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車内の掃除に必要な道具|順番と、臭いの元を断つ方法

目次

はじめに押さえておきたいこと

  • 掃除は上から下へ、乾いた作業から濡れた作業へ。順番で手間が変わります。
  • 家庭用の洗剤を、そのまま車内に使わないでください。変色やベタつきの原因になります。
  • 臭いの元は、たいていシートとエアコンにあります。芳香剤では消えません。
  • 掃除機は、吸引力より「隙間に届くか」で選びます。

順番を決めると、二度手間が消えます

車内の掃除で疲れる原因は、道具の性能ではありません。

順番です。

拭いたあとに掃除機をかければ、埃がまた落ちます。濡らしたあとに乾拭きの作業をすれば、跡が残ります。

原則は2つだけです。

  1. 上から下へ。落ちた埃を、あとでまとめて回収します。
  2. 乾いた作業から、濡れた作業へ。

これに沿うと、手順はこうなります。

  1. 物を出す。マット、ゴミ、荷物。空にします。
  2. 天井から埃を落とす。ブラシで。
  3. ダッシュボード、パネルの埃を落とす。
  4. 掃除機をかける。上から下、奥から手前。
  5. 拭き掃除。汚れの軽い場所から。
  6. ガラスの内側。最後です。
  7. マットを洗って、乾かして戻す。

6番を最後にする理由は、他の作業で必ず手垢や飛沫が付くからです。

必要な道具

道具用途優先度目安
掃除機(隙間ノズル付き)シート下、隙間、マット必須3,000円〜
マイクロファイバークロス拭き掃除全般必須数百円(複数枚)
柔らかいブラシ送風口、縫い目、細部の埃出し高い500円前後
内装用クリーナー樹脂パネル、ハンドル高い1,000円前後
ガラスクリーナー内側のくもり取り高い500円前後
粘着ローラー布シートの毛、糸くず数百円
ゴム手袋布シートの毛を集める数百円
綿棒・竹串スイッチの周り、細い溝数百円
スチームクリーナーシートのしみ、除菌低い5,000円〜

最初にそろえるなら、上の4つで足ります。

クロスは、複数枚を用意して使い分けるのが要点です。1枚で全部やると、汚れを塗り広げることになります。

  • 埃取り用(乾いたまま)
  • 洗剤を付けて拭く用
  • 仕上げの乾拭き用
  • ガラス専用(他と混ぜない)

ガラス用を分けるのは、油分が付いたクロスで拭くと、必ず筋が残るためです。

掃除機は、届くかどうかで選ぶ

車内の汚れは、狭い場所に溜まります。

  • シートとセンターコンソールの隙間
  • シートレールの周り
  • シートの座面と背もたれの境目
  • ドアポケットの底

ここに手が入りません。だから細いノズルが要ります。

吸引力の数字を比べるより、付属ノズルの形と、ホースの取り回しを見てください。

家庭用の掃除機でも構いません。延長コードが届くなら、それで十分です。専用品を買う前に、まず手持ちで試してください。

家庭用洗剤を、そのまま使わないでください

車内の素材は、家庭の内装とは違います。アルコールを含むものは、樹脂の表面を白く曇らせることがあります。塩素系のものは、変色や生地の傷みを招きます。研磨剤入りのものは、艶のある面に細かい傷を残します。そして、ハンドルやシフトノブは、直接肌が触れる場所です。滑りやすくなる薬剤は、運転そのものを危険にします。使う前に、目立たない場所で試してください。

内装用と書かれた製品を選ぶのが、結局は安全です。

そして、多くの汚れは水拭きで落ちます。

固く絞ったクロスで拭き、すぐに乾拭きする。まずこれを試してください。落ちない汚れにだけ、洗剤を使います。

艶出し剤の注意

ダッシュボードに艶を出す製品があります。

ここで一つ、実用上の問題があります。

ダッシュボードが光ると、フロントガラスに映り込みます。晴れた日、前が見えにくくなります。

使うなら、艶消しタイプを選んでください。見た目のためだけに、視界を犠牲にする必要はありません。

汚れが溜まる場所は、決まっています

やみくもに掃除しても、達成感が出ません。

汚れやすい場所を先に押さえると、少ない時間で見た目が変わります。

場所溜まるもの効く道具
ハンドル手の脂。黒く艶が出ます水拭きと乾拭き
シフトノブ、ドアの取っ手手垢水拭き
ドリンクホルダー糖分、埃が固まります綿棒、ぬるま湯
エアコンの送風口埃。フィンの奥に付きます細いブラシ
シートの隙間硬貨、菓子、レシート隙間ノズル
ドアポケットの底砂、埃掃除機、拭き取り
ペダルの周り靴からの砂と泥掃除機
シートベルトの帯手垢と汗固く絞った布

