蛇口からぽたぽたと水が落ちる。この修理は、部品代が数十円から数百円で、作業は十五分ほどです。業者を呼べば数千円から一万円かかりますから、自分でできれば差は大きいものです。ただし、最初にやることが一つあります。止水栓を閉めることです。これを忘れて分解すると、水が噴き出して床が水浸しになります。この記事では、水漏れの場所から原因を絞り、部品を選び、交換するまでの手順を書きます。
この記事でわかること
- 漏れる場所から原因を特定する方法
- 止水栓の位置と閉め方
- 部品の選び方と買い方
- 自分で直せない場合の見きわめ
まず止水栓を閉める
作業に入る前に、必ずこれをやってください。
台所なら、シンクの下の扉を開けたところにあります。洗面所なら、洗面台の下です。銀色の部品から管が伸びていて、ハンドルかマイナスの溝が付いています。
時計回りに回すと閉まります。ハンドルがなく、溝だけの場合はマイナスドライバーを使ってください。固くて回らないときは、無理をせず、次に説明する家全体の元栓を閉める方法に切り替えます。
閉めたら、蛇口をひねって水が出ないことを確認してください。少しでも出るなら、閉まりきっていません。
そして、閉めるときに何回転させたかを覚えておいてください。作業が終わって開けるとき、同じだけ戻せば元の水量に近づきます。
家全体の元栓
止水栓が回らない、あるいは見つからない場合は、家全体の元栓を閉めます。
戸建てなら、敷地内の地面に水道メーターの箱があります。蓋を開けると、メーターの横にハンドルかレバーがあります。これを閉めると、家全体の水が止まります。
集合住宅なら、玄関の外にあるパイプスペースの扉の中です。メーターと一緒に、そのお宅の元栓が入っています。
元栓を閉めると、トイレも風呂も使えなくなります。作業の前に家族に伝えておいてください。
場所は、水漏れが起きたときにも必要になります。平時に一度、開けて確認しておくことをおすすめします。
漏れる場所で原因が分かれる
どこから漏れているかを、よく見てください。原因と部品が変わります。
吐水口の先からぽたぽた落ちるなら、水を止める部分の部品が傷んでいます。ハンドル式ならコマと呼ばれる部品、レバー式なら内部の部品です。
ハンドルの根元からにじむなら、その部分のパッキンです。ハンドルを回すたびに動く場所なので、擦れて傷みます。
蛇口の根元、台に接している部分から漏れるなら、取り付け部分のパッキンです。
首振りの部分から漏れるなら、そこのパッキンです。回して使う部分なので、ここも傷みやすい場所です。
シンクの下で管から漏れているなら、接続部のゆるみか、管そのものの劣化です。ここは蛇口とは別の問題になります。
ハンドル式の交換手順
青と赤のハンドルが付いた、昔からある形式です。作業が最も簡単です。
- 止水栓を閉め、蛇口を開けて水が出ないことを確かめる
- ハンドルの上のカバーを外す。ねじで留まっているものと、はめ込みのものがある
- ねじを外して、ハンドルを引き抜く
- ナットをモンキーレンチで緩め、内部の部品を取り出す
- 中にあるコマとパッキンを新しいものに替える
- 逆の順に組み直し、止水栓を開けて漏れがないか確認する
取り出した部品は、捨てずに取っておいてください。新しいものを買うときの見本になります。写真を撮っておくのも有効です。
組み直すとき、締めすぎないでください。強く締めるとハンドルが重くなり、パッキンも早く傷みます。手ごたえが出たところから、少し締める程度です。
レバー式は構造が違う
一本のレバーを上下左右に動かす形式は、内部に一体の部品が入っています。
この部品は、パッキンのように数十円では買えません。数千円する部品で、メーカーと型番が合わないと使えません。
交換そのものは可能ですが、まず型番を調べる必要があります。蛇口の本体や、ハンドルの裏側にシールが貼られています。それでわからなければ、メーカーに問い合わせるか、写真を持って販売店で相談してください。
部品代が数千円かかるなら、蛇口ごと交換するという選択肢も出てきます。本体が十年を超えているなら、そちらを検討してください。
