MENU

最初に揃える工具|まず買う5点と、作業別に足していくもの

目次

要点を先に

  • まず買うのは5点。合計3,000円ほどで、家庭の用事の大半が片づきます。
  • 工具セットの箱買いはすすめません。使わないものが大半を占めます。
  • 電動工具はあとから。手工具で足りない場面が出てから買ってください。
  • 作業ごとに何を足すかを一覧にまとめました。

最初の5点は、これです

結論から書きます。

工具何に使うか目安
プラスドライバー(2番)ネジ締め全般。使用頻度が最も高い500〜1,500円
六角レンチセット(ミリ)家具、自転車、機械1,000円台〜
メジャー測る。作業の8割は測ることから始まります数百円
ペンチまたはプライヤー掴む、曲げる、切る1,000円前後
カッター開梱、切断数百円

合計で3,000円ほど。これで、家庭で起きる用事のかなりの部分に対応できます。

家具を組む。ネジを締め直す。自転車のサドルを調整する。何かの寸法を測る。梱包を開ける。日常的に発生するのは、こうした作業です。

この記事では、この5点を出発点として、やりたいことが増えたときに何を足すかを整理します。

セット品を最初に買わないでください

売り場には、たくさんの工具が入った箱が並んでいます。「これ1つで何でもできそう」に見えます。

私はすすめません。理由を書きます。

  • 使わないものが大半です。点数を増やすために、出番のない工具が詰められています。
  • 1点あたりの品質が下がります。同じ価格なら、点数が少ないほうが良いものが入ります。
  • 本当に使う工具の質が、いちばん重要です。毎日使うドライバーが安物では困ります。
  • 収納の形が固定されます。買い足した工具が箱に収まりません。

とくにドライバーは、単品で良いものを買う価値があります。使用頻度が段違いだからです。

ただし、例外があります。六角レンチとソケットは、セットで買ってください。サイズが事前に分からず、1本欠けると作業が止まるためです。

この基準で考えると、判断が単純になります。

買い方理由
ドライバー単品使う番手が決まっている
ペンチ・ニッパー単品用途がはっきりしている
六角レンチセットサイズが読めない
ソケットセット同上
ドリル刃セット同上

なぜプラスドライバーの「2番」なのか

最初の5点のうち、いちばん効くのがこれです。

プラスドライバーには先端の大きさに番手があり、家庭で使うネジの大半は2番です。

サイズが合っていないドライバーで回すと、ネジ頭の十字が削れます。こうなると、締めることも緩めることもできなくなります。

「家にあるドライバー」が何番かを、一度確認してみてください。柄に刻印があります。

使い方のコツも、ひとつだけ。押す力7、回す力3。プラスネジは構造上、回すと工具が浮き上がろうとします。しっかり押しつけていれば、なめません。

詳しくは組み立て家具に必要な工具に書きました。

やりたいことから、足していく

ここからが本題です。作業ごとに、何を追加すればよいかをまとめます。

組み立て家具を組む

足すもの理由
六角ビット付属レンチより格段に楽になります
ゴムハンマーダボや背板をはめる
養生用の毛布床と板を守る

付属の六角レンチは短く、指が痛くなります。数百円の六角ビットを買えば、ドライバーの太い柄が使えるようになります。

なお、インパクトドライバーは使わないでください。板が割れます。

壁に棚やフックを付ける

足すもの理由
下地探しこれがないと、棚は落ちます
水平器傾きは非常に目立ちます
ドリルドライバー下穴あけとネジ締め
ボードアンカー下地がない場所に使う

この作業で最も重要なのは、下地探しです。棚受けより先に買ってください。

石膏ボードに直接ネジを打っても効きません。取り付けた直後は付いていますが、数週間後に落ちます。

詳しくは壁に棚を付ける必要工具にまとめました。

自転車を整備する

足すもの理由
六角レンチセット(既出)自転車のネジの多くが六角です
スパナ・レンチ類ナットを回す
空気入れ(英式・仏式に対応)バルブの形式を確認して選ぶ
タイヤレバーパンク修理
トルクレンチカーボン部品がある場合は必須

