はじめに要点を
- 落ち葉掃除の基本は、熊手(レーキ)で集めて、ほうきで仕上げ、袋に入れる流れです。
- 広い庭ならブロワーが便利ですが、音と、ほこりの飛び方に気を配る必要があります。
- 集めた落ち葉を、自分で燃やさないでください。多くの場合、法律で禁止されています。
- 濡れた落ち葉は滑ります。階段や玄関先は、とくに早めに片付けます。
落ち葉を放っておくと困ること
秋になると、庭や玄関先、家の前の道にたくさんの葉が落ちてきます。自然なことなので、つい「そのうち片付けよう」と後回しになりがちです。
ですが、落ち葉を放っておくと、いくつか困ったことが起きます。
| 困ること | 理由 |
|---|---|
| 足を滑らせて転ぶ | 雨に濡れた落ち葉は、氷の上のように滑ります。とくに階段や坂道 |
| 排水口や側溝が詰まる | 雨水の流れが悪くなり、水たまりや、あふれる原因になります |
| 雨どいが詰まる | 屋根に落ちた葉が流れ込みます |
| 芝生や植え込みが傷む | 葉の下に日が当たらず、湿って傷みます |
| 虫の住みかになる | 湿った葉の下に、虫が集まります |
| 近所に迷惑をかける | 自分の家の木の葉が、隣や道路に広がります |
この中でいちばん気をつけたいのは、転倒です。落ち葉の上で転ぶのは、高齢の方だけではありません。濡れた葉を踏んだ瞬間、足がすくわれるように滑ります。玄関から道路までの通り道は、葉が落ちるたびに片付けておくと安心です。
屋根から雨どいに流れ込む落ち葉については、雨どいの掃除に必要な道具で詳しく書きました。庭の落ち葉を片付けるついでに、雨どいの様子も地上から見ておくと、詰まりに早く気づけます。
必要な道具
| 道具 | 役割 | 向いている場所 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 熊手(レーキ) | 広い範囲の落ち葉を、かき寄せて集める | 庭、芝生、砂利の上 | 必須 |
| 竹ぼうき | 土や砂利の上の葉を、力強く掃き集める | 庭、屋外の通路 | 高い |
| 屋外用のほうきとちりとり | 玄関先やコンクリートの上を仕上げる | 玄関、駐車場、道路 | 必須 |
| 厚手のごみ袋 | 集めた葉を入れる | — | 必須 |
| 軍手や園芸用の手袋 | 葉と一緒に、とげのある枝や虫をつかむことがある | — | 必須 |
| 落ち葉をつかむ道具(両手で挟むもの) | 集めた葉を、手を汚さずに袋へ入れる | — | 高い |
| 自立する袋、または大きめのかご | 袋の口を開けたまま、葉を入れやすくする | — | 中 |
| ブロワー | 風で葉を吹き寄せる | 広い庭、駐車場 | 広さによる |
ふつうの家庭の庭や玄関先なら、熊手、屋外用のほうきとちりとり、ごみ袋、手袋の4つがあれば始められます。ブロワーは、庭が広い、駐車場の面積が大きいといった場合に考えれば十分です。
熊手の選び方
熊手には、爪が金属のものと、樹脂や竹でできたものがあります。
| 爪の素材 | 特徴 |
|---|---|
| 樹脂 | 軽く、芝生を傷めにくい。力を入れすぎると爪が曲がる |
| 竹 | しなりがあり、葉だけをかき寄せやすい。濡れたまま置くと傷む |
| 金属 | 丈夫で、湿って固まった葉もかき出せる。芝生を削りやすい |
芝生の上なら樹脂や竹、砂利や土の上なら金属、と覚えておくと選びやすくなります。
そして、柄の長さも大事です。短い柄の熊手を使うと、ずっと前かがみの姿勢になり、腰を痛めます。立ったまま、背筋をあまり曲げずに使える長さを選んでください。
片付けの手順
- 乾いた日を選ぶ。濡れた葉は重く、地面に張り付いて集めにくくなります
- 風の弱い時間帯に始める。風が強いと、集めた葉がすぐに散ります
- 庭の奥から、出口に向かって集める。集めた葉の山を、何度も運ばずに済みます
- 熊手で、いくつかの小さな山にまとめる。大きな山を一つ作ろうとすると、かき寄せる距離が長くなります
- 山ごとに袋へ入れる。自立する袋やかごを使うと、片手で入れやすくなります
- 最後に、ほうきで細かい葉やごみを掃き取る。
- 排水口や側溝のふたの上を確かめる。ここに葉が残ると、雨の日に詰まります
3番の奥から出口へという順番は、作業を楽にするための工夫です。玄関の近くから始めると、奥の葉を集めるたびに、きれいにした場所の上を通って運ぶことになります。