部品の選び方
パッキン類は、ホームセンターの水まわりの売り場にあります。
寸法で選びます。外した部品を持っていって、同じ大きさのものを探すのが確実です。売り場に、実物と照合する台が置いてある店もあります。
よく使われる寸法は限られているので、いくつか入った詰め合わせを買っておくのも手です。数百円で、次の機会にも使えます。
ゴムの材質にも種類があります。お湯が通る場所には、耐熱の製品を選んでください。売り場の表示を確認します。
コマと呼ばれる部品には、水の出方を調整するものや、節水の機能が付いたものもあります。基本は、同じ形のものに替えてください。
必要な道具
揃えるものは多くありません。
モンキーレンチが一本あれば、たいていの作業ができます。開き幅を調整できるので、いろいろな大きさのナットに対応します。
プラスドライバーとマイナスドライバーも要ります。カバーの取り外しや、止水栓の操作に使います。
ピンセットか、先の細いペンチがあると、古いパッキンを取り出すときに便利です。指では取れないことがあります。
そして、バケツと雑巾。管の中に残った水が出るので、受けるものが必要です。
組み直した後の確認
止水栓を開けるとき、いきなり全開にしないでください。
少しずつ開けて、漏れがないか確認しながら進めます。問題があれば、すぐ閉め直せます。
漏れがなければ、蛇口を何度か開け閉めしてください。使っているうちに漏れ始めることがあります。数分置いて、もう一度確認します。
その日のうちに、もう一度見に行ってください。乾いた雑巾を下に敷いておけば、わずかな漏れも見つかります。
直らない場合は、別の場所が原因か、部品が合っていません。何度も分解を繰り返すより、業者に相談してください。
自分でやらないほうがよい場合
すべての水漏れを自分で直せるわけではありません。
壁の中から漏れている、床が濡れている、下の階に漏れているといった状況では、すぐ業者を呼んでください。原因が見えない場所にあります。
給湯器につながる部分や、湯の配管も、自分で触らないほうが安全です。熱い湯が出る危険があります。
そして、水道の本管につながる部分の工事には、指定を受けた事業者でなければ行えない範囲があります。蛇口のパッキン交換は該当しませんが、配管を切ったりつないだりする作業は別です。
賃貸なら、まず管理会社に連絡してください。設備の不具合として、貸主の負担で修理してもらえることが多いはずです。自分で直して、かえって責任を負う形になるのは避けたいところです。
放置するとどうなるか
ぽたぽた程度なら、と後回しにされがちですが、実害があります。
まず、水道代です。一秒に一滴でも、一日に数リットル、一か月では相当な量になります。数百円の部品を惜しんで、それ以上の水道代を払うことになります。
次に、水垢とかびです。常に濡れている場所には、水垢がこびりつき、かびが生えます。落とすのに手間がかかります。
そして、漏れが広がる可能性です。パッキンの劣化は進行します。ある日、ぽたぽたが流れ続ける状態に変わることがあります。
気づいた週末に直してください。十五分の作業です。
蛇口の形式を見分ける
作業の内容は、蛇口の形式で変わります。まず、どれに当たるかを見てください。
青と赤のハンドルが別々に付いているものは、昔からある形式です。部品が単純で、パッキンも安く手に入ります。修理が最もしやすい種類です。
一本のレバーで水量と温度を調節するものは、内部に一体の部品が入っています。修理は可能ですが、部品代が上がります。
温度を数字で設定できる浴室の水栓は、さらに構造が複雑です。内部に温度を調節する部品が入っており、自分で触るのは難しい部類です。
センサーで水が出る形式は、電気の部品が入っています。電池切れや故障が原因のこともあるので、まず電池を確認してください。
作業する前の準備
取りかかる前に、いくつか整えておくと作業が楽になります。
シンクの下で作業するなら、中のものを全部出してください。狭い場所で体をひねるので、障害物があると危険です。