自転車は六角レンチの出番が非常に多い乗り物です。サドル、ハンドル、ブレーキ。ほとんどが六角で留まっています。

注意点として、カーボン素材の部品は締めすぎると割れます。指定された数値を守る必要があり、トルクレンチが要ります。

六角レンチの選び方は六角レンチの選び方にまとめています。

木で棚や台を作る

足すもの理由
ドリルドライバー下穴あけとネジ締め
ドリル刃セット下穴の太さを使い分ける
のこぎり、または切断を店に依頼木を切る
さしがね・直角定規直角を出す
クランプ材料を押さえる。手が2本増えます
紙やすり切り口を整える

初めてなら、木材の切断はホームセンターに依頼するのがおすすめです。1カット数十円で、まっすぐ正確に切ってくれます。

のこぎりで長い直線をまっすぐ切るのは、思っている以上に難しい作業です。ここで挫折する人は少なくありません。

クランプも、あると世界が変わる道具です。片手で押さえながら作業するのと、固定してから作業するのとでは、精度がまったく違います。

車やバイクを整備する

足すもの理由
ソケットレンチセット(9.5sq)ボルトを回す基本
トルクレンチ締め付けの管理
リジッドラック車の下に入るなら必須
パーツクリーナー清掃
耐油手袋手を守る

ソケットレンチの差込角は、最初の1本なら9.5sqです。乗用車とバイクの整備を、ほぼこれ1本でこなせます。

そして、ジャッキだけで車の下に入らないでください。油圧は抜けます。毎年、死亡事故が起きています。

それぞれソケットの差込角の選び方リジッドラックの選び方に詳しく書きました。

電動工具は、いつ買うか

「電動があれば楽になるはず」と考えて、最初に買う方がいます。

私の考えは逆です。手工具で足りない場面が繰り返し出てきてから買ってください。

  • 用途が分かってから選べます。先に買うと、合わないものを選びがちです。
  • バッテリーは劣化します。使わずに置いておくと、いざ使うときに弱っています。
  • 手工具のほうが向く作業があります。組み立て家具はその代表です。

買う段階になったら、選ぶべきはドリルドライバーです。インパクトドライバーではありません。

穴あけができること、クラッチで締めすぎを防げること、音が静かなこと。家庭で使うなら、この3点が効きます。

2つの違いはインパクトドライバーとドリルドライバーの違いにまとめました。

保護具について

忘れられがちですが、書いておきます。

保護具要る場面
保護メガネ穴あけ、切断、屋外作業
作業手袋木材の扱い、開梱
防塵マスク研磨、石膏ボードの加工
耳栓長時間の電動工具の使用

とくに保護メガネは、穴を開ける作業では必ず着けてください。切粉は想像以上に飛びます。

一方で、回転する工具を使うときは、手袋に注意が必要です。布が巻き込まれると、手ごと引き込まれます。ドリルを使うときは、手袋を外すか、指にフィットしたものを選んでください。

収納の考え方

工具が増えてきたら、置き方が問題になります。

  • よく使うものを、取り出しやすい場所に。ドライバーとメジャーは別扱いで構いません。
  • 湿気を避ける。サビると精度が落ちます。
  • 測定具は分けて保管する。他の工具の下敷きになると変形します。
  • 箱は大きすぎないものを。大きいと、隙間を埋めたくなります。

意外と効くのが、「使う場所の近くに置く」ことです。

物置の奥にしまい込んだ工具は、だんだん使わなくなります。ネジ1本を締め直すために物置まで行くのは、面倒だからです。

ドライバー1本を室内の引き出しに入れておくだけで、家の中の小さな不具合を直す頻度が上がります。

買う前に確認したいこと

工具を買いに行く前に、これだけ決めておいてください。

  1. 何をしたいのか。作業が決まれば、必要な工具も決まります。
  2. 相手はどんなネジか。十字か、六角か、サイズは。
  3. 一度きりか、繰り返すのか。頻度で予算配分が変わります。
  4. 作業する場所はどこか。電源の有無、騒音への配慮。

2番は、可能なら現物を持っていくのが確実です。ネジ1本をポケットに入れて、店頭で合わせる。これで間違いようがありません。

そして、「いつか使うかも」で買わない。使わない工具は、収納を圧迫し、必要なものを探しにくくします。

燃料を使う機械が入ってきたら

もうひとつ、揃えるものが変わる分岐点があります。

草刈機、チェーンソー、発電機、高圧洗浄機。ガソリンで動く機械を持つと、必要な道具の種類が変わります。

足すもの理由
プラグレンチ点火プラグの脱着。始動不良の切り分けに必須
シックネスゲージプラグの電極の隙間を測る
金属製の携行缶燃料の運搬と保管。ペットボトルは不可です
燃料抜き取りポンプ保管前に燃料を抜く
耐油手袋燃料と油から手を守る

