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発電機の選び方|起動電力と正弦波インバーターの落とし穴

目次

先に要点だけ

  • 屋内・ガレージ・玄関先での運転は絶対にやめてください。一酸化炭素中毒で人が亡くなっています。
  • 消費電力だけで選ぶと足りません。モーター機器は起動時に2〜4倍の電力を要求します。
  • 防災目的ならカセットボンベ式も有力。燃料の保管が圧倒的に楽です。
  • 年に1回は動かしてください。放置した発電機は、いざというとき動きません。

インバーター式で、必要な出力に余裕を持たせる

先に答えを書きます。細かい話はそのあとで構いません。

家庭で使う発電機を選ぶなら、正弦波インバーター搭載で、定格出力1.6kVA前後が扱いやすい基準です。価格は6万円から15万円ほど。

防災用途で、たまにしか使わないならカセットボンベ式も有力です。燃料の劣化を気にせず済みます。

ただし、選び方の前に必ず知っておいてほしいことがあります。

発電機を屋内やガレージで動かすと、人が死にます。毎年、停電のたびに一酸化炭素中毒の事故が起きています。この記事では、その話から先に書きます。

私は乙種第4類危険物取扱者の資格を持っています。ガソリンの取扱いは守備範囲です。燃料の管理についても書いていきます。

まず、一酸化炭素中毒の話から

発電機で最も多い死亡事故の原因です。選び方より先に、ここを読んでください。

なぜ気づけないのか

一酸化炭素は無色・無臭です。目に見えず、においもしません。

吸い込むと、血液中のヘモグロビンと結合します。酸素を運ぶ役割を奪われるため、体が酸欠状態になります。

怖いのは、症状が出たときには動けなくなっていることです。頭痛やめまいを感じた時点で、すでに判断力が落ちています。「外に出よう」と思っても、体が言うことを聞きません。

眠っている間に吸い込んでしまえば、そのまま目を覚ますことはありません。

絶対に運転してはいけない場所

  • 屋内:言うまでもありません。
  • ガレージ・車庫:シャッターを開けていても危険です。
  • 玄関先・軒下:排気が屋内に流れ込みます。
  • ベランダ・バルコニー:窓から室内に入ります。
  • 物置・納屋の中
  • テントやタープの下
  • 車内・車の荷台
  • 地下室・ピット:排気が溜まります。

「換気しているから大丈夫」という判断が、いちばん危険です。窓を開けた程度では追いつきません。

屋外でも条件次第で危険です

では屋外なら安全かというと、そう言い切ることもできません。条件次第では屋外でも危険です。

  • 建物の窓や換気口の近く:排気が吸い込まれます。
  • 風が建物側に吹いている:排気が流れ込みます。
  • 壁に囲まれた狭い場所:空気が滞留します。
  • 雪に囲まれた場所:雪の壁が排気を溜めます。

目安として、建物から数メートル以上離し、排気が建物と反対方向に流れる位置に置いてください。取扱説明書に距離の指定があれば、それに従います。

一酸化炭素警報器を置いてください

数千円で買えます。発電機を持っているなら、あわせて用意することを強くすすめます。

人間の感覚では検知できないものを、機械なら検知できます。停電で発電機を使う場面では、部屋の中に置いておいてください。

近年は、一酸化炭素の濃度を検知して自動停止する発電機も出ています。予算に余裕があるなら、その機能を持つ機種を選ぶ価値があります。

インバーターとは何か

ここからが選び方の本題です。カタログを見て最初に判断すべき、いちばん大きな分かれ道になります。

電気の「波形」の話

家庭のコンセントから来る電気は、交流です。プラスとマイナスが規則正しく入れ替わっており、その変化をグラフにするとなめらかな波になります。これを正弦波と呼びます。

ところが、発電機がそのまま作る電気は、この波形が乱れています。エンジンの回転が一定でないため、電圧も周波数も安定しません。

インバーターは、この乱れた電気をいったん直流に変換し、きれいな正弦波として作り直す仕組みです。「正弦波インバーター」と表示された製品は、家庭のコンセントに近い品質の電気を出せます。