手元を照らす明かりを用意してください。台の下は暗く、細かい部品が見えません。頭に付ける形式のものがあると、両手が使えます。
タオルを敷いておくと、外した部品が転がって排水口に落ちるのを防げます。小さな部品を落とすと、探すのに時間がかかります。
そして、作業の前に写真を撮ってください。組み直すときに、どこに何が付いていたかがわかります。
水道代から漏れに気づく
見えない場所の漏れは、使用量の変化で気づけます。
検針票に、前の月や前年の同じ月との比較が載っています。急に増えているなら、どこかで漏れている可能性があります。
確かめる方法があります。家じゅうの蛇口を閉め、水を使う機器も止めた状態で、水道メーターを見てください。中にある小さな部品が回っていれば、どこかで水が流れています。
この状態で回っているなら、目に見えない場所での漏れです。床下や壁の中の可能性があるので、水道局か業者に相談してください。
自治体によっては、漏水が原因の水道代を減額する制度があります。修理した記録を添えて申請できるので、確認してみてください。
交換の時期を早める条件
パッキンの寿命は、使い方で変わります。
ハンドルを強く締める癖があると、早く傷みます。水が止まればそれ以上は不要です。力任せに締めるほど、ゴムがつぶれていきます。
湯を通す側も、傷みが早くなります。熱でゴムが硬くなるためです。水側より先に漏れ始めるのは、この理由です。
使う回数も関係します。台所の蛇口は一日に何十回も開け閉めするので、洗面所より早く来ます。
他の場所の水漏れ
蛇口以外にも、家庭で直せる水漏れがあります。
洗濯機のホースの接続部は、ゴムのパッキンが入っています。ここが傷むと、洗濯のたびに漏れます。部品は数百円で、交換も簡単です。
トイレのタンクからの漏れは、内部の部品の劣化です。水が止まらない、便器に常に水が流れているといった症状が出ます。部品の交換で直りますが、型番を調べる必要があります。
屋外の散水の栓も、同じ構造です。冬に凍って割れることがあるので、寒い地域では水を抜いておいてください。
よくある質問
止水栓が固くて回りません
長年動かしていないと、固着します。無理に力をかけると、部品が折れて大きな水漏れになります。家全体の元栓を閉めてから作業するか、業者に相談してください。
部品を替えても漏れが止まりません
部品が合っていないか、別の場所が原因です。蛇口の内部が摩耗していると、パッキンを替えても止まりません。本体の交換を検討する段階です。
蛇口ごと替えるといくらかかりますか
本体が一万円台から、工事費が一万円前後です。自分で交換できる形式もありますが、取り付け方によって難度が変わります。十年を超えた蛇口なら、他の部分も傷んでいるので、本体の交換が合理的な場合があります。
どれくらいの頻度で交換が必要ですか
パッキンの寿命は、使う頻度によりますが五年から十年が目安です。よく使う台所の蛇口ほど早く傷みます。漏れ始めたら交換の時期だと考えてください。
屋外の蛇口も同じ方法で直せますか
同じ構造なので、直せます。ハンドル式が多く、部品も手に入りやすいはずです。ただし、屋外の蛇口には止水栓がないことが多いので、家全体の元栓を閉めてから作業してください。
作業中に水が出てしまいました
止水栓が閉まりきっていません。慌てず、家全体の元栓を閉めてください。場所を確認していないと、この場面で困ります。作業の前に一度見ておく理由が、ここにあります。
まとめ
蛇口の水漏れは、多くの場合パッキンの交換で直ります。部品代は数百円、作業は十五分です。ただし、始める前に必ず止水栓を閉めてください。閉め忘れて分解すると、水が噴き出します。漏れている場所によって原因が変わるので、よく観察してから分解してください。外した部品は捨てずに、買うときの見本にします。そして、壁の中や床下からの漏れは自分で直せません。すぐ業者に相談してください。
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