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ドアノブ・鍵の交換|作業より、買う前に測ることが本番です

目次

要点を先に

  • 買う前に、3つの寸法を測ってください。ここを間違えると付きません。
  • 最重要はバックセット。ドアの端から、ノブの中心までの距離です。
  • 作業自体はドライバー1本、30分ほど。難しくありません。
  • 玄関の鍵は、防犯性能も見てください。安いだけで選ばないでください。

結論:作業より、寸法の確認が本番です

ドアノブの交換は、意外なほど簡単な作業です。

ネジを数本外して、部品を入れ替え、また留める。プラスドライバー1本で終わります。

難しいのは、作業ではありません。合う製品を選ぶことです。

ドアノブには、いくつもの寸法規格があります。1つでも合わなければ、取り付けられません。買ってから気づくと、返品と再購入で時間を失います。

この記事では、その測り方を中心に説明します。

測るべき3つの寸法

寸法どこを測るか
バックセットドアの端から、ノブの中心まで
ドアの厚みドア本体の厚さ
フロントの寸法ドア側面の金属板。縦と横、ビス穴の間隔

この3つを控えてから、買い物に行ってください。

バックセットが最重要です

ドアの端(戸先)から、ノブの軸の中心までの距離です。

日本の室内ドアでは、60mmまたは50mmが多く使われています。ただし、他の寸法もあります。

ここが違うと、ラッチ(引っ込む三角の部品)の長さが合いません。ノブを付けても、ドア枠の受け穴に届かない、あるいは奥まで入らない、という事態になります。

製品によっては、バックセットを調整できるものもあります。迷うなら、そうしたタイプを選ぶと確実です。

ドアの厚みも確認を

薄いドアに厚いドア用の製品を付けると、ノブが浮いて固定できません。

逆に、厚いドアに薄いドア用を付けると、軸が届きません。

多くの製品には対応範囲が示されています。「厚み◯mmから◯mm」という表記を確認してください。

フロントの形も見てください

ドアを開けたとき、側面に見える金属の板です。ラッチが出入りしている部分に付いています。

ここの縦横の寸法と、ビス穴の間隔が合わないと、ドアを削る必要が出てきます。

角が丸いか四角いか、という違いもあります。形が違うと、跡が残ります。

いちばん確実なのは、古いノブを外して、現物を持って買いに行くことです。網戸のゴムと同じ考え方です。

必要な道具

道具用途優先度目安
プラスドライバー(2番)ほぼこれ1本で足ります必須500〜1,500円
メジャー、または定規寸法を測る必須数百円
マイナスドライバー、細い棒隠しネジや解除穴の操作高い手持ちで可
スマートフォン分解の記録高い手持ちで可
のみ、彫刻刀フロントの形が違う場合状況次第1,000円〜
ドリルドライバー穴の位置を変える場合状況次第5,000円〜
潤滑剤(鍵用)動きが渋いとき数百円

同じ規格の製品に交換するだけなら、ドライバーとメジャーだけで終わります。

のみやドリルが必要になるのは、寸法の違う製品を無理に付けようとする場合です。できれば、そうならない製品を選んでください。

交換の手順

  1. 作業前に、写真を撮る。部品の向きが分かります。
  2. 室内側のノブを外す。台座の横に小さな穴やネジがあります。
  3. 台座を外す。回して外れるものと、ネジで留まっているものがあります。
  4. 反対側のノブと台座も外す。
  5. フロントのネジを外し、ラッチを引き抜く。
  6. 新しいラッチを差し込む。向きに注意してください。
  7. ノブを両側から取り付ける。
  8. ネジを締める前に、動作を確認する。
  9. 本締めして、開閉と施錠を確認する。

6番のラッチの向きに注意

ラッチの先端は、片側が斜めになっています。

この斜面が、ドアの閉まる方向を向いていないといけません。

斜面があることで、ドアを押しただけでラッチが引っ込み、自動的に閉まります。逆向きに付けると、ドアが閉まらなくなります。

これは、初めての方が高い確率で間違える点です。外す前の写真があれば、迷いません。

8番を飛ばさないでください

本締めする前に、必ず動作を確認してください。

  • ノブを回すと、ラッチが引っ込むか。
  • 手を離すと、戻るか。
  • ドアを閉めて、きちんと止まるか。
  • 鍵付きなら、施錠と解錠ができるか。

全部締めてから不具合に気づくと、また全部外すことになります。

そして、締めすぎにも注意してください。ノブの台座を強く締めすぎると、内部の機構が圧迫されて動きが渋くなります。

作業中は、ドアを閉めないでください。ノブとラッチを外した状態でドアが閉まると、内側から開けられなくなります。とくに、風でドアが動く場所では要注意です。ドアストッパーで固定するか、開いた状態で何かを挟んでおいてください。トイレや浴室で閉じ込められると、深刻な事態になります。

