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草刈機に必要な道具一式|保護メガネを省略してはいけない理由

目次

要点を先に

  • 仕事で使うなら「刈払機取扱作業者安全衛生教育」が必要です。個人の庭なら義務はありません。
  • 刈刃にはチップソー・金属刃・ナイロンコードがあり、危険性も用途も違います。
  • 振動障害(白ろう病)は連続作業で起きます。防振手袋と休憩で防いでください。

結論:保護メガネ・すね当て・耳栓が最優先です

先に答えを書きます。草刈機を使うために必要なものは、大きく3つに分かれます。買い物リストとして使ってください。

  1. 本体と燃料まわり:刈払機、刈刃、混合燃料またはガソリン、携行缶
  2. 防護具:保護メガネ、すね当て、耳栓、防振手袋、長袖長ズボン、安全靴
  3. 整備道具:刈刃交換用レンチ、替え刃、グリス、清掃ブラシ

この中で、最優先は防護具です。とくに保護メガネは外せません。

草刈機は毎分数千回転で刃を回します。地面には石や金属片が隠れています。刃がそれを弾けば、弾丸のような速度で飛んできます。

目に入れば失明します。数千円の保護メガネで防げるものを、わざわざ省略する理由はどこにもありません。

私は乙種第4類危険物取扱者の資格を持っています。混合燃料の扱いは守備範囲です。この記事では、法令上の要件から道具の選び方、燃料の管理までまとめます。

仕事で使うなら安全衛生教育が必要です

意外と知られていない部分なので、道具の話に入る前に書いておきます。

刈払機取扱作業者安全衛生教育

厚生労働省の通達(平成12年2月16日 基発第66号)により、事業者は刈払機を使用する業務に就かせる労働者に対して、特別教育に準じた安全衛生教育を実施することが求められています。

労働安全衛生法第59条第3項に準ずるもので、主な目的は振動障害の防止です。あわせて、転倒、刈刃の跳ね返り、飛散物による負傷といった災害を防ぐ内容が含まれます。

個人使用なら義務はありません

使う場面安全衛生教育
造園業・農業などの業務必要
会社の指示で敷地の草を刈る必要
報酬を受けて他人の土地を刈る必要
自宅の庭や畑を自分で刈る義務なし
町内会などの無償の活動状況による。主催者に確認を

対価が発生する仕事で使う場合が対象です。自宅の草刈りには義務がありません。

ただし、義務がないことと安全であることは別です。刈払機による死亡災害は実際に起きています。個人でも、危険性の高い道具だという認識は持っておいてください。

防護具は5つあります

1. 保護メガネ・フェイスシールド

最優先です。他をすべて諦めても、これだけは着けてください。

草刈りの現場には、草だけがあるわけではありません。石、ガラス片、針金、空き缶、コンクリートの破片。草に隠れて見えないものが大量にあります。

刈刃がこれらを叩けば、猛烈な速度で飛んでいきます。距離が近いほど、威力はまったく落ちません。

選ぶときは、目の横まで覆う形状のものにしてください。普通のメガネや、レンズだけのタイプでは側面から入ります。

メッシュのフェイスシールドは曇りにくく、夏場でも使いやすい選択です。ただし細かい粉じんは通すので、状況で使い分けてください。

2. すね当て(脚部防護)