ここまでの工具は「締める・測る・切る」でしたが、エンジン機械では「燃料を安全に扱う」という別の軸が加わります。

ガソリンは消防法上の危険物です。容器にも運搬にも決まりがあります。ホームセンターの棚に無造作に並んでいますが、扱いを間違えれば火災につながる液体です。

詳しくは屋外エンジン機械に必要な工具まとめガソリン携行缶の選び方にまとめています。

工具は、買った時点では使えません

最後に、これだけは書いておきたいことがあります。

工具を揃えると、それだけで作業ができる気になります。ですが実際には、使い方を知らない工具は、持っていないのとあまり変わりません。

この記事で触れたことを、振り返ってみてください。

  • プラスドライバーは押す力7、回す力3
  • 六角レンチはガタがあれば使わない
  • 壁は下地を探してからネジを打つ
  • 電動はクラッチを弱い設定から

どれも、道具を買っただけでは身につきません。そして、知らないまま作業すると、たいてい何かを壊します。ネジ穴、板、壁。

逆に言えば、使い方さえ押さえておけば、安い工具でもかなりのことができます。高価な工具が失敗を防いでくれるわけではありません。

最初の1本を買うとき、その工具の正しい使い方を5分だけ調べてみてください。それだけで、結果がずいぶん変わります。

判断に迷いやすいこと

Q. 安い工具でも大丈夫ですか

A. 使用頻度によります。

年に数回なら、標準的な価格帯で困りません。

ただし、測定具と保護具は例外です。精度の怪しいメジャーで測る意味はありませんし、曇って外してしまう保護メガネは着けていないのと同じです。

そして、先端が材料に触れる工具も質が効きます。ドライバーの先、レンチの角。ここが甘いと、ネジを壊します。

Q. どこで買うのがよいですか

A. 最初はホームセンターをおすすめします。

実物を持てるのが大きい。重さ、握りやすさ、大きさは、写真では分かりません。

また、店員に相談できます。「これを組み立てたいのですが」と現物や写真を見せれば、必要なものを教えてもらえます。

通販は、欲しいものが決まってからで十分です。

Q. 借りるという選択肢はありますか

A. あります。一度きりの作業なら、有力です。

ホームセンターでは、電動工具のレンタルを行っている店舗があります。買えば数万円の工具が、数百円から借りられます。

「この作業のためだけに必要」という工具は、借りるほうが合理的です。保管場所も要りません。

Q. 工具の名前が分かりません

A. 名前より、やりたいことから伝えてください。

店頭でも、検索でも同じです。「棚を壁に付けたい」と伝えれば、必要なものが出てきます。工具名を知らないことは、まったく問題になりません。

当サイトも、作業から必要な工具を逆に引けるように記事を組み立てています。

記事の一覧

記事こんなときに
組み立て家具に必要な工具家具を組む。ネジをなめたくない
インパクトとドリルドライバーの違い電動工具を買う前に
壁に棚を付ける必要工具下地の探し方を知りたい
六角レンチの選び方ミリとインチで迷ったら
ソケットの差込角の選び方車やバイクの整備を始める
リジッドラックの選び方車の下にもぐる前に

おわりに

  • 最初の5点は3,000円ほど。ドライバー、六角レンチ、メジャー、ペンチ、カッター。
  • セット品の箱買いはすすめません。使わないものが大半です。
  • 六角レンチとソケットだけは、セットで。サイズが読めないためです。
  • 電動工具は、必要になってから。選ぶ目が育ってからのほうが失敗しません。
  • やりたいことから、足していく。これが遠回りに見えて、いちばん確実です。

工具を揃えるとき、多くの人が「まず何を買えばいいのか」で止まります。売り場に行けば選択肢が多すぎて、結局セット品を手に取ることになります。

ですが、本当に必要な工具は、やりたい作業が決めます。先に道具を揃えても、使う場面が来ないものは増えるだけです。

5点から始めて、困ったときに1つ足す。この進め方なら、手元に残るのは全部「使った工具」になります。

なお、価格の目安は執筆時点のものです。実際の作業では、対象となる製品の説明書に指定された工具を優先してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次