ホームセンターでネジを買うとき、棚に並んだ袋に書かれた数字の意味がわからないと、選びようがありません。M4、M6、4ミリ、35ミリ。これらは別々のことを指しています。そして、一本だけ失くしたネジを買い足そうとして、同じものが見つからずに困る。この記事では、ネジの寸法をどう読み、手元のネジをどう測り、店で何を伝えれば同じものが手に入るのかを書きます。定規一本あれば、たいていは特定できます。
この記事でわかること
- Mで始まる表記が何を指すか
- 手元のネジの測り方
- 長さをどこから数えるか
- 店で伝えるべき情報
Mの後ろの数字は太さ
M4と書かれていれば、ネジ山の外側の直径が四ミリという意味です。M6なら六ミリ。この数字が、ネジの太さを表します。
測るときは、ネジ山の山と山の外側にノギスを当てます。谷の部分ではありません。定規で測る場合も、山の外側どうしの幅を見てください。実際に測ると、M4のネジは三.九ミリ前後になります。少し細く出るのが正常です。
家庭で使う範囲なら、M3、M4、M5、M6、M8あたりが中心です。家具の組み立てならM6が多く、電気製品の内部ならM3やM4が多く使われます。
この表記は、メートル規格のネジに使われるものです。世界にはインチを基準にした規格もあり、そちらはMではなく別の表記になります。日本の家庭で買うネジは、ほぼメートル規格だと考えて差し支えありません。
ピッチという二つめの数字
M6かける一.〇、といった表記を見ることがあります。後ろの数字はピッチで、ネジ山の間隔を表します。
同じ太さでも、山の間隔が違うネジがあります。間隔が広いものを並目、狭いものを細目と呼びます。家庭で使うネジは、ほとんどが並目です。だから、ピッチが書かれていない袋は並目だと考えて構いません。
問題になるのは、細目のネジが使われている場所に並目のネジを入れようとしたときです。途中まで入って止まるか、無理に回してネジ山を壊します。うまく入らないと感じたら、力を入れずに一度抜いてください。
ピッチを測るには、ネジ山を十個分の長さを測って十で割る方法が簡単です。定規でも、ある程度の見当はつきます。正確に知りたいなら、ピッチゲージという専用の道具があります。
長さはどこから測るか
ここが間違えやすい部分です。長さの起点は、ネジの頭の形によって変わります。
頭が平らで、材料の表面から出るタイプなら、頭の裏側から先端までが長さです。頭の厚みは含みません。
頭が円錐状で、材料に埋まるタイプなら、頭の表面から先端までが長さです。埋まる部分も含めて数えます。この違いを知らないと、同じ長さのつもりで買って、数ミリ足りないということが起こります。
判断の基準は単純で、材料に埋まる部分の長さが表示されていると考えてください。頭が出るなら頭は含まず、頭が埋まるなら頭も含む。この理屈で覚えられます。
頭の形と回す道具
頭の形は、回すための道具と対応しています。
十字の溝が付いたものが、家庭で最もよく見る形です。プラスドライバーで回します。溝の大きさに番号があり、家庭で使うのは一番から三番までです。ネジの太さがM3からM5なら二番、それより細ければ一番、太ければ三番が合います。
一本の直線の溝は、マイナスドライバーで回します。今は新しい製品ではあまり使われませんが、古い家具や機器では見かけます。
六角形の穴が開いたものは、六角レンチで回します。組み立て家具に多く使われる形です。頭が小さく、狭い場所でも締められる利点があります。
六角形の頭が出ているものは、スパナやソケットで回します。強い力をかけられるので、車や機械に多く使われます。
手元のネジを特定する手順
一本だけ余ったネジ、あるいは失くしたネジと同じものを買いたい。この場合の手順を書きます。
- ネジ山の外側の直径を測る。これがMの後ろの数字になる
- 長さを測る。頭が埋まる形なら頭も含める
- 頭の形を見る。十字か、六角の穴か、六角の頭か
- 頭の直径と厚みも測っておく。同じ太さでも頭の大きさが違う製品がある
- 先端の形を見る。とがっているか、平らか
- 材質を見る。磁石が付くか、付かないか
