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チェーンソーに必要な道具一式|特別教育が要るのはどんなときか

目次

この記事で分かること

  • 特別教育が義務になるのは「業務で使う場合」だけです。自宅の庭木の伐採には義務がありません。
  • 業務で無資格作業をすると、事業者に6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
  • チャップス(防護ズボン)は最優先です。刃が最も当たりやすいのが脚だからです。

本体・防護具・目立て道具の3点セットです

先に答えを書きます。買い物リストとして使えるよう整理しました。

チェーンソーを使うために必要なものは、大きく3つに分かれます。

  1. 本体と燃料まわり:チェーンソー、混合燃料、チェーンオイル、携行缶
  2. 防護具:チャップス、ヘルメット、保護メガネ、耳栓、手袋、安全靴
  3. 整備道具:ヤスリ、ヤスリホルダー、デプスゲージ、レンチ

本体だけを買って、その日のうちに作業を始めてしまう方が多いのですが、これがいちばん危険なパターンです。

チェーンソーは、動いている刃がむき出しの道具です。回転速度は毎秒20メートルを超えます。触れた瞬間に深い傷ができます。

そして、切れ味が落ちた状態で無理に使うと、刃が跳ね返るキックバックが起きやすくなります。事故の多くはここから始まります。

私は乙種第4類危険物取扱者の資格を持っています。混合燃料の扱いは守備範囲です。この記事では、法令上の要件から道具の選び方、燃料の管理までまとめます。

特別教育が必要なのは、どんなときか

ここは誤解が多いところなので、はっきり書いておきます。「チェーンソーには資格が要る」と一括りにされがちですが、正確ではありません。

業務で使うなら義務、個人使用なら義務なし

チェーンソーを用いて立木の伐木、かかり木の処理、造材の業務に従事する場合、「チェーンソーによる伐木等特別教育」の受講が義務づけられています。労働安全衛生法第59条および労働安全衛生規則第36条にもとづくものです。

ただし、これは業務として行う場合の話です。個人が自宅の庭の木を伐採する、といった用途では受講の義務はありません。

使う場面特別教育
林業・造園業などの業務必要
会社の指示で敷地内の木を伐る必要
報酬を受けて他人の木を伐る必要
自宅の庭木を自分で伐る義務なし
薪づくりなどの個人的な作業義務なし

違反すると罰則があります

業務で特別教育を受けずに作業させた場合、労働安全衛生法違反になります。

事業者には6月以下の懲役または50万円以下の罰金、労働者には50万円以下の罰金が科される可能性があります。

講習は学科9時間、実技9時間の合計18時間です。各地の労働災害防止協会や教習機関で受講できます。

義務がなくても、受ける価値はあります

個人使用なら義務はありません。ただ、私は受講を検討する価値があると思っています。

チェーンソーの事故は、本人の不注意というより知識の欠如から起きています。かかり木の処理、受け口と追い口の作り方、退避の方向。独学では身につきにくい部分です。

庭木1本を伐るだけなら過剰かもしれません。しかし、山林を管理する、薪を継続的に作る、といった方は検討してみてください。

防護具は省略しないでください

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。本体選びより優先して考えてください。

1. チャップス(防護ズボン)

最優先の防護具です。予算が限られていても、これだけは買ってください。

チェーンソーの刃が最も当たりやすいのは、左脚の太ももです。作業姿勢を考えれば、刃がある位置と脚の位置が近いからです。

チャップスは、刃が触れると内部の繊維がほどけてスプロケットに絡み、チェーンを停止させる仕組みになっています。布が破れるのと引き換えに、脚を守ります。

ズボン型と、既存のズボンに巻きつける前掛け型があります。夏場の暑さを考えると、通気性の面で前掛け型のほうが使いやすい場面もあります。試着できるなら、動きやすさを確かめてください。

