アース線のつなぎ方|洗濯機や電子レンジで必要な理由

コンセントとプラグ

洗濯機や電子レンジのコードから、緑色の線が一本出ています。これがアース線です。付け忘れている家庭は、かなり多いと思います。しかし、この線は感電を防ぐための仕組みで、水を使う場所では特に重要です。つなぐ作業そのものは、ねじを緩めて差し込むだけで、資格も要りません。五分で終わります。この記事では、何のための線なのか、どこにつなぐのか、つなぐ場所がない場合はどうするのかを書きます。

目次

この記事でわかること

  • アース線が感電を防ぐ仕組み
  • つなぐ手順と、必要な道具
  • アース端子がない場合の対処
  • つながなくてよい機器の見分け方

電気の逃げ道を作る

アース線の役割は、本来流れてはいけない場所に流れてしまった電気を、地面へ安全に逃がすことです。接地線とも呼ばれます。

機器の内部で、絶縁が劣化したとします。すると、電気が金属の外枠に漏れます。この状態で人が触れると、電気は人の体を通って地面へ流れます。これが感電です。

アース線がつながっていれば、電気はそちらを通って地面へ逃げます。人の体より、はるかに流れやすい道があるためです。触れても、感電しないか、しても軽く済みます。

もう一つの働きとして、漏電を検知する装置を確実に作動させるという役目もあります。分電盤にある漏電遮断器は、電気の漏れを検知して電源を切る装置です。アースがつながっていると、漏れた電気がはっきり流れるので、装置が確実に働きます。

特に必要な場所

水気のある場所では、感電の危険が大きく上がります。

人の体は、乾いていれば電気を通しにくいものです。しかし、濡れていると通しやすくなります。裸足で濡れた床に立っていれば、地面への道もできています。

だから、洗濯機、食器洗い機、温水を使う便座、冷蔵庫、電子レンジ。こうした機器にはアースが求められます。台所と洗面所のコンセントに、アース端子が付いているのはこのためです。

屋外で使う機器も同じです。庭で使う電動工具や、屋外のコンセントを使う機器は、濡れた地面の上で操作することになります。

電気を使う機器のうち、法令で接地が義務づけられているものもあります。取扱説明書に接続を求める記載があれば、必ずつないでください。

つなぐ手順

作業は簡単です。用意するのは、マイナスドライバーが一本だけです。

  • コンセントの下にある、四角い小さな蓋を開ける
  • 中にねじが見えるので、マイナスドライバーで緩める
  • アース線の先端の被覆をはがし、金属部分を出す
  • 金属部分を穴に差し込み、ねじを締める
  • 軽く引いて、抜けないことを確かめる
  • 蓋を閉じる

線の先端が、あらかじめ丸い金具になっている製品もあります。その場合は、ねじを外して金具を通し、締め直します。

被覆をはがすときは、専用の工具があると楽ですが、カッターでもできます。中の銅線を切らないよう、浅く切り込みを入れて引き抜いてください。

この作業に、電気工事士の資格は要りません。差し込んで使う機器の側の作業だからです。

端子がない場合

古い住宅では、アース端子のないコンセントが使われていることがあります。

この場合、電気工事店に依頼して、端子付きのコンセントに交換してもらうのが基本です。壁の中に接地の線が来ていれば、比較的簡単な工事で済みます。

接地の線が来ていない場合は、新しく地面へつなぐ工事が必要になります。費用は数万円かかることもあります。ただし、洗濯機や電子レンジを使う場所なら、行う価値のある工事です。

賃貸なら、管理会社に相談してください。設備の問題なので、貸主の負担で対応してもらえることがあります。

すぐに工事ができない場合の代替として、漏電を検知して電源を切る機能が付いたプラグやタップがあります。コンセントに差して使う製品で、資格は要りません。完全な代わりにはなりませんが、何もしないよりはるかに安全です。

やってはいけないつなぎ方

自己流でつなぐと、かえって危険になることがあります。

水道管につなぐのは避けてください。昔は行われていた方法ですが、今の水道管は樹脂製のものが多く、電気を通しません。地面まで届かなければ、意味がないどころか、つながっていると誤解する分だけ危険です。