そして7番。排水口のふたの上に葉が積もると、ふたの穴がふさがれ、雨水が流れ込めなくなります。家の前に水たまりができる原因の多くは、この小さな詰まりです。ふたを持ち上げて中まで掃除する場合は、ふたの重さで指を挟まないよう気をつけてください。
集めた落ち葉を、燃やさないでください
集めた落ち葉を、庭で燃やして片付けるのはやめてください。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、例外を除き、ごみを屋外で燃やすこと(いわゆる野焼き)が禁止されています。例外として認められる場合もありますが、その場合でも、周りの住宅に煙や臭いで迷惑をかければ、苦情や指導の対象になります。そして何より、乾いた落ち葉は非常に燃えやすいものです。風にあおられた火の粉が、植え込みや家の壁、隣の家に燃え移る火災が起きています。煙で見通しが悪くなり、道路を走る車の事故につながることもあります。落ち葉は、自治体の決まりに従って、ごみとして出してください。
落ち葉の出し方は、自治体によって決まりが違います。
- 燃やせるごみとして出す地域が多い
- 一度に出せる袋の数に上限がある地域がある
- 枝や草と分けて出すよう決めている地域がある
- 量が多い場合、処理施設へ持ち込むことを案内している地域がある
- 資源として回収し、たい肥にする取り組みをしている地域もある
作業を始める前に、住んでいる地域の案内を確かめておくと、あとで袋を詰め直す手間が省けます。
ごみ袋に落ち葉を入れるときは、袋をいっぱいに詰め込みすぎないようにしてください。葉が多すぎると、袋が重くなって運ぶときに破れます。濡れた葉は、とくに重くなります。
ブロワーを使うときの注意
ブロワーは、強い風で落ち葉を吹き寄せる機械です。広い場所の落ち葉を短い時間で集められる一方で、家庭で使うときに気をつけたい点がいくつかあります。
| 気をつけたいこと | 理由と対策 |
|---|---|
| 音 | とくにエンジン式は大きな音が出ます。早朝や夜の使用は避け、近所への配慮を |
| ほこりと小石 | 葉と一緒に、砂ぼこりや小石も飛びます。人や車、窓に向けない |
| 吹き飛ばす先 | 隣の敷地や道路へ吹き出さない。自分の敷地の中に集める |
| 目と耳 | 保護めがねを着け、長く使うなら耳を守るものも |
| 濡れた葉 | 地面に張り付いた濡れた葉は、風では動きにくい |
中でも大事なのは、吹き飛ばす先です。自分の家の前をきれいにするつもりで、葉を道路や隣の家の側へ吹き出してしまえば、片付けたことにはなりません。必ず、自分の敷地の中の一か所へ向けて吹き寄せ、そこから袋に入れてください。
ブロワーには、電源コードを使う電動式、充電式、ガソリンを使うエンジン式があります。家庭の庭なら、音が比較的小さく、燃料の管理が要らない電動式や充電式が扱いやすいでしょう。エンジン式を使う場合は、燃料の扱いに注意が要ります。混合燃料を使う機種の注意は混合燃料の作り方と管理に、エンジン式の機械の手入れは屋外エンジン機械の整備工具にまとめました。
吸い込む機能を使うとき
ブロワーの中には、吹くだけでなく、落ち葉を吸い込んで袋にためる機能を持つものがあります。
- 小石や枝、空き缶を吸い込まない。中の羽根を傷め、破片が飛ぶことがあります
- 濡れた葉を大量に吸い込まない。中で詰まります
- 詰まりを取るときは、必ず電源を切り、羽根が止まってから。充電式ならバッテリーを外し、電動式ならコンセントを抜きます
詰まった機械に手を入れる事故は、除雪機でも起きています。止めてから手を入れるという考え方は、除雪機の選び方と安全で書いたことと同じです。
体を痛めない掃き方
落ち葉掃除は、軽い作業に見えて、腰と腕に負担がかかる作業です。広い庭を一度に片付けようとすると、翌日に腰が痛くなることがあります。
- 熊手は、体の前で小さくかき寄せる。腕を伸ばしきって遠くの葉を引き寄せると、腰に負担が集中します
- 腰だけでなく、足を動かして位置を変える。立ったまま体をひねり続けないようにします
- 袋に入れるときは、しゃがんで、腰を落とす。前かがみのまま持ち上げない
- 重くなった袋は、引きずらずに持ち上げて運ぶ。袋の底が破れます
- 一度に全部やろうとせず、区切って休む。