この中で、意外と効果が大きいのがハンドルです。

毎回、手が触れます。そのため脂が蓄積し、黒ずんで、握ると少し滑ります。

ここを拭くだけで、運転中の手触りが変わります。見た目より、体感の差が大きい場所です。

ただし、艶が出る薬剤は使わないでください。滑ると危険です。水拭きと乾拭きで十分です。

シートベルトも、拭ける場所です

忘れられがちですが、毎回触れる部品です。

いっぱいまで引き出し、洗濯ばさみなどで巻き取らないよう留めてから、固く絞った布で拭きます。

注意点があります。濡れたまま巻き取らないでください。内部の機構に湿気を持ち込むことになります。乾いてから戻してください。

また、強い洗剤や漂白剤は使わないでください。シートベルトは、事故のときに体を支える部品です。繊維の強度に関わる薬剤は避けます。

シートの掃除

素材によって、やり方が変わります。

素材やり方避けること
布(ファブリック)掃除機→ブラシで毛羽立てて再度吸う濡らしすぎ。乾かないと臭います
合成皮革水拭き→乾拭き強い洗剤、こすりすぎ
本革専用クリーナー→保湿水分の放置、直射日光

布シートで最も多い失敗が、濡らしすぎです。

内部のスポンジまで水が入ると、乾きません。そして数日後、独特の臭いが出ます。掃除したはずなのに、悪化します。

布を濡らす作業は、晴れた日の午前中に。窓を開け、扇風機を当てて、その日のうちに乾かしてください。

毛やホコリは、ゴム手袋で集まります

ペットの毛や、衣類の繊維。掃除機で吸い切れないことがあります。

そういうときは、ゴム手袋をはめて、シートを撫でてください。

静電気と摩擦で、毛が一か所に集まります。あとはまとめて取るだけです。

粘着ローラーより早く、広い面に向いています。道具を買わずにできる方法として、覚えておいて損はありません。

臭いは、元を断たないと消えません

芳香剤を置いても、臭いが混ざるだけです。

原因は、たいてい次のどれかです。

原因手がかり対処
シートに染みた汗や飲み物座席付近が強い掃除して、しっかり乾かす
エアコン内部のカビ送風開始の数秒が強いフィルター交換、送風で乾燥
マット下の湿気マットをめくると分かる乾燥、必要なら交換
こぼした食べ物隙間に落ちている探して取り除く
喫煙の残り天井が黄ばんでいる天井まで含めた清掃

見分けやすいのがエアコンです。

始動直後の数秒だけ強く臭うなら、内部にカビが出ています。

対策は2つ。エアコンフィルターの交換と、降車前に送風にして内部を乾かすことです。

送風での乾燥は、簡単です。目的地に着く数分前にエアコンを切り、送風だけにする。内部の水滴が飛び、カビが育ちにくくなります。習慣にすれば、それだけで臭いの発生をかなり抑えられます。

フィルターは、多くの車で助手席側のグローブボックスの奥にあります。工具なしで交換できる車種が多く、部品も数千円です。自分でやる価値の高い整備の一つです。

ただし、位置と手順は車種によって異なります。取扱説明書を確認してください。

ガラスの内側が曇る理由

「拭いても、すぐ白くなる」という相談があります。

内側の汚れは、油膜です。

内装の樹脂から出る成分、手の脂、たばこの煙。これらが少しずつ膜になります。乾拭きでは落ちません。

手順はこうです。

  1. ガラスクリーナーを、クロスに吹く。ガラスに直接吹くと、周りに垂れます。
  2. 横方向に拭く。
  3. 乾いたクロスで、縦方向に拭き上げる。

方向を変える理由は、拭き残しの位置が分かるからです。筋が横なら1回目、縦なら2回目の残りだと判別できます。

そして、曇り止めより先に、汚れを落としてください。汚れた面に塗っても効きません。

外側の油膜については、ワイパーの交換のほうで書きました。内と外は、原因も対処も別です。

掃除しながら、点検もできます

車内を掃除する時間は、普段は見ない場所を見る時間でもあります。

ついでに、次の点を確かめてください。

  • マットの下が濡れていないか:雨漏りや、エアコンの排水詰まりの兆候です。
  • 床が湿っていないか:放置すると錆びます。原因を探してください。
  • 非常用の備品は入っているか:三角表示板、発炎筒。発炎筒には使用期限があります。
  • 車検証と自賠責の証明書:積んでいないと、それ自体が問題になります。
  • シートの取り付け部にがたつきはないか
  • スペアタイヤや工具:積んであるはずのものが、揃っているか。