インバーターがないとどうなるか

波形が乱れた電気を精密機器に入れると、次のようなことが起きます。

  • 動作が不安定になる
  • 異常に発熱する
  • 内部の電子部品が壊れる
  • そもそも動かない

マイコンを搭載した機器は、ほぼすべて影響を受けます。近年の家電はほとんどがこれに該当します。

インバーターが必要な機器

機器インバーター
パソコン・スマートフォンの充電必須
テレビ・オーディオ必須
冷蔵庫(インバーター制御のもの)必須
電子レンジ・炊飯器必須
医療機器必須(要メーカー確認)
照明(LED)推奨
電動工具(モーターのみ)なくても動く場合が多い
投光器(ハロゲン)なくても可
水中ポンプなくても可

工事現場で投光器や電動工具だけを使うなら、インバーターなしの安価な機種でも足ります。

しかし家庭の防災用途なら、インバーター一択です。停電時に使いたいのは、スマートフォン、照明、冷蔵庫、テレビ。すべて精密機器だからです。

出力の選び方

インバーターの次に見るのが出力です。そして、ここに大きな落とし穴が待っています。

定格出力と最大出力

カタログには2つの数字が並んでいます。

  • 定格出力:連続して安定して出せる出力。こちらを基準に選びます。
  • 最大出力:短時間だけ出せる出力。継続して使える値ではありません。

広告では最大出力が大きく書かれていることがあります。惑わされないでください。実用上の目安は定格出力です。

起動電力という落とし穴

ここが、発電機選びで最も間違えやすい部分です。私も最初は知りませんでした。

モーターを内蔵した機器は、動き始めるときに大きな電力を必要とします。これを起動電力(始動電力)と呼びます。

目安として、モーター機器の起動電力は、消費電力の2〜4倍とされています。

たとえば消費電力200Wの冷蔵庫でも、起動時には400Wから800W必要になることがあります。定格出力300Wの発電機では動きません。

「消費電力の合計が発電機の出力より小さいのに動かない」というトラブルの原因は、ほぼこれです。

起動電力が大きい機器

  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • エアコン
  • 電動工具(丸ノコ、コンプレッサーなど)
  • ポンプ類
  • 洗濯機
  • 電子レンジ

逆に、照明、スマートフォンの充電、テレビなどは起動電力がほとんどかかりません。

必要な出力の考え方

  1. 同時に使いたい機器を書き出す。
  2. それぞれの消費電力を調べる。本体のラベルか説明書に書いてあります。
  3. 合計する。
  4. モーター機器がある場合は、その中で最も大きいものを2〜4倍にして足し直す。
  5. さらに2割程度の余裕を見る。

この計算をすると、思っていたより大きな発電機が必要だと分かることが多いです。

用途別の目安

定格出力できること重さの目安
0.7〜0.9kVA照明、スマホ充電、扇風機10kg前後
1.6kVA前後上記+冷蔵庫、テレビ、電子レンジ(単独)20kg前後
2.5kVA前後上記+電動工具、複数機器の同時使用30kg前後
5.5kVA以上エアコン、業務用途60kg以上

家庭の防災用途では1.6kVA前後が現実的な選択になります。これ以上大きいと、重くて動かせません。

逆に0.9kVA以下では、冷蔵庫が動かない可能性があります。何を動かしたいかを先に決めてください。

燃料の種類で選ぶ

比較項目ガソリン式カセットボンベ式
出力大きいやや小さい
連続運転長い短い(1〜2時間程度)
燃料の入手スタンドで身分証が必要スーパーやコンビニで買える
燃料の保管劣化する(半年目安)長期保管できる
燃料の劣化キャブレターを詰まらせるほぼ気にしなくてよい
価格やや安いやや高い
寒冷時問題なし出力が落ちる場合がある

防災用途ならカセットボンベ式も有力

年に一度も使わない可能性がある道具です。この場合、性能よりも燃料をどう管理し続けるかが最大の課題になります。

ガソリンは半年ほどで劣化します。放置すればキャブレターが詰まり、いざというときに動きません。定期的に使い切って入れ替える手間が発生します。

カセットボンベなら、その心配がほぼありません。普段からカセットコンロで使っている家庭なら、備蓄の回転も自然にできます。

ただし、連続運転時間が短いのが弱点です。ボンベ2本でおおむね1〜2時間程度が目安になります。長時間の停電に備えるなら、それなりの本数を確保しておく必要があります。

