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照明器具の取り付け・交換に必要な工具|資格が要る場合と要らない場合

目次

先にまとめ

  • 引掛シーリングに差すだけなら、資格は要りません。差し込み口の形で判断します。
  • 天井に直付けされている器具は、資格が必要です。電線が直接つながっています。
  • まずブレーカーを落としてください。スイッチを切るだけでは足りません。
  • 照明器具には重さの上限があります。天井が抜けます。

天井を見上げてください

この作業を自分でやってよいかどうかは、天井の取り付け口の形で決まります。

脚立に上がる前に、まずはそこを確認してください。

天井側の状態自分でできるか
丸い、または角形の差し込み口があるできます
四角い樹脂の台座に差し込む形できます
電線が直接、器具に入っている電気工事士が必要
器具がネジで固定され、配線が見えない外して確認するところから資格が必要

上の2つが、いわゆる引掛シーリングと呼ばれるものです。

差し込んでひねると固定される仕組みで、コンセントにプラグを差すのと同じ扱いになります。ここに器具を付け外しする行為に、資格は要りません。

一方、下の2つは違います。

電線を直接つなぐ作業は、電気工事士法で定められた作業にあたります。無資格で行うことはできません。

この線引きについては、電気工事は資格なしでどこまで?にまとめました。

器具の種類で、作業が変わります

ひとくちに照明といっても、天井への付き方はいくつかあります。

種類付き方自分でできるか
シーリングライト天井に直接、面で付く差し込み口があればできる
ペンダントライトコードで吊り下げる同上。高さの調整に注意
ダウンライト天井に埋め込む電球交換のみ。器具はできない
ダクトレール型レールに差して固定レールがあればできる
ブラケット(壁付け)壁に固定多くは工事が必要

ダウンライトは、勘違いされやすい種類です。

電球を替えられるものもありますが、光る部分と器具が一体になっていて、交換できない製品もあります。この場合、寿命が来たら器具ごとの交換です。工事になります。

そして、天井に埋め込まれているため、周囲に断熱材が入っている場合があります。熱がこもりやすく、対応していない電球を使うと危険です。器具に表示された記号を確認してください。

ペンダントライトの高さ

吊り下げ型を選ぶときに、必ず考えてほしい点です。

照明そのものより、下を通る人の頭のことです。

  • 食卓の上:座ったときに視界に入らず、立ったときに当たらない高さへ。
  • 通路や、部屋の中央:吊り下げ型は向きません。頭をぶつけます。
  • 掃除のとき:手が届く高さかどうか。

多くの製品は、コードの長さを調整できます。買ったままの長さで使う必要はありません。

調整の方法は器具によって違います。説明書を確認してください。コードを切る、結ぶといった方法は避けてください。加工にあたる場合があります。

必要な道具

引掛シーリングへの取り付けであれば、道具はほとんど要りません。

道具用途優先度目安
脚立安全な高さの確保必須5,000円〜
軍手または手袋ガラス破損時の保護必須数百円
プラスドライバー(2番)カバーやアダプタの固定高い500〜1,500円
メジャー天井高、器具の径を測る高い数百円
ぞうきん器具の清掃
検電ドライバー通電の確認あると安心1,000円前後

工具より、脚立のほうが重要です。

この作業で最も多い事故は、感電ではありません。転落です。

椅子を使わないでください

ダイニングの椅子や、丸椅子の上に立たないでください。照明器具の取り付けは、両手を頭より上に上げ、天井を見上げた状態で行う作業です。この姿勢では、体の重心が後ろに傾きます。足元は見えません。椅子は、その姿勢を支える形をしていません。脚立は、上に立つ人が上を向くことを前提に作られています。そして、天井高の分だけ高さがあります。落ちれば頭から落ちます。家庭内の転落事故は、決して軽い怪我では終わりません。数千円の脚立を惜しむ場面ではありません。

脚立を使うときも、いくつか守ってください。

  • 平らな場所に置く。畳やカーペットの上は沈みます。
  • 開き止めの金具を、確実にかける。
  • 天板には立たない。その一段下までです。
  • 体を大きく横に伸ばさない。脚立ごと動かしてください。
  • できれば、誰かに支えてもらう。