2. 保護メガネ・フェイスシールド

木くずは高速で飛んできます。目に入れば、その場で作業が続けられなくなります。片手で目を押さえながらチェーンソーを持つ状況は、想像するだけで危険です。

メッシュのフェイスシールドが一般的です。曇りにくく視界が広いためですが、細かい粉じんは通します。粉が多い作業では、ゴーグルのほうが向きます。

3. 耳栓・イヤーマフ

エンジン式のチェーンソーは、100デシベルを超える騒音を出します。

この音を聞き続けると、騒音性難聴になります。じわじわ進行し、気づいたときには戻りません。

ヘルメットに一体化したタイプが便利です。かぶるだけで装着が完了するので、付け忘れが起きません。

4. ヘルメット

立木を伐るなら必須です。上から落ちてくる枝、いわゆる「かかり枝」は、林業でも死亡災害の大きな原因になっています。

林業用のヘルメットは、フェイスシールドとイヤーマフが一体になった製品が多く、結果的に安く揃います。

5. 手袋・安全靴

手袋は、防振機能のあるものを選んでください。チェーンソーの振動は振動障害(白ろう病)の原因になります。

足元は、つま先に芯の入った安全靴が基本です。防護機能付きの林業用ブーツもあります。

防護具守るもの優先度
チャップス脚(最も刃が当たる場所)最優先
保護メガネ・シールド目(木くずの飛来)必須
耳栓・イヤーマフ聴力(100dB超の騒音)必須
ヘルメット頭(落下する枝)立木を伐るなら必須
防振手袋手指(振動障害)高い
安全靴足(落下物、刃)高い

目立て道具は必ず一緒に買ってください

切れ味が落ちたチェーンソーは、作業効率が落ちるだけでなく、危険性そのものが上がります。

切れないと、なぜ危険なのか

刃が切れなくなると、人は無意識に本体を押しつけます。力で切ろうとするからです。

この状態が、キックバックを招きます。刃先の上部が木に触れた瞬間、本体が跳ね上がって顔や体に向かってきます。

よく切れるチェーンソーは、自重で沈んでいきます。押しつける必要がありません。これが正常な状態です。

必要な道具

  • 丸ヤスリ:チェーンのピッチに合った径を選びます。4.0mm、4.8mm、5.5mmなどがあり、合っていないと刃の形が崩れます。
  • ヤスリホルダー(ガイド):角度を一定に保つための道具。初心者には必須です。
  • デプスゲージ:刃の高さを調整するためのゲージ。研ぐたびに少しずつ削る必要があります。
  • 平ヤスリ:デプスの調整に使います。
  • コンビレンチ:チェーンの張り調整とプラグの脱着。本体に付属することが多いです。

ヤスリの径は、チェーンの型番で決まります。本体の説明書か、ガイドバーの刻印を確認してください。合わないヤスリを使うと、切れ味は戻りません。

目立ての頻度

目安として、燃料タンク1杯を使い切るごとに1回と言われます。作業を中断して研ぐのは面倒に感じますが、結果的には早く終わります。

地面に刃を当ててしまった、砂を噛んだ、といった場合は、その場で研いでください。土の中の砂は、刃を一瞬でダメにします。

切りくずを見ると状態が分かります。細かい粉が出るなら、切れていません。よく切れる刃からは、大きめの木片が出ます。

この見分け方は、その場ですぐ使えるので覚えておいてください。足元に落ちた切りくずを見るだけです。粉が積もっていたら、押しつけて切っている証拠になります。

また、まっすぐ切ったつもりが斜めに進むときも、左右の刃の研ぎ具合が揃っていない可能性があります。片側だけ削れていないか確認してください。

燃料とオイルは2種類あります

ここを混同する方が意外といます。エンジン式のチェーンソーには、入れる場所が2か所あります。

種類入れる場所役割
混合燃料燃料タンクエンジンを動かす
チェーンオイルオイルタンク刃とバーの潤滑

この2つを入れ間違えると、機械が壊れます。燃料タンクにチェーンオイルを入れれば、エンジンはかかりません。逆にオイルタンクに混合燃料を入れれば、潤滑されずにバーが焼けます。