刈刃の高さは、ちょうどすねの位置です。飛散物が最も当たりやすい場所になります。

石が当たれば、打撲では済まないこともあります。刃が跳ねて脚に当たる事故もあります。

専用のすね当てが数千円で売られています。作業ズボンだけでは、飛来物を止められません。

3. 耳栓・イヤーマフ

エンジン式の刈払機は、耳のすぐ近くで大きな音を出します。

この音を浴び続けると、騒音性難聴になります。じわじわ進行し、気づいたときには戻りません。

安価な耳栓でも効果はあります。長時間の作業が多いなら、イヤーマフのほうが着脱は楽です。

4. 防振手袋

刈払機の振動は、手から腕へ伝わります。これを受け続けると振動障害(白ろう病)になります。

症状は、指が白くなる、しびれる、感覚が鈍る、細かい作業ができなくなる、といったものです。進行すると元に戻りません。

安全衛生教育の主目的がこの障害の防止であることからも、軽視できない問題だと分かります。

厚手の作業手袋ではなく、防振性能をうたった製品を選んでください。

5. 長袖・長ズボン・安全靴

夏場は暑いですが、それでも肌を露出しないでください。

飛散物だけでなく、草の切り口、虫、かぶれる植物からも身を守れます。ハチやマムシへの備えにもなります。

足元は、つま先に芯の入った安全靴か、丈のある長靴が基本です。サンダルやスニーカーでの作業は避けてください。

防護具守るもの優先度価格の目安
保護メガネ目(飛散する石)最優先1,000〜3,000円
すね当て脚(刃の高さ)高い2,000〜5,000円
耳栓・イヤーマフ聴力高い500〜4,000円
防振手袋手指(振動障害)高い2,000〜5,000円
安全靴・長靴3,000〜8,000円

刈刃の種類で危険性が変わります

本体選びより、むしろこちらのほうが重要かもしれません。刃によって作業性も危険性も変わります。

種類特徴飛散向いている場所
チップソー円盤に超硬チップ。よく切れるあり広い場所、太い草
金属刃(2枚刃・8枚刃)安価。研げば繰り返し使える多い農地、慣れた人向け
ナイロンコード樹脂の紐が回転する非常に多い障害物の近く、壁際

最初はチップソーが扱いやすい

切れ味がよく、跳ね返りも比較的少なめです。使い捨てに近い消耗品ですが、数百円から買えます。

チップが欠けたら交換してください。欠けたまま使うと振動が増え、跳ね返りも起きやすくなります。

ナイロンコードは飛散が多い

柔らかい樹脂の紐なので、フェンスや石に当たっても本体が跳ねません。障害物の多い場所では安全性が高いと言えます。

ただし、小石や砂を大量に飛ばします。刈った草も細かく飛び散ります。

駐車場の近くで使えば、車に傷が付きます。近隣の窓や洗濯物にも飛びます。使う場所を選ぶ刃だと考えてください。

刈刃と本体の適合を確認する

すべての刈刃がどの機種にも付くわけではありません。

刈刃の外径中心の穴径、そして本体の対応を確認してください。取扱説明書に指定があります。

また、機種によっては金属刃の使用が禁止されているものもあります。とくにループハンドルの機種で金属刃を使うのは危険とされています。

キックバックという危険

チェーンソーと同じように、刈払機にもキックバックという現象があります。

刈刃の右前方あたりが硬いものに当たると、刃が弾かれて本体が使用者側に跳ね返ります。

石、切り株、コンクリートの縁、太い木の幹。これらに刃を当てないよう意識してください。

防ぐには

  • 刃の左側で刈る。回転方向の関係で、左側が安全側になります。
  • 右から左へ振る。刈った草も左に飛ぶので効率的です。
  • 障害物の位置を先に確認する。草を刈る前に、その場所を歩いて見ておきます。
  • 刃を地面に当てない。少し浮かせて振ります。
  • 両手でしっかり保持する。片手作業は絶対にしないでください。

本体の選び方

エンジン式か充電式か

比較項目エンジン式充電式
パワー強い中程度
連続作業燃料を足せば継続できるバッテリー次第
騒音大きい小さい
重さ重いやや軽い
始動ロープを引くスイッチのみ
燃料管理混合燃料が必要な場合あり不要
住宅地での使用音が響く使いやすい