ガス管には絶対につながないでください。漏れた電気が火花を生み、ガス漏れと重なれば爆発につながります。

電話の線や、避雷のための設備につなぐのも誤りです。それぞれ別の目的の設備です。

そして、コンセントの差込口の片方にアース線を差し込む、という方法も見かけますが、危険です。極性を間違えれば、機器の外枠に直接電圧がかかります。

つながなくてよい機器

すべての機器にアースが必要なわけではありません。

そもそもアース線が出ていない機器は、つなぐ必要がありません。二重に絶縁する構造で作られていて、外枠に電気が漏れない設計になっています。四角が二重に描かれた記号が、その印です。

テレビ、パソコン、扇風機、照明といった機器の多くは、この構造です。アース線が付いていなくても、不良ではありません。

判断は単純で、線が出ていればつなぐ、出ていなければ不要です。取扱説明書に記載があれば、それに従ってください。

線が届かないとき

コンセントの位置と機器の位置が離れていて、アース線が届かないことがあります。

延長するための線が市販されています。数百円で買えます。接続の部分は、ねじで留めるか、専用の部品でつなぎます。

継ぎ足す場合、接続部が緩まないようにしてください。接触が悪いと、いざというときに電気が流れません。ビニールテープを巻いて、外れないようにしておくと安心です。

線を床に這わせる場合は、踏まれない位置を通してください。踏み続けると、内部で切れます。切れていても外からはわかりません。

漏電に気づくには

アースをつないでいても、漏電そのものは起きます。兆候を知っておいてください。

機器に触れたとき、ぴりぴりする感覚があれば、漏電しています。使用をやめて、電気工事店に相談してください。

分電盤の漏電遮断器が落ちるのも、明確な合図です。落ちた場合は、すべての機器のプラグを抜いてから復帰させ、一つずつ差し直して原因を探します。

電気の使用量が急に増えた場合も、疑ってよい状況です。使っていないのに電気が流れているということです。

漏電遮断器の動作は、年に一度確認してください。本体に試験用のボタンが付いています。押して落ちれば、正常に働いています。

洗濯機の設置でよくある見落とし

アースをつなぎ忘れる筆頭が、洗濯機です。

設置してもらった業者がつないでくれていると思い込んでいる場合があります。裏側を確認してみてください。緑色の線が、どこにもつながらずに垂れていることがあります。

自分で運んで設置した場合は、特に忘れがちです。水を使う機器で、濡れた床に裸足で立つ場所です。ここは確実につないでください。

洗濯機の下に潜り込む必要はありません。コンセント側の端子に差し込むだけです。本体を動かさずに作業できることがほとんどです。

屋外で電気を使うとき

庭や駐車場で電動工具を使う場面では、感電の条件が揃いやすくなります。

地面に直接立っているため、体から地面への道ができています。加えて、雨上がりで濡れていれば、電気が流れやすくなります。

屋外のコンセントには、アース端子が付いているものが多いはずです。高圧洗浄機や電動の芝刈り機を使うなら、必ずつないでください。

屋内から延長コードを引いて使う場合は、アースがつながりません。この場合は、漏電を検知する機能の付いた製品を間に入れてください。

そして、雨の日には屋外で電気を使わないでください。どれだけ対策しても、条件が悪すぎます。

線の色には意味がある

アース線が緑色なのは、決まりごとによるものです。

接地のための線は、緑、あるいは緑と黄色の組み合わせで表すことが定められています。国際的にも共通しているので、海外の製品でも同じです。

この色の線を見たら、接地のためのものだと判断できます。逆に、他の用途にこの色を使ってはいけません。誤解を招くためです。

延長するための線を買うときも、緑色のものを選んでください。後から見た人が、何の線かを判断できます。

取り付けを頼んだときの確認

機器の設置を業者に頼んだ場合でも、確認しておく価値があります。

設置が終わった後、アース線がどこにつながっているかを見せてもらってください。つないでいない場合、その理由を聞きます。端子がないから、という答えなら、どう対処するかを相談できます。