タンクのキャップには絵で表示があります。給油のたびに確認してください。

混合燃料は1か月で使い切る

混合燃料はガソリンに2サイクルオイルを混ぜたものです。ガソリン単体より劣化が早く、1か月ほどで使い切るのが理想です。

古い燃料はキャブレターを詰まらせます。修理に出せば数千円から一万円以上かかります。燃料代を惜しんだ結果としては、割に合いません。

年に数回しか使わないなら、缶入りの既製品混合燃料をすすめます。割高に見えても、修理代を考えれば安く済みます。密閉されているため保管も楽です。

混合燃料も消防法上はガソリンと同じ第4類第1石油類です。容器や運搬の基準は変わりません。詳しくは灯油ポリ容器にガソリンは違法|燃料と容器の適合早見表と罰則をご覧ください。

チェーンオイルは専用品を

エンジンオイルや廃油で代用する方がいますが、すすめません。

チェーンオイルには、高速回転しても飛び散りにくい粘着性が求められます。普通のオイルでは遠心力で飛んでしまい、潤滑になりません。

また、チェーンオイルは作業中に地面へ落ちます。環境への影響を考えるなら、植物性の製品を選ぶ選択肢もあります。

本体の選び方

エンジン式か充電式か

比較項目エンジン式充電式
パワー強い中程度
連続作業燃料補給で継続できるバッテリー次第
騒音大きい小さい
始動始動ロープを引くスイッチのみ
燃料管理混合燃料が必要不要
重さ重いやや軽い
メンテナンスプラグ、エアフィルタ等少ない

年に数回、庭木の剪定や枝の処理をする程度なら、充電式で十分だと思います。燃料の管理が要らない点が、想像以上に楽です。

太い木を継続的に伐る、山林を管理する、という用途ならエンジン式になります。

ガイドバーの長さ

バー長切れる太さの目安用途
25cm前後直径20cm程度まで枝払い、剪定
30〜35cm直径25〜30cm程度薪づくり、庭木
40cm以上直径35cm以上本格的な伐木

長いほど汎用性は上がりますが、重くなり、扱いにくくなります。初めて買うなら、扱える範囲で選んでください。

目安として、切りたい木の直径の1.5倍程度のバー長があると作業が楽になります。

キックバックの仕組みを知っておく

チェーンソーの事故で最も多いのがキックバックです。仕組みを知っておくだけで、避けられる場面がかなり増えます。

どこが危険なのか

ガイドバーの先端、その上側4分の1あたりが危険域です。ここを「キックバックゾーン」と呼びます。

この部分が木に触れると、回転する刃が食い込めずに弾かれます。その反動で、本体が使用者の顔に向かって跳ね上がります。

起きるのは一瞬です。人が反応して避けられるものではありません。だから起こさないことがすべてになります。

起こさないための3つ

  1. バー先端で切らない。切り込みは、バーの根元側から入れます。先端を突っ込む切り方は、慣れるまで避けてください。
  2. 切れる刃を保つ。切れない刃は押しつけを招き、先端が触れる確率を上げます。
  3. 両手でしっかり握る。左手は親指を回してハンドルを包みます。上に添えるだけでは、跳ね上がりを止められません。