庭の草刈りを年に数回するだけなら、充電式で十分だと思います。始動が楽で、燃料の管理も要りません。住宅地では騒音の面でも有利になります。

一方、広い農地や、笹や灌木の混じった荒れ地を刈るなら、エンジン式のパワーが必要になります。充電式では力不足を感じる場面が出てきます。

排気量の目安

排気量向いている作業
20cc前後家庭の庭、柔らかい草
23〜26cc一般的な草刈り。汎用性が高い
30cc以上笹、灌木、広い農地

排気量が大きいほど重くなります。長時間振り回し続ける道具なので、重さの差は想像以上に体に効きます。

ハンドルの形状

  • 両手ハンドル(U字型):左右に振りやすく、広い場所向き。刈刃を使う作業に適します。
  • ループハンドル:狭い場所や斜面で扱いやすい。取り回しが軽快です。
  • ツーグリップ:軽量。小面積向き。

平坦な庭を刈るなら両手ハンドル、斜面や障害物が多い場所ならループハンドルが扱いやすくなります。

燃料は2サイクルか4サイクルかで変わります

ここを間違えると、機械を確実に傷めます。買う前に必ず確認してください。

方式燃料見分け方
2サイクル混合燃料オイルを入れる場所がない
4サイクル普通のガソリンエンジンオイルの注入口がある

近年は4サイクルの刈払機も増えています。「草刈機だから混合燃料」と決めつけないでください。

混合燃料の作り方や管理については混合燃料の作り方と管理にまとめました。混合比を間違えると焼き付きます。

いずれの方式でも、1か月から数か月で使い切ることを意識してください。古い燃料はキャブレターを詰まらせます。

作業前に確認すること

  1. 刈る場所を歩いて見る。石、切り株、針金、ゴミの位置を把握します。
  2. 危険物を取り除く。飛べば凶器になるものは、先に拾っておきます。
  3. 刈刃の状態を見る。欠け、割れ、ゆがみがないか。
  4. 刈刃の固定を確認する。ナットが緩んでいないか。
  5. 飛散防護カバーが付いているか。外して使わないでください。
  6. 周囲に人がいないか。15メートル以内には人を入れないでください。
  7. 防護具を着ける。

1番と2番は面倒に感じますが、事故を防ぐ効果が最も高い手順です。とくに空き地や、長く放置された土地では、何が埋まっているか分かりません。

実際に出てくるものを挙げると、空き缶、ガラス瓶の破片、古い有刺鉄線、ペグ、コンクリートの杭、水道メーターの蓋。どれも刃が当たれば飛ぶか、刃を壊します。

草が伸びていると、これらは完全に隠れています。刈りながら発見するのでは遅いので、先に一周してください。5分の確認が、数万円の修理と怪我を防ぎます。

5番の飛散防護カバーを外す方がいますが、絶対にやめてください。刈りにくさより、飛散のほうが危険です。

作業してはいけない条件

  • 周囲に人がいる。15メートル以内は立入禁止と考えてください。
  • 急な斜面。足を滑らせれば、回転する刃と一緒に転びます。
  • 雨天や濡れた草。滑りやすく、感電の危険もあります。
  • 体調が悪い、疲れている。集中力が切れた瞬間に事故が起きます。
  • 暗くなってから。障害物が見えません。
  • 飲酒後。言うまでもありません。

斜面での作業は、慣れた人でも危険です。横方向に移動しながら刈るなど、体勢が崩れない動き方を意識してください。

足場が不安定なまま無理に刈ろうとすると、転倒した先に回転する刃があります。刈払機の重大事故の多くが、斜面と転倒の組み合わせで起きています。

急斜面は、はじめから作業範囲に入れないという判断もあります。業者に依頼する、防草シートを敷く、グラウンドカバーの植物を植える。刈らずに済ませる方法を考えるほうが、長期的には合理的なこともあります。