発電機は混合燃料ではありません

ここを間違える方が、実際にいます。物置に両方の燃料を置いている家庭では、とくに起こりやすい取り違えです。

発電機のエンジンは、ほとんどが4サイクルです。オイルを入れる場所が別にあり、燃料タンクには普通のガソリンを入れます。

草刈機やチェーンソーで使う混合燃料を入れると、燃焼室にカーボンが溜まり、白煙が出ます。同じ物置に両方置いてある場合、取り違えに注意してください。

容器に品名を書いておくことで防げます。詳しくは混合燃料の作り方と管理に書きました。

重さと持ち運び

カタログでは目立たない項目ですが、実際の使い勝手を大きく左右します。見落とさないでください。

1.6kVAクラスで20kg前後、2.5kVAクラスなら30kg前後になります。20kgの米袋を持ち上げて運ぶと考えると、実感が湧くと思います。

停電時は、これを物置から出して、屋外の適切な位置まで運ぶことになります。暗い中、慌てた状態で。

  • 普段の保管場所から設置場所までの動線を確認しておいてください。
  • 段差や階段があるなら、重量は特に重要です。
  • キャリーハンドルと車輪が付いた機種は、移動が格段に楽になります。
  • 2人で運ぶことを前提にしない。1人で扱える重さを選んでください。

つい出力の大きい機種を選びたくなりますが、自分で運べなければ意味がありません。店頭で持ち上げてみるくらいの慎重さがあっていいと思います。

始動方式もチェックする

エンジンをかける方法にも種類があり、これも選ぶときの判断材料になります。

方式特徴向いている人
リコイル式(ロープを引く)電源不要。構造が単純で故障が少ない一般的。多くの機種がこれ
セルスターター(ボタン)楽だがバッテリーが必要力に不安がある方

リコイル式は、勢いよくロープを引く必要があります。力の要る動作なので、実際に試してから買えると理想的です。

セルスターター付きは便利ですが、バッテリーが上がると使えません。防災用途では、これが致命的になり得ます。セル付きでもリコイルを併設した機種を選ぶと安心です。

寒い日はエンジンがかかりにくくなります。チョークの操作が必要な機種もあるので、手順を確認しておいてください。

騒音も確認してください

買ってから後悔しやすいポイントです。カタログの隅に小さく書かれています。

カタログには騒音値がデシベルで書かれています。数字が小さいほど静かです。

停電時は、周囲も静まり返っています。その中で発電機を回せば、音は目立ちます。住宅密集地では、これが近隣トラブルになります。

インバーター式は、負荷に応じてエンジン回転を落とす制御が入るため、比較的静かになります。この点でも家庭用に向いています。

夜間の使用を考えるなら、静音性を優先してください。

一緒に必要になるもの

道具役割優先度
一酸化炭素警報器見えない危険を検知する最優先
ガソリン携行缶(適合品)燃料の運搬・保管ガソリン式なら必須
エンジンオイル4サイクルなので定期交換が必要必須
延長コード(アース付き)発電機を建物から離して置くため必須
細口の給油ノズルこぼさず給油する高い
ABC粉末消火器油火災に対応高い
耳栓長時間の作業時
ヘッドライト停電時の給油作業に高い

延長コードは軽視できません。発電機を建物から十分離して置くには、長いコードが要ります。短いコードしかないと、つい建物に近づけてしまいます。

また、コードには許容電流があります。細いコードで大きな電力を流すと発熱し、発火します。使う機器の消費電力に見合ったものを選んでください。

ヘッドライトも重要です。停電時の給油はほぼ確実に暗がりでの作業になります。ライターやろうそくで手元を照らすのは論外なので、明かりを用意しておいてください。

使い方の手順

  1. 屋外の、建物から離れた場所に置く。排気が建物に向かわない位置を選びます。
  2. 平らな場所に設置する。傾いているとオイルが偏り、エンジンを傷めます。
  3. オイルの量を確認する。4サイクルなのでエンジンオイルが必要です。
  4. 燃料を入れる。エンジンが止まっていて、冷えている状態で行います。
  5. 機器を接続せずに始動する。先に発電機を安定させます。
  6. 暖機してから機器をつなぐ。1〜2分ほど回します。
  7. 負荷の大きい機器から順に接続する。起動電力を確保するためです。
  8. 止めるときは、機器を外してからエンジンを切る。