4つ目が、実際に起きる転落の原因です。「あと少し届く」と体を伸ばした瞬間に、重心が外へ出ます。

ブレーカーを落としてください

壁のスイッチを切れば安全、と思われがちです。

それでは足りません。

理由は2つあります。

  1. 誰かが、うっかり点けます。作業中の家族が、部屋の明かりを付けようとします。
  2. スイッチの配線によっては、器具側に電気が残ることがあります。

2つ目は、電気の来る側と戻る側のどちらでスイッチが切られているかによります。使う側からは判別できません。

だから、分電盤で落としてください。該当する回路が分からなければ、主幹(一番大きなブレーカー)を落として構いません。

その場合、家中が暗くなります。作業灯を先に用意しておいてください。手に持つものではなく、置ける、または頭に付けられるものです。両手が空きます。

分電盤の見方は、分電盤とブレーカーの基礎にまとめました。

重さの上限があります

これは、意外と知られていない点です。

引掛シーリングは、吊り下げられる重さが決まっています。

器具側にも、天井側にも表示があります。目安として、軽い器具しか支えられない前提で作られています。

ここを超えると、どうなるか。

  • 差し込み口ごと、天井から抜け落ちます
  • 天井の板が割れます
  • 落下した器具で、下にいる人が怪我をします

とくに、シャンデリアのような重い器具を付けたい場合は要注意です。

この場合、天井の下地に直接固定する補強が必要になります。これは電気工事の範囲を超え、建築側の作業です。

買う前に、器具の重さと、天井側の上限を確認してください。

下地の探し方は、壁に棚を付ける必要工具の考え方が使えます。壁でも天井でも、原理は同じです。

取り付けの手順

  1. ブレーカーを落とす。
  2. 作業灯を点ける。
  3. 脚立を、平らな場所に据える。
  4. 古い器具のカバーを外す。回すか、ツメを押します。
  5. 本体を、差し込み口から外す。ロックを解除してから回します。
  6. 天井側の差し込み口を確認する。ひび割れ、変色、緩みを見ます。
  7. 新しい器具のアダプタを差し込む。「カチッ」と音がするまで。
  8. 本体を取り付ける。
  9. ブレーカーを戻し、点灯を確認する。
  10. カバーを付ける。

6番を省略しないでください。

差し込み口が焦げている、変色している、ぐらつく。この場合、新しい器具を付けてはいけません。

差し込み口の交換は、電気工事士の作業です。そのまま連絡してください。

そして9番。カバーを付ける前に点灯を確認します。付けてから点かないと、また外すことになります。

掃除も、あわせて

器具を外す機会は、そう多くありません。

脚立に上がったついでに、済ませておきたいことがあります。

  • カバーの内側:埃と、虫が溜まっています。
  • 反射する面:曇っていると、暗く感じます。
  • 天井の、器具の周り:輪の形に汚れが残ります。

「照明が暗くなった」と感じる原因が、汚れであることは珍しくありません。

カバーは、多くの場合、水洗いできます。ただし完全に乾かしてから戻してください。水気が残ったまま取り付けると、故障の原因になります。

本体側は、固く絞った布で拭く程度に。電気の通る部分に、水分を持ち込まないでください。

そして、天井の輪じみ。ここは新しい器具を付けると、古い器具の跡が見えてしまうことがあります。器具の径が小さくなる場合はとくにそうです。

買う前に、今の器具の直径を測っておいてください。同等か、それ以上の径を選べば、跡は隠れます。

点かないときの切り分け

取り付けたのに点かない。あるいは、突然点かなくなった。

順番に見ていけば、原因は絞れます。

  1. ブレーカーは戻しましたか。落としたまま忘れることがあります。
  2. アダプタは奥まで入っていますか。「カチッ」と鳴るまで回します。
  3. 本体は、しっかり固定されていますか。接点が離れていることがあります。
  4. 電球は緩んでいませんか。
  5. リモコンの電池は。意外な原因です。
  6. 他の部屋の照明は点きますか。点かなければ、器具の問題ではありません。