刈り方の基本

道具の話が中心でしたが、使い方も整理しておきます。効率と安全は、この道具では連動しています。楽に刈れる姿勢は、たいてい安全な姿勢でもあります。

右から左へ振る

刈刃は反時計回りに回転しています。そのため、右から左へ振ると、刈った草がきれいに左側へ飛んでいきます。

これから刈る場所に草が積もらないので、作業が進みます。刈り残しも見えやすくなります。

逆方向に振ると、刈った草が未刈りの上に乗り、何度も同じ場所を刈ることになります。効率が落ちるだけでなく、草に隠れた石に気づきにくくなります。

刃の左側を使う

キックバックの項でも書きましたが、刈刃の左側で切るのが基本です。

回転方向の関係で、左側は草を刃に引き込む向きになります。右側は逆に弾く向きなので、跳ね返りが起きやすくなります。

時計の文字盤にたとえると、8時から10時あたりを使うイメージです。

刃を地面に付けない

地面すれすれまで刈りたくなりますが、刃を土に当てると一瞬で切れ味が落ちます。

土の中の砂は、金属を削ります。チップソーならチップが欠け、金属刃なら刃先が丸くなります。

数センチ浮かせて刈ってください。短く刈りたい場合でも、2回に分けて少しずつ下げるほうが結果的にきれいに仕上がります。

背の高い草は2段階で

腰の高さまで伸びた草を、いきなり根元から刈ろうとしないでください。

刈った草が刃に絡まり、エンジンに大きな負担がかかります。そして絡まった草を取ろうとして、回転中の刃に手を伸ばす事故も起きています。

まず上半分を刈り、次に根元を刈る。手間に見えて、こちらのほうが早く終わります。

場所別の注意点

斜面

刈払機の作業で、最も事故が多い場所です。ここだけは慎重にしてください。

斜面を横切るように、等高線に沿って移動してください。上下方向に動くと、足を滑らせたときに転落します。

滑り止めの付いた履物を使い、無理な体勢では刈らないこと。手が届かない場所は、諦めるという判断も必要です。

フェンス際・壁際

金属刃を当てると、跳ね返るか刃が欠けます。

この場所にはナイロンコードが向いています。硬いものに当たっても本体が跳ねません。

ただし飛散が増えるので、フェンスの向こう側に人や車がないか確認してください。

木の根元

刃を幹に当てると、木を傷めるうえにキックバックが起きます。

幹の周囲は手作業か、ナイロンコードで処理してください。若木の場合、樹皮を削られると枯れることがあります。

砂利の上

最も飛散が多い条件です。できれば作業を避けてください。

どうしても必要なら、ナイロンコードを使い、回転数を落とし、周囲に人がいないことを確認してから行ってください。

季節と熱中症

草刈りの需要が高まるのは、夏です。そして夏は、熱中症の危険が最も高い季節でもあります。

防護具を着けると、当然ながら暑くなります。長袖、長ズボン、フェイスシールド。すべて必要なものですが、体温は上がります。

  • 朝の涼しい時間に作業する。ただし早すぎると近隣に迷惑です。
  • こまめに休憩と水分補給を。喉が渇く前に飲んでください。
  • 1人で作業しない。倒れても誰も気づきません。
  • 空調服も選択肢。近年は使う人が増えています。
  • 無理をしない。1日で終わらせようとしないでください。

草は逃げません。2日に分けて刈るという判断が、いちばん確実な安全対策になることもあります。

近隣への配慮

草刈りは、自分の敷地の中で行っていても周囲に影響が出ます。ここも考えておいてください。

  • 飛散物:石や草が隣家の車や窓に飛びます。境界付近では刃の向きに注意してください。
  • 騒音:早朝や日曜の朝は避けたほうが無難です。
  • 洗濯物:草の粉が飛びます。事前に一声かけておくと角が立ちません。
  • ペット・子ども:作業範囲に入らないよう伝えてください。

ナイロンコードを使う場合は、とくに飛散が多くなります。境界近くではチップソーに替える、といった使い分けも有効です。

メンテナンス

頻度やること
使うたび刈刃の点検、本体の清掃、ナットの緩み確認
数回ごとエアフィルターの清掃、ギアケースへのグリス補給
シーズンごとスパークプラグの点検、燃料フィルターの確認
保管前燃料を抜く、刈刃を外して清掃