あわせて、チェーンブレーキが確実に動くことを毎回確認してください。キックバックが起きたとき、手の甲がレバーを押してチェーンを止める仕組みになっています。

近年の製品には、キックバックを起こしにくい形状のチェーン(低キックバックチェーン)もあります。初めて買うなら、そうした安全機構のある製品を選ぶのも手です。

振動障害と作業時間

すぐには症状が出ないため、軽視されやすい問題です。しかし気づいたときには手遅れになります。

チェーンソーの振動を受け続けると、手指の血管や神経が障害を受けます。振動障害、いわゆる白ろう病です。

症状としては、寒いときに指が白くなる、しびれる、感覚が鈍る、細かい作業ができなくなる、といったものが出ます。進行すると元には戻りません。

対策

  • 防振機構のある機種を選ぶ。ハンドルとエンジンの間にゴムやバネが入っている製品があります。
  • 防振手袋を使う。厚手の手袋というだけでなく、防振性能をうたった製品を選んでください。
  • 連続作業を避ける。こまめに休憩を入れ、手を温めます。
  • 寒い日は特に注意する。血行が悪い状態で振動を受けると、症状が出やすくなります。
  • 切れる刃を保つ。切れない刃は作業時間を延ばし、振動を受ける時間も延ばします。

業務で使う場合は、作業時間の管理が求められます。個人でも、「今日は2時間まで」と決めて始めるくらいの意識があっていいと思います。

充電式を選ぶときのバッテリー

充電式を検討するなら、本体よりバッテリーの規格を先に考えてください。

シリーズを揃えると経済的

各メーカーは、同じバッテリーを複数の機種で使い回せるようにしています。18Vや36Vといった規格で、電動工具、草刈機、ブロワーなどを共通化しているのが一般的です。

すでにそのメーカーの工具を持っているなら、バッテリー本体なしのモデルを選べます。1万円以上安くなることもあります。

逆に、これから揃えるなら「どのシリーズに乗るか」を最初に決めておくと、後々の出費を抑えられます。

容量と作業時間

バッテリーの容量はアンペアアワー(Ah)で表されます。数字が大きいほど長く使えますが、その分重く、高価になります。

チェーンソーは消費電力が大きいため、小容量では数分から十数分しか動きません。連続して使うなら、予備バッテリーを1本用意しておくことをすすめます。

充電にも時間がかかります。「切れたら充電して待つ」では作業が進みません。

作業前の点検

  • チェーンの張り:たるみすぎは外れます。バーの下側で少し持ち上がる程度が目安です。
  • チェーンブレーキ:前方のレバーを押して、チェーンが止まるか確認します。
  • チェーンオイルの吐出:空回しして、オイルが飛ぶか見ます。出ていなければ使わないでください。
  • 刃の状態:欠けや摩耗がないか。
  • 燃料漏れ:タンク周りに漏れがないか。
  • ボルトの緩み:バーを固定するナットが緩んでいないか。

チェーンブレーキの確認は毎回やってください。キックバックが起きたとき、これが動かなければ止まりません。

一式そろえるといくらか

品目価格の目安優先度
チェーンソー本体15,000〜60,000円必須
チャップス6,000〜15,000円必須
ヘルメット(シールド・イヤーマフ付)5,000〜12,000円立木なら必須
防振手袋2,000〜5,000円高い
目立てセット2,000〜5,000円必須
チェーンオイル1,000〜2,000円必須
混合燃料(既製品)1,500〜2,500円必須
携行缶(自分で混ぜる場合)3,000〜5,000円条件による

本体を除いて、2万円から4万円ほどが防護具と消耗品の目安です。

「本体より防護具のほうが高いのでは」と思われるかもしれません。実際、安いチェーンソーを選べばそうなります。

それでも私は、本体のグレードを1段下げてでも防護具を揃えることをすすめます。切れ味は目立てで補えますが、怪我は補えません。

予算を段階的に組むなら、次の順番になります。本体 → チャップス → 目立てセット → ヘルメット → 防振手袋。ここまで揃えば、庭木の処理や薪づくりは一通りこなせます。

逆に、あとから買い足せばいいものもあります。専用の運搬ケース、木回し(フェリングレバー)、くさび。これらは作業が増えてきてから検討すれば十分です。最初から全部そろえる必要はありません。