とくにマットの下の湿りは、見つけたら原因を追ってください。

自然に乾くことはありません。密閉された空間で、床材の下に水が残り続けます。

そして、発炎筒の期限切れは見落とされがちです。使う場面はめったに来ませんが、来たときに使えなければ意味がありません。掃除のたびに、日付を見る癖をつけてください。

車載の工具や備品については、自分でできる車の整備にもまとめました。

ありがちな失敗

失敗結果防ぎ方
拭いてから掃除機をかけた埃が戻る掃除機が先
布シートを濡らしすぎた数日後に臭う固く絞る、その日に乾かす
1枚のクロスで全部やった汚れを広げる用途で分ける
ガラスに直接スプレーした内装に垂れるクロスに吹く
ダッシュボードに艶を出したガラスに映り込む艶消しを選ぶ
洗剤を試さずに使った変色目立たない場所で試す
芳香剤で臭いに対処した混ざって悪化原因を探す
マットを濡れたまま戻した床が錆びる完全に乾かす

最後の1つは、見落とされがちです。

マットの下は、鉄の床板に防音材が乗っている構造です。ここに水が入ると、乾きません。長く放置すれば錆びます。

マットを洗ったら、完全に乾くまで戻さないでください。半日では足りないこともあります。

細かい疑問に答えます

Q. どのくらいの頻度でやりますか

A. 分けて考えると続きます。

  • 毎回:ゴミを持ち帰る
  • 月に一度:掃除機とガラスの内側
  • 季節ごと:シート、マット、エアコンフィルターの確認

全部を一度にやろうとすると、腰が重くなります。

ゴミを溜めないだけで、大掃除の負担はかなり減ります。

Q. 飲み物をこぼしたら

A. 速さがすべてです。

  1. こする前に、吸い取る。乾いた布を押し当てます。
  2. 水を少量つけた布で、叩くように移す。
  3. 乾いた布で水分を吸う。
  4. 風を当てて乾かす。

こすると、繊維の奥へ押し込むことになります。叩いて移すのが基本です。

布を替えながら、汚れが移らなくなるまで繰り返します。一枚で押し当て続けても、吸ったものが戻るだけです。

とくに牛乳やジュースは、放置すると臭いが残ります。糖分とたんぱく質が残るためです。その場で対処してください。

Q. 業者に頼むべき場面はありますか

A. あります。

  • シート内部まで染みた汚れや臭い
  • 天井の広範囲の汚れ(自分でやると、たるみの原因になります)
  • 売却前に、状態を整えたい場合

とくに天井は難しい場所です。

生地が接着されているため、水分を含ませると剥がれて垂れ下がります。元に戻すのは簡単ではありません。

天井は、軽く拭く程度にとどめてください。強くこすらず、水分も最小限に。ここだけは、手を出しすぎないほうが結果が良い場所です。

Q. 外装の洗車と、どちらを先に

A. 車内が先です。

ドアを開け閉めし、マットを出し入れするからです。洗ったあとの外装に、埃や水滴が付きます。

外装の手順は洗車に必要な道具にまとめました。

押さえておきたいこと

  • 上から下へ、乾いた作業から濡れた作業へ。
  • クロスは用途ごとに分ける。ガラス用は特に。
  • 家庭用洗剤をそのまま使わない。目立たない場所で試す。
  • 布シートは濡らしすぎない。臭いの原因になります。
  • 臭いは芳香剤ではなく、元を断つ。
  • マットは完全に乾かしてから戻す。

車内は、家の中より汚れやすい場所です。

密閉されていて、温度が上がり、湿気がこもる。そこに人が座り、飲み食いをします。

しかも、夏の車内は高温になります。汚れが変質し、臭いに変わるまでの時間が、家の中よりずっと短いのです。こぼしたものを翌週まで放っておく、という判断が通用しません。

だからこそ、年に一度の大掃除より、月に一度の10分のほうが効きます。溜めないほうが、結局は楽です。

なお、内装の素材や適した薬剤は車種によって異なります。使用する製品の表示と、取扱説明書の指示をご確認ください。

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