ドアノブの種類

買い替えるとき、同じ種類を選ぶのが基本です。どの種類かを確認してください。

種類使われる場所特徴
空錠(くうじょう)居室、廊下鍵がない。ラッチだけ
表示錠トイレ、浴室内側から施錠。外側に使用中の表示
間仕切錠寝室、書斎内側から施錠。非常解錠あり
本締錠玄関、勝手口鍵で施解錠する
チューブラ錠室内全般構造が単純。安価
円筒錠室内全般ノブの中心に鍵穴があるものも

とくにトイレと浴室は、種類を間違えないでください。

ここには非常解錠装置が必要です。中で人が倒れたときに、外から開けられなければなりません。

「鍵が付いていればいい」と考えて、玄関用の錠を付けるようなことはしないでください。用途ごとに、意味のある設計がされています。

受け金具の調整

ドア枠側にある、ラッチを受ける金具のことです。ストライクと呼ばれます。

ノブを交換したのにドアがきちんと閉まらない場合、原因はここにあることが多いのです。

症状調整の方向
ドアがガタつく受け金具を、ドアが密着する方向へ
強く押さないと閉まらない受け金具を、少し外側へ
ラッチが引っかかる穴の位置がずれています
閉めても止まらないラッチが届いていません

多くの受け金具は、ネジ穴に少し余裕があり、数ミリ動かせます。

ネジを緩め、位置を変えて締め直す。これだけで直ることがあります。

それでも足りない場合、ドア枠側を削ることになります。ここまで来ると、元に戻せません。慎重に判断してください。

なお、建物の経年で枠が歪んでいることもあります。他のドアも同じ症状なら、その可能性があります。

室内ドアと玄関では、話が違います

室内ドア玄関ドア
難度易しい中〜難しい
重視する点使い勝手、デザイン防犯性能
失敗したときの影響限定的締め出し、防犯上の問題
賃貸での扱い要確認原則、管理会社へ
費用数千円1万円以上のことも

室内ドアなら、気軽に取り組んで構いません。

ですが玄関は別です。防犯に直結しますし、失敗すれば家に入れなくなります。

玄関の鍵を選ぶなら

防犯性能を見てください。

  • ディンプルキー:表面にくぼみがある鍵。複製が難しい構造です。
  • ピッキングへの耐性:製品の説明に記載があります。
  • 鍵穴を壊されにくい構造:破壊への対策です。
  • 2か所に錠を付ける:時間がかかるほど、侵入は諦められやすくなります。

古い形状のギザギザした鍵は、比較的、複製やピッキングがされやすいとされています。長く交換していないなら、検討の余地があります。

ただし、安さだけで選ばないでください。防犯設備は、性能の差が見えにくい商品です。

賃貸の場合

ドアノブと鍵は、建物に付属する設備です。

  • 玄関の鍵は、勝手に交換しないでください。管理会社が合鍵を保有しています。緊急時に入れなくなります。
  • 故障なら、まず連絡を。貸主負担で修理されることが一般的です。
  • 室内ドアのノブでも、事前に確認を。原状回復の対象になり得ます。
  • 入居時に交換されているか確認する。前の入居者の鍵が使える状態は避けたいものです。

とくに1番目は重要です。無断で交換すると、契約違反になる可能性があります。

防犯上の不安があるなら、その旨を伝えて交換を相談してください。費用負担の話も含めて、まず連絡が先です。

賃貸での作業範囲の考え方は、賃貸でできるDIYの範囲にまとめました。

交換せずに直せる不調

「壊れた」と思っても、調整で済むことがあります。

症状考えられる原因対処
ノブがぐらつくネジの緩み締め直す
ドアが閉まりにくい受け金具(ストライク)のずれ位置を調整する
ラッチが戻らない汚れ、潤滑不足掃除、専用の潤滑剤
鍵が回りにくい内部の汚れ鍵穴専用の潤滑剤
ドアが自然に開く・閉まる建物の傾き、蝶番の緩み蝶番を締め直す