5番と6番は守ってください。機器をつないだまま始動すると、起動時の電圧変動が機器にかかります。

給油は必ずエンジンを止めて、冷ましてから行ってください。稼働中のマフラーは数百度になっています。こぼれたガソリンが触れれば発火します。

停電の最中は「せっかく動いているのに止めたくない」という気持ちが働きます。しかし、燃料が切れる前に、余裕を持って計画的に給油するほうが結局は安全です。

保管と定期運転

年に1回は動かしてください

これが、防災用の発電機を持つうえで最も大切なことかもしれません。買うことより難しい部分です。

買って物置に置いたまま数年放置した発電機は、まず動きません。燃料が劣化してキャブレターが詰まり、バッテリーがあれば上がっています。

停電が起きてから「動かない」と気づくのでは、備えた意味がありません。

防災訓練の日、あるいは季節の変わり目など、日を決めて動かす習慣をつけてください。10分ほど回すだけで、状態が保てます。

長期保管のとき

  • 燃料を抜く。タンクとキャブレターの両方です。
  • 燃料コックを閉じ、エンジンが自然に止まるまで回す。内部の燃料を使い切ります。
  • エンジンオイルを交換する。汚れたまま置くと内部が傷みます。
  • 乾いた場所に保管する。湿気は錆を呼びます。
  • カバーをかける。ほこりと直射日光を避けます。

抜いた燃料の処分も考えておいてください。ガソリンは自治体では回収されません。詳しくはガソリン携行缶の選び方に書いています。

ポータブル電源という選択肢

当サイトは道具を紹介するメディアですが、買わないほうがいい場面もはっきり書きます。

比較項目発電機ポータブル電源
屋内使用不可可能
騒音大きいほぼ無音
燃料管理必要不要
長時間の運用燃料を足せば継続できる容量まで
大出力得意機種による
価格6〜15万円5〜20万円
寿命整備すれば長いバッテリー劣化あり

スマートフォンの充電、照明、ノートパソコン。この程度が目的なら、ポータブル電源のほうが向いています。屋内で使えて、音もせず、燃料の管理も要りません。

発電機が優位なのは、長時間の運用大きな出力が要る場面です。冷蔵庫を何日も動かす、電動工具を使う、といった用途になります。

「防災用に発電機を」と考える前に、何をどれだけ動かしたいのかを整理してみてください。ポータブル電源で足りるなら、そのほうが管理は楽です。

エンジンオイルの管理

4サイクルエンジンなので、車と同じようにオイルの管理が必要です。ここを忘れると、確実に壊れます。

初回は早めに交換する

新品のエンジンは、内部の金属が馴染む過程で微細な粉が出ます。多くのメーカーが初回20時間程度での交換を指定しています。

その後は50時間ごと、あるいは年1回といった目安が説明書に書かれています。使用頻度が低くても、年に一度は交換してください。オイルは走らせなくても劣化します。

オイル切れで止まる機能がある

多くの発電機には、オイルが規定量を下回るとエンジンを自動停止させる機能が付いています。

これは保護機能ですが、裏を返せば「オイルが減っていると停電時に動かない」ということです。

「急に止まった」「かからない」という症状の原因が、単なるオイル不足であることは珍しくありません。まずゲージを確認してください。

傾けて置かない

設置場所が傾いていると、オイルが片側に寄ります。センサーが誤検知して止まることもあれば、潤滑不足で内部を傷めることもあります。

斜面や不安定な場所に置かないでください。板を敷いてでも水平を出すべきです。

停電時の使い方を具体的に

実際に停電が起きた場面を想定して、運用の考え方を整理します。

何を優先して動かすか

1.6kVA程度の発電機で、すべてを同時に動かすことはできません。優先順位を決めておいてください。

優先度機器理由
高い冷蔵庫食品の廃棄を防ぐ。断続的に動かせば足りる
高いスマートフォンの充電情報と連絡の手段
照明LEDなら消費電力は小さい
扇風機・電気毛布季節による
低いテレビ情報はスマホで代替できる
要注意電子レンジ消費電力が大きい。単独で使う