見落とされやすいのがギアケースへのグリス補給です。刈刃を回す部分の潤滑で、切らすと焼き付きます。

専用のグリスを、20〜30時間の使用ごとに補給するのが目安とされています。取扱説明書で確認してください。

エアフィルターも、草の粉ですぐに詰まります。「調子が悪い」という症状の原因は、その多くがここにあります。修理に出す前に、まず自分で外して確認してみてください。

一式そろえるといくらか

品目価格の目安優先度
刈払機本体15,000〜50,000円必須
保護メガネ1,000〜3,000円最優先
すね当て2,000〜5,000円高い
防振手袋2,000〜5,000円高い
耳栓・イヤーマフ500〜4,000円高い
替刃(チップソー)500〜2,000円必須
混合燃料または携行缶1,500〜5,000円エンジン式なら必須
ギアグリス500〜1,000円

本体を除いて、1万円前後が防護具と消耗品の目安です。

ここでも、本体のグレードを下げてでも防護具を優先することをすすめます。パワー不足なら時間をかければ終わりますが、失った視力は戻りません。防護具は本体と同時に、できれば先に買っておいてください。

刈刃の交換手順

刈刃は消耗品なので、自分で交換できるようになっておくと便利です。店に持ち込む手間が省けます。

  1. エンジンを止める。充電式ならバッテリーを外します。
  2. 本体を安定した場所に置く。刃が浮く向きにします。
  3. 付属のピンを穴に差し、回転を止める。機種によって固定方法が違います。
  4. ナットを緩める。多くの機種で逆ネジです。時計回りで緩みます。
  5. 古い刃を外し、当て板の汚れを落とす。
  6. 新しい刃を、向きを確認して取り付ける。表裏があります。
  7. ナットを確実に締める。緩いと作業中に外れます。
  8. ピンを抜いて、手で回して確認する。

4番の逆ネジが最大のつまずきポイントです。「固くて緩まない」と力を入れる前に、回す方向を確認してください。

普通のネジのつもりで反時計回りに力をかけると、逆に締め込むことになります。ナットをなめる原因です。

そして8番。ピンを抜き忘れたまま始動するという失敗が、意外とよくあります。始動前に必ず抜いてください。

ありがちな失敗

失敗結果防ぎ方
保護メガネなしで作業した飛散物が目に入る必ず着ける
飛散防護カバーを外した飛散範囲が広がる付けたまま使う
刈る前に地面を見なかった石や針金が飛ぶ先に歩いて確認
4サイクル機に混合燃料を入れた白煙、カーボン汚れ方式を確認する
欠けた刈刃を使い続けた振動増加、跳ね返り早めに交換
連続で何時間も作業した振動障害のリスクこまめに休憩
境界近くでナイロンコードを使った隣家の車に傷刃を使い分ける