2番と3番が、取り付け直後で最も多い原因です。

差し込みが浅いと、見た目では付いているのに通電しません。回しきったか、手応えで確認してください。

6番まで確認して、他の部屋も点かないなら、分電盤を見てください。どこかの回路が落ちています。

そして、次のいずれかがあれば、作業を中止して電気工事店に連絡してください。

  • 焦げたにおいがする
  • 差し込み口が変色している
  • 取り付けるとブレーカーが落ちる
  • 器具が異常に熱い
  • 点いたり消えたりを繰り返す

これらは、配線側に問題がある可能性を示しています。器具を替えても解決しません。

古い器具の処分

外した器具を、どう捨てるか。

ここは、自治体によって扱いが分かれます。大きさで区分されることが多く、粗大ごみになる場合があります。

注意が必要なのは、蛍光灯や電球そのものです。

  • 割らずに出してください。収集する方が怪我をします。
  • 新聞紙に包む、購入時の箱に入れるなど、指示に従ってください。
  • 蛍光灯を回収箱で受け付けている自治体や店舗があります。

「割ってから小さくして出す」は、してはいけません。かさばるからと踏み割る方がいますが、袋の中で破片が動き、収集作業で手を切ります。ごみ袋越しでも、細かいガラスは布を貫きます。自治体の案内を確認して、指定された出し方に従ってください。

よくある質問

Q. 電球をLEDに替えるだけなら大丈夫ですか

A. 基本的には問題ありません。ただし確認する点があります。

  • 口金のサイズ:E26、E17などの記号で示されます。
  • 調光機能への対応:明るさを変えられる器具には、対応品が必要です。
  • 断熱材施工の天井への対応:埋め込み型の場合、対応表示を確認してください。
  • 密閉型器具への対応:カバーで覆われた器具では、熱がこもります。

とくに調光は失敗しやすい点です。非対応品を使うと、ちらつく、うなる、寿命が縮む、といったことが起きます。

そして、白熱電球用の器具に、そのまま蛍光灯型を付けないなど、器具側の指定にも従ってください。

Q. 差し込み口の形が合いません

A. 変換用のアダプタが市販されています。

丸形と角形の違いであれば、これで対応できることが多いです。

ただし、アダプタを介すると、支えられる重さが変わることがあります。製品の表示を確認してください。

そもそも差し込み口がない、電線が直接出ている場合は、アダプタでは解決しません。工事が必要です。

Q. 賃貸で照明を替えてもいいですか

A. 引掛シーリングへの付け外しであれば、通常は問題になりません。

ただし、元の器具を保管しておいてください。退去時に戻すことになります。

そして、天井にネジを打つ、下地を補強するといった変更は、事前の相談が必要です。

詳しくは、賃貸でできるDIYの範囲を参照してください。

Q. 明るさは、どう選びますか

A. 部屋の広さに対する目安が、製品に表示されています。

「〜畳用」という表記です。まずはこれに合わせてください。

そのうえで、光の色も選べます。

色味向く場所
電球色(暖かい色)寝室、くつろぐ場所
昼白色(自然な白)居間、台所
昼光色(青みのある白)勉強、細かい作業

迷ったら、色を切り替えられる器具を選ぶ方法もあります。使いながら決められますし、時間帯によって変えることもできます。

ここまでの要点

  • 引掛シーリングなら、資格は不要。電線が直接出ていたら工事です。
  • ブレーカーを落とす。スイッチだけでは足りません。
  • 椅子に乗らない。脚立を使ってください。
  • 器具の重さを確認。上限を超えると落ちます。
  • 差し込み口の焦げや緩みを見る。あれば、そこで止めてください。
  • 電球やLEDは、対応表示を確認。調光と密閉型に注意。

照明の交換は、家の中でできる作業の中でも効果が分かりやすいものです。

部屋の印象が変わります。手元が見やすくなります。費用も、器具そのものの代金だけで済みます。

ただ、頭の上での作業だという点は忘れないでください。落ちるものは、下にいる人に当たります。落ちる人は、自分です。

なお、天井側の構造や、必要な資格の判断は住宅によって異なります。差し込み口の形状に迷う場合や、配線が見える場合は、電気工事店にご相談ください。

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