この六つを控えていけば、店で同じものを探せます。可能なら、現物を持っていくのが一番確実です。売り場に見本と照合するための台が置いてある店もあります。
紙に当てて輪郭を写し取る方法もあります。現物を持っていけない場合でも、実寸の図があれば店員に伝わります。
材質による違い
同じ寸法でも、材質が違えば使える場所が変わります。
鉄に表面処理をしたものが、最も安く広く使われています。屋内で使うなら、これで十分です。ただし、水がかかる場所では錆びます。
ステンレスは、錆に強い材質です。屋外、浴室、洗面所といった水まわりでは、こちらを選んでください。値段は鉄より上がりますが、錆びて外せなくなる手間を考えれば安いものです。磁石が付きにくいので、見分けるときの手がかりになります。
真ちゅうは、装飾のために使われることがあります。柔らかいので、強く締めると頭の溝がつぶれます。
注意してほしいのが、異なる金属を組み合わせる場合です。ステンレスのネジをアルミの部材に使うと、水の影響で腐食が進むことがあります。屋外で長く使うものなら、同じ系統の材質でそろえるのが安全です。
強度を表す数字
ボルトの頭に、数字が刻印されていることがあります。四.八、八.八、十.九といった表記です。
これは強度の等級を表します。数字が大きいほど、強い力に耐えられます。家具や棚の取り付けなら、一般的な等級のもので足ります。
問題になるのは、車や機械の部品を締め直すときです。元と同じか、それ以上の等級のものを使ってください。見た目が同じでも、強度の低いボルトに交換すると、走行中に折れることがあります。
刻印がないボルトは、等級が保証されていません。安価な製品にはこうしたものがあります。強い力がかかる場所には使わないでください。
買うときの選び方
売り場には、袋詰めとばら売りがあります。使い分けると無駄が出ません。
一本だけ必要なら、ばら売りの棚を探してください。一本数十円で買えます。袋詰めは十本、二十本という単位なので、一本のために買うのはもったいない話です。
逆に、これから何度も使うなら、よく使う寸法を袋で買っておくと便利です。M4とM6の三十ミリ前後があれば、家庭の用事の多くは足ります。
ワッシャーとナットも忘れないでください。ボルトを使うなら、この二つが必要になります。ワッシャーは、締めたときの力を広い面で受けるための部品です。これがないと、材料に食い込んで傷めます。
長さが合わないときの考え方
ちょうどよい長さがない場合、どちらに寄せるべきか迷います。
基本は、短いほうを選びます。長すぎるネジは、反対側から突き出して危険です。家具なら、表面を突き破ります。
ただし、短すぎると保持する力が足りません。目安として、材料の厚みの三倍程度がネジの入る深さとして望ましいとされています。棚板を留めるなら、板の厚みを測ってから長さを決めてください。
どうしても長いものしかない場合、ワッシャーを重ねて調整する方法があります。ただし、根本的な解決ではないので、可能なら正しい長さを取り寄せてください。
失くしやすいネジへの備え
家電や家具を分解すると、必ずネジが余ったり足りなくなったりします。
作業の前に、外したネジを並べる場所を決めてください。小皿でも、テープを貼った紙でも構いません。外した順に並べておけば、戻すときに迷いません。
長さの違うネジが混ざる機器では、どこから外したかを紙に書いておきます。同じ場所に長いネジを入れると、内部の部品を突き破ることがあります。
磁石の付いた皿を一つ持っておくと、転がって失くすことが減ります。千円もしない道具ですが、効果は大きいものです。
ナットとワッシャーの寸法
ボルトを使うなら、組み合わせる部品の寸法も知っておく必要があります。
ナットは、ボルトと同じ表記で選びます。M6のボルトにはM6のナットです。ただし、外側の六角形の大きさは規格によって差があり、回す工具のサイズが変わります。M6なら十ミリの工具が合うことが多いのですが、製品によっては違うこともあります。
ワッシャーも、ボルトの太さで選びます。内側の穴の径が、ボルトの太さより少し大きくなっています。外側の径には種類があり、広いものほど力を分散させます。柔らかい材料には、外径の大きいものを使ってください。