葉は、秋のあいだ何度も落ちてきます。一度に完璧にするより、こまめに少しずつ片付けるほうが、体への負担も、1回あたりの量も少なく済みます。
場所ごとの片付けのこつ
玄関先と階段
人が毎日通る場所は、最優先で片付けてください。とくに階段や、玄関のタイルの上は、濡れた葉でとても滑りやすくなります。
雨の前の日に、玄関から道路までの通り道だけでも掃いておくと、翌朝の転倒を防げます。
砂利の庭
砂利の上の落ち葉は、ほうきで掃くと砂利まで一緒に動いてしまいます。金属の熊手で、葉だけを浮かせるようにかき寄せると、砂利を散らかしにくくなります。細かい葉が砂利のすき間に入り込んだものは、無理に全部取ろうとしないほうが、作業が終わります。
植え込みの中
植え込みの根元にたまった葉は、手で取り出すことになります。必ず手袋を着けてください。葉の下には、とげのある枝、虫、ときには割れたガラスなどが混ざっていることがあります。
植え込みの手入れを兼ねるなら、庭木の剪定に必要な道具で書いた、枯れた枝の取り方もあわせて行うと、次の季節の落ち葉も片付けやすくなります。
家の前の道路
家の前の歩道や道路を掃くときは、通行する車や自転車に気をつけてください。道路に背を向けて作業すると、近づく車に気づけません。
街路樹の葉が大量に落ちる場所では、自治体や道路の管理者が清掃を行っていることがあります。無理に車道まで出て掃除せず、手に負えない量なら、管理者に相談してください。
道具の手入れとしまい方
- 熊手とほうきに絡んだ葉を取り除く。濡れた葉が付いたままだと、竹や樹脂が傷みます
- 濡れた道具は、乾かしてからしまう。
- 竹ぼうきは、穂先を下にして立てかけない。穂先が曲がって、掃きにくくなります。つるすか、穂先を上にします
- ブロワーは、充電式ならバッテリーを外し、エンジン式なら取扱説明書に従って燃料を扱う。
秋が終われば、次の秋まで出番がない道具もあります。長くしまう前に、傷んだ部分がないか見ておくと、翌年に使い始めてから困らずに済みます。
落ち葉掃除でよくある疑問
Q. 落ち葉で、たい肥は作れますか
A. 庭の広さと、置いておく場所があれば作れます。
ただし、たい肥になるまでには時間がかかり、途中で臭いや虫が出ることもあります。住宅が近い場所では、近所への配慮が必要です。病気の出た木の葉や、薬をまいた植物の葉は、たい肥に向きません。うまく扱えるか不安なら、無理をせずごみとして出すほうが確実です。
Q. 隣の家の木の葉が、うちに落ちてきます
A. まずは、落ち葉が自分の家の側に多く落ちていることを、穏やかに伝えて相談するのがよいと思います。
葉が落ちること自体は自然なことで、すぐに解決できるとは限りません。境界を越えて伸びた枝の扱いは、庭木の剪定に必要な道具で触れたとおり、民法で一定の決まりがあります。いきなり枝を切るのではなく、話し合いから始めてください。
Q. 雪が降る地域では、いつまでに片付ければいいですか
A. 雪が積もる前に、一度しっかり片付けておくことをすすめます。
落ち葉の上に雪が積もると、春まで片付けられません。雪の下で湿った葉は、芝生や植え込みを傷めます。また、落ち葉が雪の下に隠れた段差や排水口をふさぐと、除雪のときにつまずく原因にもなります。
Q. 落ち葉を掃除する頻度はどのくらいですか
A. 木の量と、葉が落ちる時期によって変わります。落葉のさかりの時期は、週に1〜2回、人が通る場所だけでも片付けておくと、転倒や排水口の詰まりを防げます。庭全体は、葉がほぼ落ちきってから一度まとめて片付けると、作業の回数を減らせます。雨の予報が出ている日の前は、玄関先と排水口の周りだけ見ておくと安心です。
落ち葉掃除のまとめ
- 道具は熊手、屋外用のほうきとちりとり、ごみ袋、手袋から。
- 乾いた風の弱い日に、奥から出口へ集める。
- 玄関先と階段を最優先に。濡れた葉は滑る。
- 排水口のふたの上の葉も忘れずに取る。
- 集めた葉を燃やさない。自治体の決まりに従ってごみに出す。
- ブロワーは音と、吹き飛ばす先に気を配る。
落ち葉は、片付けても片付けても、翌日にはまた落ちています。秋のあいだは、終わりのない作業のように感じるかもしれません。
だからこそ、完璧を目指さなくて構いません。人が通る場所と、水が流れる場所。この2か所だけ気にかけておけば、落ち葉のせいで困ることは、ほとんどなくなります。
前後の作業については、雨どいの掃除に必要な道具が参考になります。