
- 接続部を地面に置かない。水たまりに浸かると危険です。
- 濡れた手でプラグを触らない。当たり前ですが、作業中は忘れがちです。
高圧洗浄機は、水と電気を同時に扱う道具です。この組み合わせは、本来なら避けたいものです。
だからこそ、電源まわりだけは丁寧に扱ってください。コードの接続部を高い場所に吊るしておくだけでも、リスクは下がります。
屋外コンセントに漏電遮断器が入っているかどうかも、一度確認しておくと安心です。
保管とメンテナンス
次に使うときに困らないための習慣です。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 使用のたび | 水抜き、ノズルの清掃、ホースの巻き取り |
| 数回に一度 | 給水フィルターの洗浄 |
| シーズン終わり | 完全な水抜き、屋内へ移動 |
| 年に一度 | ホースのひび割れ、パッキンの状態確認 |
高圧ホースは消耗品です。表面にひび割れや膨らみが出たら交換してください。破裂すると危険です。
ホースを折り曲げたまま保管すると、そこから傷みます。大きく緩やかに巻いて、直射日光の当たらない場所に置いてください。
給水フィルターの詰まりも見落とされがちです。「なんとなく圧力が落ちた気がする」ときは、まずここを疑ってください。外して水で洗うだけで戻ることがあります。
タンク式・充電式という選択肢
近年は、水道にもコンセントにもつながない機種が増えています。
- タンク式:本体に水を入れて使います。ベランダや、水道の遠い場所で便利です。
- 充電式:バッテリーで動きます。キャンプ、自転車、ペットの足洗いなど。
ただし、圧力と水量はどちらも控えめです。コンクリートの頑固な汚れを落とす用途には向きません。
「軽い汚れを、どこでも、手軽に」という用途に絞れば、非常に使い勝手のよい道具です。用途を間違えなければ満足度は高くなります。
逆に、外壁や駐車場を洗いたいなら、素直に水道直結の据置型を選んでください。
質問と回答
Q. お湯を使えますか?
A. 温水対応と明記された機種以外は使えません。
一般的な家庭用は冷水専用です。お湯を入れると内部の樹脂部品やパッキンが変形し、故障します。
油汚れを落としたいなら、温水ではなく専用洗剤との併用を考えてください。
Q. 井戸水や雨水は使えますか?
A. 機種によりますが、フィルターが必須です。
砂や不純物を吸い込むと、ポンプが摩耗して寿命が縮みます。自吸に対応した機種でも、フィルターなしでの使用は避けてください。
取扱説明書に使用可能な水質の記載があることもあります。確認しておいてください。
Q. 排水管の掃除に使えますか?
A. パイプクリーニング用のホースを使えば可能です。
先端から後ろ向きに水を噴射することで、ホースが自力で進みながら内部を洗う仕組みです。雨どいや側溝の詰まりにも使えます。
ただし、古い配管や、破損している配管では被害を広げることがあります。状態が分からない場合は、業者に相談してください。
Q. どのくらい連続で使えますか?
A. 機種によりますが、連続運転時間には制限があります。
家庭用は、業務用のような連続運転を想定していません。長時間回すとモーターが過熱し、保護装置が働いて止まります。
広い面積を洗うなら、休憩をはさみながら進めてください。取扱説明書に目安が書かれています。
Q. マンションのベランダで使えますか?
A. 管理規約を確認してください。禁止されていることがあります。
階下への水漏れ、汚水の飛散、騒音。トラブルになりやすい要素が揃っています。
使う場合は、テラスクリーナーで飛散を抑え、排水口の詰まりを確認してから行ってください。大量の水を流すと、排水が追いつかないことがあります。
Q. 外壁の高い場所はどうしますか?
A. 延長ランスを使うか、業者に依頼してください。
脚立に乗って高圧洗浄機を使うのは危険です。反動でバランスを崩します。足元も濡れて滑ります。
延長ランスなら地上から届きますが、水を含んだホースは重く、腕への負担が大きくなります。無理をしないでください。
Q. 中古品を買っても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。ポンプの状態が外からは分からないためです。
高圧洗浄機の寿命を決めるのはポンプです。そして前の持ち主が凍結させていた場合、内部にひびが入っていても、しばらくは動いてしまうことがあります。
外観がきれいでも、内部の摩耗は判断できません。どうしても中古を選ぶなら、実際に水を通して圧力が安定して出るかを確認してください。
Q. 保証や修理はどう考えればよいですか?
A. 部品が長く供給されるメーカーを選んでおくと安心です。
高圧洗浄機の故障は、パッキンやOリングといった小さな部品が原因のことが少なくありません。部品さえ手に入れば、自分で直せる範囲です。
逆に、部品が出ない製品はひとつの部品が傷んだだけで買い替えになります。長く使うつもりなら、この点も選定基準に入れてください。
売り場で最初に目に入るのは、やはり圧力の数字です。私も工具を選び始めたころは、大きい数字ほど良いものだと考えていました。ですが仕様を読み解けるようになると、作業の速さを決めているのは水量のほうだと分かります。カタログの読み方を知っているかどうかで、同じ予算でも満足度は大きく変わります。
なお、屋外のエンジン機械は種類が違っても必要な工具が大きく重なります。何から揃えるべきかは屋外エンジン機械に必要な工具まとめに整理しました。あわせてご覧ください。
最後に要点を
- 圧力だけで選ばない。洗浄力は圧力と水量の掛け算です。
- 家庭用は7〜12MPaで十分。高すぎると対象を傷めます。
- ノズルで仕上がりが変わります。本体より効く場面があります。
- 網戸・木部・古い塗装には当てない。壊れます。
- 洗車は距離を取り、斜めから当てる。ターボノズルは使わないでください。
- エンジン式は4サイクル。混合燃料ではありません。屋外専用です。
- 使用後は必ず水を抜く。凍結でポンプが割れます。
高圧洗浄機は、効果が目に見える気持ちのいい道具です。汚れが落ちる境目がはっきり出るので、つい面白くなって作業が進みます。
ただ、その力は汚れ以外にも同じように働きます。塗装、木、目地、コーキング。落としてはいけないものまで落としてしまいます。
買う前に「何を洗いたいのか」を決めておいてください。そして、目立たない場所で試してから広げる。この2つを守れば、後悔することはほとんどありません。
適切な圧力は、洗う対象によっても機種によっても変わります。ここに挙げた目安は出発点として使ってください。最終的な判断は、取扱説明書と、目立たない場所での試し洗いに委ねるのが確実です。