判断に迷いやすいこと

Q. 充電式なら防護具は要りませんか?

A. 必要です。刈刃が回る危険性は変わりません。

騒音と振動が小さいぶん、耳栓の必要性は下がります。しかし飛散物の危険は同じです。保護メガネとすね当ては着けてください。

Q. 何時間くらい連続で使えますか?

A. 振動障害の観点から、こまめに休憩を入れてください。

業務では作業時間の管理が求められます。個人でも、連続30分程度で休む、1日の合計時間を決めておくといった意識があっていいと思います。

手がしびれてきたら、それは休むべき合図です。我慢して続けないでください。

Q. チップソーは研げますか?

A. 専用の道具があれば可能ですが、個人では交換が現実的です。

超硬チップを研ぐには、ダイヤモンドヤスリや専用の研磨機が必要です。手間と道具代を考えると、数百円の新品に替えるほうが早い場面が多くなります。

チップが欠けたものは、バランスが崩れているので研いでも戻りません。

Q. 刈った草はどう処分しますか?

A. 自治体のルールに従ってください。地域差が大きい部分です。

燃えるゴミとして出せる自治体、剪定枝の受け入れ施設がある自治体、量に制限がある自治体などさまざまです。

野焼きは原則として禁止されています。庭で燃やす前に、必ず自治体に確認してください。

Q. ハチの巣があったらどうしますか?

A. 作業を中止してください。刺激すると集団で襲われます。

草の中や地面の穴に巣があることがあります。エンジン音と振動は、ハチを強く刺激します。

スズメバチであれば、自分で対処しようとせず、自治体や専門業者に相談してください。アナフィラキシーは命に関わります。

Q. 中古の刈払機はどうですか?

A. 初めての1台にはすすめません。

キャブレターの状態、ギアケースの摩耗、シャフトのゆがみ。これらを見極めるには経験が要ります。

とくに飛散防護カバーが欠品している個体は避けてください。安全装備が欠けた状態で使うことになります。

Q. 肩掛けバンドは必要ですか?

A. 必要です。多くの機種に付属していますが、なければ買い足してください。

刈払機は5kg前後あります。これを腕の力だけで支え続けるのは無理です。バンドで体重に預けることで、腕の負担が大幅に減ります。

調整のポイントは高さです。刈刃が地面から数センチ浮く位置で自然に構えられるよう、長さを合わせてください。

また、緊急時にすぐ外せる構造かどうかも確認してください。転倒したとき、本体を放せないと危険です。

Q. エンジンがかからなくなりました

A. まず燃料を疑ってください。古い混合燃料が最も多い原因です。

前回いつ入れた燃料か思い出せないなら、それが原因の可能性が高いです。抜いて新しいものに入れ替えてみてください。

次に疑うのはエアフィルターとスパークプラグです。草の粉でフィルターが詰まっている、プラグがかぶっている、というのがよくある症状です。

どちらも自分で確認できます。修理に出す前に、一度外して見てみてください。

なお、屋外のエンジン機械は種類が違っても必要な工具が大きく重なります。何から揃えるべきかは屋外エンジン機械に必要な工具まとめに整理しました。あわせてご覧ください。

押さえておきたいこと

  • 保護メガネが最優先。飛散した石で失明する事故があります。
  • すね当ても用意する。刈刃の高さは、ちょうどすねの位置です。
  • 仕事で使うなら安全衛生教育が必要。個人の庭には義務がありません。
  • 刈刃で危険性が変わります。ナイロンコードは飛散が多く、場所を選びます。
  • 刈る前に地面を歩いて確認する。石や針金を先に取り除いてください。
  • 飛散防護カバーは外さない。
  • 2サイクルか4サイクルかを確認。燃料を間違えると傷めます。

草刈機は、ホームセンターで気軽に買える道具です。個人で使うぶんには資格も講習も要りません。

だからこそ、防護具なしで使っている人をよく見かけます。Tシャツにサンダルで作業している光景も珍しくありません。

毎分数千回転で回る刃が、地面すれすれを走っています。そこに何が隠れているかは、刃が当たるまで分かりません。

本体の予算を少し削ってでも、保護メガネとすね当てを先に買ってください。それがこの道具と長く付き合う方法だと思います。

私自身、最初は「草を刈るだけなのに大げさな」と思っていました。実際、多くの人が何も着けずに作業しています。それで何年も無事に過ごせてしまう。

ただ、飛んでくるのは刈った草だけではありません。地面に何が埋まっているかは、刃が当たるまで分かりません。一度当たれば、それで終わりです。

数千円で防げるものは、防いでおいてください。燃料の扱いについては混合燃料の作り方と管理にまとめています。

なお、この記事は執筆時点の情報にもとづいています。安全衛生教育の要否については、所管の労働局や教習機関にご確認ください。

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