年間のメンテナンス

チェーンソーは消耗部品の多い機械です。放っておくと、次に使うときに動きません。

頻度やること
使うたびチェーンの張り確認、オイル補給、清掃
燃料1タンクごと目立て
数回使うごとエアフィルターの清掃
シーズンごとスパークプラグの点検、ガイドバーの溝清掃
長期保管前燃料を抜く、刃を清掃、注油

エアフィルターの詰まりが多い

木くずが舞う環境なので、エアフィルターはすぐ詰まります。

詰まると、エンジンの調子が落ち、かかりにくくなります。「調子が悪い」の原因の多くがここです。修理に出す前に、まず外して見てください。

清掃は、はたいて木くずを落とすか、フィルターの種類によっては水洗いします。完全に乾かしてから戻してください。

湿ったまま組み付けると、かえって不調の原因になります。急ぐなら予備のフィルターを1枚持っておくと、待たずに作業を続けられます。数百円の部品なので、揃えておく価値はあります。

あわせて、スパークプラグも予備を1本持っておくと安心です。かぶって始動しなくなったとき、その場で交換できます。出先で動かなくなると、それだけで1日が終わります。

ガイドバーの溝も掃除する

見落とされやすい部分です。ガイドバーの外周には、チェーンが走る溝があります。

ここに木くずとオイルが混ざったものが詰まると、チェーンオイルが先端まで届かなくなります。潤滑不足でバーが焼け、寿命が一気に縮みます。

マイナスドライバーや専用のクリーナーで、溝をさらってください。同時にオイル穴も詰まっていないか確認します。

やってはいけないこと

  • 防護具なしで使う。とくにチャップスなしは避けてください。
  • 切れない刃で無理に押しつける。キックバックの主因です。
  • 肩より高い位置で切る。体勢が崩れ、制御できなくなります。
  • 脚立に乗って使う。反動でバランスを崩します。高所は業者に依頼してください。
  • 1人で山に入る。事故が起きても発見されません。
  • チェーンブレーキを確認せずに始動する。
  • 疲れているのに続ける。集中力が切れた瞬間に事故が起きます。
  • エンジンをかけたまま移動する。必ず止めるか、ブレーキをかけてください。