作業の人が急いでいると、省略されることがあります。悪意があるわけではなく、端子が見つからなかった、線が届かなかった、といった事情です。その場で伝えれば、対応してもらえます。

後から自分でつなぐこともできます。難しい作業ではないので、気づいた時点で手をつけてください。

感電したときの対応

万一の場合に備えて、書いておきます。

人が感電しているのを見つけたら、素手で引き離さないでください。触れた人も感電します。まず、分電盤のブレーカーを落として電気を断ちます。

ブレーカーが遠い場合は、乾いた木の棒やプラスチックの道具で、機器から引き離します。金属や濡れたものは使えません。

引き離したら、意識と呼吸を確認して、通報してください。軽く感じても、後から症状が出ることがあります。必ず受診してください。

自分が軽く感電した場合も、原因を放置しないでください。次は重い事故になるかもしれません。

道具がなくてもできる

工具を持っていない方のために、代わりになるものを書いておきます。

アース端子のねじは、マイナスの溝が切られています。マイナスドライバーがなければ、硬貨の縁や、定規の端でも回せることがあります。ただし、無理に力をかけると溝をつぶします。

被覆をはがす作業は、カッターやはさみでもできます。銅線を切らないよう、浅く切り込みを入れて引き抜いてください。

とはいえ、マイナスドライバーは百円程度で買えます。一本持っておくと、こうした場面で困りません。

よくある質問

今までつながずに使っていましたが問題ありませんでしたか

何も起きなかったのは、絶縁が保たれていたためです。アースは、壊れたときのための備えです。何年も問題がなくても、劣化はいつか起きます。気づいた今、つないでおいてください。

アース線を短く切ってもよいですか

長すぎて邪魔なら、切っても構いません。ただし、短く切りすぎると、機器を動かしたときに届かなくなります。余裕を残してください。切った後は、被覆をはがし直す必要があります。

複数の機器を同じ端子につないでよいですか

問題ありません。一つのねじに複数の線をまとめて留められます。ただし、緩みやすくなるので、確実に締めてください。

エアコンにもアースは必要ですか

必要です。室外機が屋外にあり、雨にさらされるためです。取り付けの工事の際に接続されているはずですが、確認しておく価値はあります。工事は有資格者の作業なので、自分で触らないでください。

賃貸でアース端子がない場合は

管理会社に相談してください。設備の問題として、貸主の負担で工事してもらえることがあります。すぐに対応できない場合は、漏電を検知する機能の付いたプラグを使って、当面をしのいでください。

アース線をつなぐと感電しませんか

しません。この線には、通常は電気が流れていません。機器から漏れたときだけ、地面へ逃がす道として働きます。作業そのものも、機器側の端子に差し込むだけなので安全です。

つないだ後に確認する方法はありますか

正しく接地されているかを測る器具がありますが、家庭では持っていないのが普通です。線を軽く引いて抜けないこと、ねじが締まっていることを確認すれば十分です。心配なら、電気工事店に見てもらってください。

まとめ

アース線は、機器から漏れた電気を地面へ逃がして、感電を防ぐための仕組みです。洗濯機、電子レンジ、温水を使う便座のように、水気のある場所の機器では特に重要になります。つなぐ作業は、コンセントの下の蓋を開けて、ねじで留めるだけです。五分で終わり、資格も要りません。端子がない住宅では、電気工事店に相談してください。そして、水道管やガス管につなぐ方法は、効かないか危険です。選ばないでください。

ブレーカーの見方は分電盤とブレーカーの基礎、資格の範囲は電気工事は資格なしでどこまで、コンセントの異常はコンセントが焦げた・熱いときの対処にまとめています。

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この記事を書いた人

工具逆引き堂の運営者。乙種第4類危険物取扱者(令和3年8月取得)、第二種高圧ガス販売主任者(令和8年5月取得)。ガソリン・灯油などの燃料やカセットボンベの扱いを中心に、作業ごとに必要な工具と、法令・安全上の注意点を整理しています。資格の詳細と記事の守備範囲は運営者情報をご覧ください。

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