冷蔵庫は常時つないでおく必要がありません。1〜2時間ほど動かせば庫内は十分に冷えます。その後は止めて、電力を他の機器に回すという運用ができます。

ただし、頻繁に扉を開けないでください。冷気が逃げると、それだけ電力を使います。

燃料をどれだけ持つか

これは難しい判断です。多く持てば長く使えますが、その分だけ保管の危険と劣化のリスクが増していきます。

私の考えでは、10リットル程度が現実的な上限です。ガソリンなら40リットルを超えると火災予防条例の対象に近づきますし、そもそも半年で劣化します。

それ以上を求めるなら、カセットボンベ式に切り替えるほうが管理は楽になります。ボンベなら長期保管でき、普段の調理でも回転させられます。

近隣への配慮

停電は地域全体で起きます。結果として、自分の家だけが発電機を回している状況になりがちです。

夜間の運転は音が響きます。可能なら、日中に冷蔵庫を冷やしておき、夜は止めるといった運用を考えてください。

排気の向きも重要です。隣家の窓に向けて置けば、相手が一酸化炭素を吸うことになります。自分の家だけでなく、周囲の建物との位置関係も確認してください。

ありがちな失敗

失敗結果防ぎ方
ガレージで運転した一酸化炭素中毒屋外で、建物から離す
消費電力だけで選んだ冷蔵庫が起動しない起動電力を2〜4倍で計算
インバーターなしを選んだ家電が動かない、壊れる家庭用は正弦波インバーター
混合燃料を入れた白煙、カーボン汚れ4サイクルはガソリン
数年放置したいざというとき始動しない年1回は動かす
稼働中に給油した発火の危険止めて冷ましてから
細い延長コードを使った発熱、発火許容電流を確認する