「肩より高い位置で切らない」は、剪定作業で守りにくいルールです。だからこそ、高い枝は高枝切りバサミやポールソーを使うという判断が要ります。

細かい疑問に答えます

Q. 充電式なら防護具は要りませんか?

A. 必要です。刃の危険性は変わりません。

充電式は騒音と振動が小さいため、耳栓の必要性は下がります。しかしチャップスと保護メガネは同じように必要です。

むしろ、静かで扱いやすいぶん油断が生まれやすいという指摘もあります。

Q. 目立ては業者に頼めますか?

A. 頼めます。ホームセンターや農機具店で受け付けています。

ただし、作業中に切れなくなったら現場で研ぐしかありません。道具は持っておいてください。

最初の数回はプロに研いでもらい、その仕上がりを手本にして自分で研ぐ、という覚え方もあります。

Q. 伐った木を燃やしてもいいですか?

A. 野焼きは原則として禁止されています。

廃棄物処理法により、野外での焼却は禁じられています。農業や林業に伴うやむを得ない焼却などの例外はありますが、自治体によって運用が異なります。

処分方法は、自治体のゴミ収集、剪定枝の受け入れ施設、造園業者への依頼などです。事前に確認してください。

Q. 隣家に張り出した枝を切ってもいいですか?

A. 状況によります。トラブルになりやすい部分です。

民法の改正により、一定の条件を満たせば越境した枝を自分で切除できるようになりました。ただし条件があり、原則としてはまず所有者に依頼することになります。

当サイトは工具のメディアなので、法律関係の詳細な判断はお答えできません。近隣とのことなので、勝手に切る前に相談してください。

Q. 混合燃料は自分で混ぜたほうが安いですか?

A. 使用量が多ければ安くなります。少なければ既製品が有利です。

自分で混ぜる場合、ガソリンの購入には身分証の提示が必要で、適合した携行缶も要ります。混合比を間違えるリスクもあります。

年に数回、1〜2リットル使う程度なら、既製品のほうが総額で安く済むことが多いです。手間と保管のリスクも減ります。

Q. 使わない時期はどう保管しますか?

A. 燃料を抜き、刃を清掃してから保管してください。

タンクに燃料を残したままにすると、劣化した燃料がキャブレターを詰まらせます。抜いたあと、エンジンをかけて自然に止まるまで回すと、内部の燃料も減らせます。

刃に付いた樹液は固まります。清掃してから、ガイドバーにカバーをかけて保管してください。

Q. 太い木は何センチまで切れますか?

A. ガイドバーの長さまでが目安ですが、実際にはもっと余裕を見てください。

バー長ぎりぎりの木を切ろうとすると、先端まで使うことになります。先端はキックバックの危険域です。

バー長の3分の2程度までの太さに収めておくと、無理のない作業ができます。それ以上は、機種を変えるか業者に依頼してください。

Q. エンジンがかからなくなりました

A. まず燃料を疑ってください。古い混合燃料が最も多い原因です。

前回いつ入れた燃料か思い出せないなら、それが原因である可能性が高いです。抜いて新しいものに入れ替えてみてください。

次に疑うのはスパークプラグとエアフィルターです。プラグが濡れていたり、真っ黒に汚れていれば交換します。それでも直らなければ、キャブレターの詰まりが考えられます。

Q. 中古のチェーンソーは買っても大丈夫ですか?

A. 状態を確認できるなら選択肢になりますが、初めての1台にはすすめません。

チェーンソーは消耗品の塊です。ガイドバーの摩耗、スプロケットの減り、キャブレターの状態。これらを見極めるには経験が要ります。

とくに、チェーンブレーキが正常に働くかどうかは命に関わります。動作を確認できない個体は避けてください。

安く買ったつもりが、部品交換で新品と変わらない金額になることもあります。

なお、屋外のエンジン機械は種類が違っても必要な工具が大きく重なります。何から揃えるべきかは屋外エンジン機械に必要な工具まとめに整理しました。あわせてご覧ください。

ここまでの要点

  • 本体・防護具・目立て道具の3点セット。本体だけでは作業できません。
  • 特別教育の義務は業務で使う場合のみ。個人の庭木には義務がありません。
  • 業務で違反すると罰則があります。事業者は6月以下の懲役または50万円以下の罰金。
  • チャップスは最優先。刃が最も当たるのは脚です。
  • 切れない刃が事故を招きます。目立て道具は本体と同時に買ってください。
  • 燃料とチェーンオイルは別物。入れ間違えると壊れます。
  • 混合燃料は1か月で使い切る。年数回なら既製品が確実です。

チェーンソーは、ホームセンターで誰でも買える道具です。個人使用なら資格も講習も要りませんし、購入時に何かを確認されることもありません。

だからこそ、危険性が過小評価されやすい道具だと感じています。刃がむき出しで高速回転するものを、何の講習も受けないまま使い始められてしまうわけです。

本体の予算を少し削ってでも、防護具を先に揃えてください。それが、この道具といちばん長く、安全に付き合う方法だと思っています。

もうひとつ。この記事を書きながら強く思ったのは、チェーンソーは「買ったその日に使える道具ではない」ということです。

混合燃料を用意し、チェーンオイルを入れ、張りを調整し、ブレーキの動作を確かめ、防護具を身につける。ここまでやって、ようやくエンジンをかけられます。

面倒に思えるかもしれません。ただ、この手順そのものが危険な道具と向き合うための準備運動になっていると感じています。省略したくなったときが、いちばん危ないときです。

燃料の容器や運搬についてはガソリン携行缶の選び方にまとめています。あわせてご覧ください。

なお、この記事は執筆時点の法令にもとづいています。特別教育の要否や講習内容については、最新の情報を所管の労働局や教習機関にご確認ください。

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