洗濯機の下から、においが上がってくる。排水が遅い、途中で止まる。こうした症状の原因は、床にある排水口です。ここは掃除する場所だと思われていないため、何年も放置されていることがあります。そして、洗濯機をどかさずに掃除できる構造になっていることが多い。必要なのは、ゴム手袋と、少しの時間だけです。この記事では、その手順と、洗濯機側の点検を書きます。
この記事でわかること
- 排水口の構造とにおいの原因
- 掃除の手順
- ホースと洗濯槽の点検
- 詰まったときの対処
排水口の構造
洗濯機の足元にある四角い部品が、排水口です。中には、いくつかの部品が重なって入っています。
上から順に、ふた、ホースを差し込む部分、ごみを受ける筒、そして水をためる部分。この最後の部分が重要です。
ここには常に水がたまっており、下水からの空気を遮っています。この水がなければ、においが室内に上がってきます。
つまり、においの原因は二つです。この水がなくなっているか、内部が汚れて自ら悪臭を出しているか。
においの原因を切り分ける
作業に入る前に、どちらの原因かを確かめてください。対処が変わります。
長期間その洗濯機を使っていなかった、あるいは旅行などで家を空けていた。この場合、たまっていた水が蒸発した可能性があります。コップ一杯の水を流し込むだけで、においが消えることがあります。
毎日使っているのににおうなら、内部の汚れです。洗剤のかす、皮脂、繊維くずがたまり、そこで雑菌が増えています。
そして、洗濯機の内部からにおっているという場合もあります。排水口を掃除しても消えないなら、そちらを疑ってください。
におい以外に、排水が遅いという症状があるなら、詰まりが進んでいます。こちらは急いだほうがよい。
掃除の準備
そろえるものは、それほど多くありません。
ゴム手袋、歯ブラシ、バケツか洗面器、そして雑巾。洗剤は、塩素系の漂白剤か、排水口用のものがあれば十分です。
作業の前に、洗濯機の電源を抜き、水道の蛇口を閉めてください。作業中に誤って動かすと、水があふれます。
そして、作業中は床が濡れるので、排水口の周囲に雑巾や新聞紙を敷いておいてください。
かかる時間は、三十分ほどみておけば足ります。慣れれば十五分で終わります。
分解して洗う
ここからが実際の手順です。順を追って進めてください。
まず、ホースを排水口から抜きます。差し込んであるだけの機種が多いのですが、留め具が付いている場合は先に外してください。抜いたホースの先から水が垂れるので、袋をかぶせておくと床が汚れません。
次に、ふたを外します。そして、中の部品を上から順に取り出してください。多くは、回して外す構造になっています。
ここで、取り出した順番と向きを覚えておいてください。写真を撮っておくと確実です。戻すときに迷いません。
取り出した部品は、歯ブラシでこすって洗います。ぬめりが強ければ、漂白剤に浸けてから洗ってください。
穴の中を掃除する
部品をすべて外すと、床に開いた穴が見えます。
ここには、髪の毛や繊維くずがたまっています。手袋をした手で、つかんで取り出してください。
穴の壁面に付いたぬめりも、ブラシでこすり落としてください。手の届く範囲でかまいません。
そのあと、洗剤を入れて時間を置き、水を流します。ただし、大量に流すと、あふれる危険があります。少しずつ様子を見ながら流してください。
この穴の奥へ、手や道具を深く突っ込まないでください。届かない場所のごみは、無理に取ろうとすると押し込むことになります。
組み戻す
洗い終わったら、組み戻します。ここで、一つ大事な作業があります。
部品を元どおりに戻したら、水を注いでください。水をためる部分を、満たしておく必要があります。
ここを忘れると、掃除したのににおうという結果になります。せっかくの作業が台無しです。
そして、ホースを差し込みます。奥までしっかり入れてください。浅いと、排水のときに抜けて床が水浸しになります。
最後に、洗濯機を短い時間だけ動かして、排水が正常に流れるか、漏れがないかを確認してください。