最も多いのは、ネジの緩みです。毎日何度も回される部品なので、少しずつ緩みます。

ぐらつきを感じたら、まずドライバーで締め直してください。それだけで直ることが多くあります。

鍵穴に、一般的な潤滑スプレーを使わないでください。油分が内部に残り、ほこりを集めます。しばらくは軽くなりますが、その後かえって動かなくなります。鍵穴には鍵専用の、粉末状の潤滑剤を使ってください。数百円で売られています。

これは、自転車のチェーンに汎用スプレーを使わないのと同じ考え方です。用途に合った潤滑剤を選んでください。

ありがちな失敗

失敗結果防ぎ方
寸法を測らずに買った付かない3つの寸法を控える
ラッチを逆向きに入れたドアが閉まらない外す前に写真を撮る
作業中にドアが閉まった開けられなくなるストッパーで固定する
台座を締めすぎた動きが渋くなる動作を確認しながら締める
鍵穴に汎用スプレーを使った後で動かなくなる鍵専用の潤滑剤を使う
賃貸で玄関の鍵を勝手に替えた契約違反になり得る管理会社に相談する
フロントの形が違うのに付けたドアを削ることに現物を持って買いに行く

判断に迷いやすいこと

Q. レバーハンドルに替えられますか

A. 多くの場合、可能です。寸法が合えば交換できます。

握って回す丸いノブより、レバー式のほうが操作は楽です。手が濡れていても、荷物を持っていても開けられます。

ご高齢の方がいるご家庭では、実用的な改善になります。握力が落ちても使えるためです。

ただし、服の袖が引っかかりやすいという面もあります。廊下の狭い場所では、その点も考えてください。

Q. トイレのドアが開かなくなりました

A. 外側から解錠できる仕組みがあるはずです。

トイレや浴室の鍵には、非常解錠装置が付いているのが一般的です。

外側のノブの中心に、小さな溝や穴があります。コインやマイナスドライバーで回すと開きます。

いざというときに慌てないよう、今のうちに場所を確認しておいてください。お子さんが閉じ込められる事態は、実際によく起きます。

Q. 鍵を紛失しました

A. 賃貸なら、まず管理会社に連絡してください。

持ち家の場合、鍵の交換を検討してください。拾われて悪用される可能性があるためです。

とくに、鍵に住所が分かるものを付けていた場合は、早急に交換すべきです。

なお、鍵に名前や住所を書かないでください。落としたときに、そのまま自宅の場所を知らせることになります。

Q. 業者に頼むといくらですか

A. 部品代に加えて、作業費と出張費がかかります。

室内ドアなら、自分でやるほうが安く済みます。部品代だけで済むためです。

一方、玄関の鍵は依頼を検討する価値があります。防犯性能の選定を相談できますし、取り付けの精度が防犯性能に影響するためです。

なお、鍵のトラブルは緊急を要する状況で高額請求されることがある分野です。慌てているときほど、作業前に総額を確認してください。

最後に要点を

  • 買う前に、バックセット・ドアの厚み・フロントの寸法を測ってください。
  • 現物を持って買いに行くのが、最も確実です。
  • 外す前に写真を撮る。ラッチの向きを間違えません。
  • 作業中はドアを固定してください。閉じ込められます。
  • 鍵穴に汎用スプレーは使わないでください。
  • 賃貸の玄関の鍵は、勝手に交換しない。まず管理会社へ。

ドアノブの交換は、DIYとしては易しい部類です。それでいて、毎日触れる部分が新しくなるという満足感があります。

そして、この作業で試されるのは「事前に測る」という習慣です。

作業は30分で終わります。ですが、寸法を間違えれば、その30分すら始められません。測る5分が、いちばん重要な工程だと考えてください。

工具の揃え方は最初に揃える工具にまとめました。この作業なら、プラスドライバーとメジャーがあれば足ります。

なお、ドアや錠の構造は製品によって異なります。交換にあたっては、購入する製品の適合表示と説明書を確認してください。賃貸物件では、作業前に管理会社へご相談ください。

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