よくいただく疑問

Q. 家のコンセントに直接つないでいいですか?

A. 絶対にやめてください。非常に危険です。

発電機の電気が住宅の配線を逆流し、電線を通じて外部に流れ出す可能性があります。復旧作業をしている作業員が感電する危険があります。

住宅の分電盤に接続するには、専用の切替装置が必要で、電気工事士による工事が必須です。自分で配線してはいけません。

発電機からは、機器を直接つなぐか、延長コードを使ってください。

Q. アース(接地)は必要ですか?

A. 取扱説明書に従ってください。機種によって異なります。

アース端子が付いている機種では、接地が推奨または必要とされている場合があります。漏電時の感電を防ぐためです。

湿った場所で使う、金属製の機器を接続する、といった条件では、とくに重要になります。判断に迷うなら、メーカーに確認してください。

Q. 雨の日に使えますか?

A. 濡らさないでください。感電と故障の原因になります。

ただし、屋内に持ち込むのは絶対にダメです。ここが難しいところで、「屋外で、かつ雨に濡れない場所」を確保する必要があります。

専用の防雨カバーや、簡易的な屋根を用意する方法があります。ただし、覆いすぎると排気が滞留するので、通気を確保してください。

Q. どのくらい連続で回せますか?

A. 機種と負荷によりますが、給油しながらでも連続運転には限度があります。

エンジンには冷却と休息が必要です。取扱説明書に連続運転時間の目安が書かれていることが多いので、確認してください。

また、長時間回せばエンジンオイルも消耗します。長期の停電に備えるなら、オイルの予備も用意しておいてください。

Q. 中古の発電機はどうですか?

A. すすめません。とくに防災用としては避けてください。

放置されていた個体は、キャブレターが詰まっている可能性が高いです。動作確認ができても、その後どれだけ使えるかは分かりません。

いざというときに動くことが目的の道具です。ここで数万円を節約する意味は薄いと思います。

Q. 冷蔵庫を動かしたいのですが、何kVA要りますか?

A. 冷蔵庫の消費電力を確認し、その2〜4倍を目安にしてください。

家庭用冷蔵庫の消費電力は、機種や年式によって幅があります。本体の背面や側面に貼られたラベルで確認できます。

一般的な家庭用なら、1.6kVA前後あれば動かせることが多いです。ただし他の機器と同時に使うなら、その分を足してください。

Q. 買ったらまず何をすればいいですか?

A. 明るいうちに、屋外で一度動かしてみてください。

確認すべきことは4つです。始動の手順、オイルの入れ方、給油の方法、置き場所。停電してから初めて箱を開けるのでは間に合いません。

とくに置き場所は、事前に決めておいてください。「建物から離れていて、排気が窓に向かわず、雨が当たらない場所」を探すのは、暗がりでは困難です。

家族にも始動方法を伝えておくと、なお良いと思います。使える人が1人しかいない状態は、備えとして脆弱です。

Q. kVAとkWの違いは何ですか?

A. 発電機の出力表記にはkVAが使われることが多く、機器の消費電力はWで表されます。

厳密には力率という係数が関わりますが、家庭で使う分にはおおむね1kVA=1000W程度と考えて、余裕を見て選べば実用上は困りません。

細かい計算より、起動電力を見込んで大きめを選ぶほうが確実です。ぎりぎりで設計しても良いことはありません。

Q. キャンプで使ってもいいですか?

A. キャンプ場のルールを確認してください。発電機を禁止している場所が多くあります。

騒音が大きな理由です。静けさを求めて来ている利用者にとって、エンジン音は迷惑になります。

そして安全面では、テントやタープの下では絶対に使えません。一酸化炭素が滞留します。実際に事故が起きています。

キャンプ用途なら、ポータブル電源のほうが適しています。無音で、屋内でも使えます。

なお、屋外のエンジン機械は種類が違っても必要な工具が大きく重なります。何から揃えるべきかは屋外エンジン機械に必要な工具まとめに整理しました。あわせてご覧ください。

おわりに

  • 屋内・ガレージ・玄関先での運転は厳禁。一酸化炭素は無色無臭で、気づいたときには動けません。
  • 一酸化炭素警報器を一緒に買ってください。数千円で命が守れます。
  • 家庭用なら正弦波インバーター一択。精密機器が壊れます。
  • 定格出力で選ぶ。最大出力の数字に惑わされないでください。
  • 起動電力は消費電力の2〜4倍。ここを見落とすと冷蔵庫が動きません。
  • 発電機は4サイクル。混合燃料ではなく普通のガソリンです。
  • 年に1回は動かす。放置した発電機は動きません。

発電機は、停電という非常時にしか使わない道具です。暗くて、急いでいて、判断力が落ちている状況で扱うことになります。

だからこそ、買った日に一度使ってみてください。始動の手順、給油の方法、置き場所。明るいうちに確認しておけば、本番で迷いません。

そして、どこに置くかは事前に決めておいてください。停電してから「どこなら安全か」を考えると、つい建物の近くに置いてしまいます。事故の多くは、そうやって起きています。

雨風が強い日、寒い夜。そういう条件が重なるほど、「軒下でいいか」「シャッターを少し開けておけば大丈夫だろう」という判断に傾きます。その油断が、命に関わる結果を生みます。

明るいうちに設置場所を決めて、家族と共有しておく。それだけで、判断を迷う場面がなくなります。

最後にもうひとつ。発電機を買うと、「これで安心」と思ってしまいがちです。私もそうでした。

しかし実際には、燃料の劣化、オイルの管理、年1回の試運転、一酸化炭素警報器の電池。備えた後のほうが、やることが多い道具です。

管理を続ける自信がないなら、ポータブル電源を選ぶほうが結果的に頼りになります。当サイトは道具を紹介するメディアですが、持たない判断も選択肢のひとつだと考えています。

発電機は、機種によって出力も始動方法も接続できる機器も変わります。ここに書いたのは選ぶための共通の考え方で、個々の数値はお持ちの機種の仕様表が正になります。とくに「この家電をつないでよいか」の判断は、必ず取扱説明書で確認してください。

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