ホースの点検
排水口から外したついでに、ホースの状態も見ておきます。
内側に、ぬめりや汚れがたまっていることがあります。中に水を通して、流し出してください。
そして、ひび割れがないか確認してください。樹脂は、年数が経つと硬くなって割れます。ここから水が漏れれば、床が傷みます。
折れ曲がった跡が付いている場合も、そこから割れやすい。洗濯機を壁に寄せすぎると、ホースが潰れます。
ホースは、部品として数千円で買えます。十年ほど使っているなら、この機会に替えるという判断もあります。
糸くずを取る部品
床の排水口だけでなく、洗濯機の側にも掃除する場所があります。
槽の中や、ふたの裏に、糸くずを集める網が付いています。これが詰まると、洗浄の力が落ちます。
毎回とは言いませんが、週に一度は取り出して、たまったごみを捨ててください。
乾燥の機能が付いた機種では、別の場所にもフィルターがあります。ここが詰まると、乾燥に時間がかかり、電気代も増えます。
説明書を見て、自分の機種にいくつフィルターがあるか、確認しておいてください。存在を知らないまま、何年も詰まったままという例があります。
洗濯槽のにおい
排水口を掃除しても、においが消えない場合の話です。
洗濯槽には、外からは見えない裏側があります。ここに洗剤のかすと皮脂が固まり、黒い汚れになります。
専用の洗浄剤が売られています。塩素を使うものと、酸素を使うものがあり、前者は分解する力が強く、後者は汚れを剥がして浮かせます。
酸素を使うものを選ぶと、剥がれた汚れが大量に浮いてきます。これを網ですくい取る手間がかかりますが、効果は目に見えます。
頻度としては、二か月から三か月に一度が目安です。においが出てからでは、汚れがかなり厚くなっています。
においを出さない使い方
日々の使い方の習慣でも、においの出方は変わります。
洗濯が終わったら、ふたを開けておいてください。閉めたままだと、内部が乾かず、雑菌が増えます。
洗剤を入れすぎないでください。溶け残った分が、槽の裏に付着します。適量は、洗濯物の量で決まります。多く入れても、汚れ落ちはよくなりません。
脱いだ衣類を、洗濯機の中にためないでください。湿った衣類が、においの発生源になります。
そして、洗濯した後は、すぐ干してください。濡れたまま放置すると、生乾きのにおいが付きます。
排水が遅いとき
流れが悪く、詰まりが疑われる場合の対処です。
まず、ここまで書いた手順で排水口を掃除してください。多くの場合、これで解決します。
それでも遅いなら、ホースの中を確認します。折れていないか、潰れていないかも見てください。洗濯機の後ろで、ホースが重みで曲がっていることがあります。
ホースの位置が高すぎても、流れません。排水口より上を通している場合、水が押し上げられずに残ります。
ここまで見て改善しないなら、床下の管で詰まっています。市販の薬剤を試す方法もありますが、効かなければ業者に依頼してください。
水があふれたら
これが、最も避けたい事態です。
詰まった状態で運転すると、排水口から水があふれます。洗濯機は、排水できているかを判断せずに排水を続ける機種が多い。
集合住宅なら、下の階へ被害が及びます。これは、修理費用の規模がまったく変わる事態です。
だから、排水が遅いと感じた時点で、原因を取り除いてください。様子を見ているうちに、完全に詰まります。
そして、外出中や就寝中に洗濯機を回すなら、この点を頭に入れておいてください。気づいたときには、手遅れになります。
置き場所による違い
洗濯機をどこに置いているかで、注意する点が変わります。
脱衣所の中に置いている場合、湿気がこもります。入浴の後の蒸気が、洗濯機の内部にも入ります。換気を続けることが、においの予防になります。
ベランダなど屋外に置いている場合は、別の問題があります。紫外線で樹脂が劣化し、ホースが割れやすくなります。冬には、内部に残った水が凍って部品を壊すこともあります。専用のカバーをかけると、寿命が伸びます。