ばね状のワッシャーは、緩み止めのための部品です。振動のかかる場所で使います。平らなワッシャーと重ねて使う場合、ボルトの頭に近い側にばね状のものを置くのが一般的です。
工具のサイズとの対応
ネジのサイズがわかれば、必要な工具も決まります。
六角の穴が開いたネジなら、M4には三ミリ、M5には四ミリ、M6には五ミリの六角レンチが合うことが多いものです。ネジの太さより一回り小さい数字になると覚えておくと、見当がつきます。
六角の頭が出たボルトなら、M6には十ミリ、M8には十三ミリの工具が合う組み合わせが一般的です。ただし例外も多いので、実際に当てて確かめてください。
わずかに大きい工具を無理に使うと、角を丸めます。ぴったり入るサイズを選んでください。少しでもがたつきを感じたら、別のサイズを試します。
先端の形も見ておく
寸法だけでなく、先端の形にも役割があります。
とがっているものは、自分で材料に食い込んで進みます。木や薄い板に直接打つためのものです。
平らなものは、すでにある穴に入ります。ナットと組むか、ネジ山の切られた穴に使います。無理に木へねじ込もうとしても入りません。
先端に小さな刃が付いたものもあります。薄い金属板に、下穴なしで打てる構造です。物置や雨どいの補修で見かけます。
測る道具を一つ持つ
ノギスがあると、ネジ選びの精度が上がります。千円台から買えるので、DIYをするなら早い段階で揃えたい道具です。
外側を測る顎と、内側を測る顎、そして深さを測る棒が付いています。ネジの太さは外側の顎で、穴の径は内側の顎で測ります。
数字が表示される形式のものが、読み間違いが少なく扱いやすいものです。目盛りを読む形式は安価ですが、慣れが要ります。
よくある質問
ノギスがないと測れませんか
定規でもおおよそは測れます。家庭で使うネジは、M3、M4、M5、M6と一ミリ刻みなので、一ミリの違いが読めれば特定できます。ただ、ノギスは千円台から買えるので、DIYをするなら一本持っておく価値があります。
同じ太さなのに入らないのはなぜですか
ピッチが違うか、規格そのものが違う可能性があります。海外製の製品では、インチを基準にしたネジが使われていることがあります。無理に回さず、外した現物を店に持っていって確認してください。
ネジとボルトはどう違いますか
厳密な区別より、使い方で考えるとわかりやすいと思います。ナットと組んで使う、あるいはネジ穴にねじ込むものがボルトです。木や板に直接ねじ込んで、自分で道を作りながら入るものがネジと呼ばれます。
表面の色で何かわかりますか
表面処理の種類を表しています。銀色、黒、金色などがあり、それぞれ錆への強さと見た目が違います。屋外で使うなら、色ではなく材質そのものを確認してください。表面処理は傷が付けば効果が落ちます。
海外製の家具のネジが見つかりません
インチを基準にした規格が使われている可能性があります。この場合、国内の売り場では見つかりにくいものです。メーカーに部品を注文するのが確実です。組み立て家具なら、購入した店に問い合わせれば取り寄せてもらえることがあります。
余ったネジはどう保管すればよいですか
仕切りのある箱に、太さごとに分けて入れてください。混ぜてしまうと、次に使うときに探す手間がかかります。袋のまま保管するなら、寸法が書かれた部分を切り取って一緒に入れておくと迷いません。
まとめ
Mの後ろの数字はネジ山の外側の直径、その後ろの数字は山の間隔です。長さは、頭が出るタイプなら頭を含まず、頭が埋まるタイプなら頭を含めて測ります。この三つがわかれば、店で同じものを探せます。材質は使う場所で選び、水がかかるところにはステンレスを使ってください。そして、迷ったら現物を持っていくのが最も確実です。売り場で照合できる店がほとんどです。
ネジが回らなくなったときはネジが回らない・なめた時の外し方、六角レンチの選び方は六角レンチの選び方、最初に揃える道具は最初に揃える工具にまとめています。
用途ごとの選び方はネジの種類と使い分け、壁に取り付ける場合は石膏ボードに棚を付けるを読んでみてください。