屋外では、排水口も落ち葉や砂で詰まりやすい。掃除の頻度を、室内より上げてください。
そして、防水の受け皿が付いているかどうかも確認してください。これがあれば、漏れたときに床下へ水が回るのを防げます。ここにごみがたまることもあるので、掃除の対象に入れてください。
掃除しやすくする工夫
次からの作業を楽にする方法もあります。
排水口に入れる、ごみを受ける網が売られています。数百円で、取り替えるだけで済むようになります。ただし、目が詰まると流れが悪くなるので、こまめに交換してください。
洗濯機の下に、キャスターの付いた台を入れる方法もあります。これがあると、掃除のときに動かせます。ただし、振動で移動しないよう、固定できる製品を選んでください。
そして、洗濯ネットを使うと、繊維くずの量が減ります。特に、毛足の長いものや、糸の出やすい衣類には効果があります。
ポケットの中を確認してから洗うことも、意外と効きます。紙や小物が溶けて、詰まりの原因になることがあります。
年に一度は全体を見る
排水口の掃除に合わせて、周辺も点検してください。
給水のホースも、確認の対象です。蛇口との接続部が緩んでいないか、ホースが硬くなっていないか。ここが外れると、水が出続けます。外出中に起きれば、被害は大きくなります。
洗濯機を使わないときに蛇口を閉める習慣があれば、この危険はかなり減ります。面倒に思えますが、数秒の作業です。
本体が水平に据えられているかも、見ておいてください。傾いていると、脱水のときに揺れて、ホースが抜けたり、本体が移動したりします。床に水平器を置けば、すぐ分かります。
そして、アース線がつながっているかも確認してください。水を扱う機器なので、ここは絶対に外さないでください。
買い替えるときに考えること
掃除の話から少し離れますが、寿命についても触れておきます。
洗濯機の設計上の標準使用期間は、七年程度とされています。実際には十年前後使う家庭が多いのですが、この年数を超えると部品の保有期間も終わり、修理できなくなります。
振動が大きくなった、脱水の音が変わった、水漏れが出た。こうした変化が出たら、寿命が近い合図です。
買い替えるなら、設置の条件を先に測ってください。防水の受け皿の寸法、蛇口の高さ、搬入の経路。これが合わないと、届いても置けません。
そして、古い洗濯機は家電リサイクル法の対象です。購入した店や、自治体の案内に従って引き取ってもらってください。粗大ごみとしては出せません。
よくある質問
洗濯機をどかさないと掃除できません
真上に置かれている場合、この問題が起きます。持ち上げる台を後から入れる製品があり、これを使えば下に空間ができます。設置し直すときに、業者に相談してみてください。
部品が固くて外れません
汚れが固まって、接着したような状態になっています。無理に回すと割れるので、湯をかけてふやかしてから試してください。それでも駄目なら、その状態のまま洗剤で洗うだけにとどめてください。
賃貸ですが自分で掃除してよいですか
掃除は入居者が行う範囲です。むしろ、怠って詰まらせた場合、費用を求められることがあります。ただし、床下の管の詰まりや、設備の破損は管理会社に連絡してください。
どれくらいの頻度でやりますか
半年に一度を目安にしてください。家族の人数が多い、髪の長い人がいる場合は、もっと早くたまります。においや流れの遅さを感じたら、その時点でやってください。
まとめ
洗濯機まわりのにおいは、多くが床の排水口から来ています。ここは分解して洗える構造なので、半年に一度は掃除してください。部品を外す順番を写真に撮り、洗って、戻す。そして、最後に水を注いで、水をためる部分を満たすことを忘れないでください。ここを飛ばすと、掃除してもにおいが残ります。排水が遅いと感じたら、放置せず原因を取り除いてください。あふれると、被害の規模が変わります。
設置の手順は洗濯機の設置手順、排水口の詰まりは排水口が詰まったとき、においの原因は排水のにおいがするときにまとめています。