水道管の凍結対策|破裂させないための道具と、凍ったときの解かし方

目次

冬が来る前に知っておきたいこと

  • 凍りやすいのは、外に出ている配管、北側や日陰の配管、風の当たる配管です。
  • 対策の基本は、保温材で覆うことと、冷え込む夜に水を少し出しておくことです。
  • 凍ったときに熱湯をかけないでください。管や蛇口が割れます。
  • 破裂したら、まず水道メーターのそばの止水栓を閉めて、修理を依頼します。

水道管は、なぜ破裂するのか

水は凍ると、体積がおよそ1割増えます。

管の中で水が凍ると、ふくらもうとする力に逃げ場がありません。その力が、管や継ぎ目、蛇口の内部を内側から押し広げます。これが破裂です。

やっかいなのは、凍っている間は水が出ないだけで、漏れに気づかないことです。朝になって気温が上がり、氷が解けた瞬間に、割れた部分から水が噴き出します。出かけている間に解ければ、帰宅するまで水が出続けることになります。

だから凍結対策は、水が出なくなる不便を防ぐためだけでなく、家を水浸しにしないための備えです。

凍りやすい条件と場所

多くの水道局が、最低気温がマイナス4℃程度を下回るような日には凍結に注意するよう呼びかけています。ただし、気温だけで決まるわけではありません。

凍りやすい場所理由
屋外に出ている配管外気に直接さらされます
屋外の蛇口(立水栓)細い管の中の水が少なく、冷えやすい
北側、日陰の配管日中も気温が上がりません
風の当たる場所風は、管の熱を奪います
給湯器まわりの配管屋外に置かれ、配管がむき出しになっていることが多い
水道メーターのボックス地面に近く、ふたのすき間から冷えます

そして、ふだん凍らない地域ほど、備えがなくて被害が出やすいという面があります。雪国の住宅は、もともと凍結を前提に作られています。一方、年に数回しか冷え込まない地域では、配管がむき出しのまま、という家が少なくありません。

寒波の予報が出たら、この表の場所を一度見て回ってください。

とくによく晴れて風の弱い夜は要注意です。地面の熱が空へ逃げやすく、明け方にかけて大きく冷え込みます。対策は夕方の明るいうちに済ませておくと、暗く寒い中で配管を探し回らずに済みます。

用意する道具

道具用途優先度
筒状の保温材むき出しの配管を覆う高い
保温用のテープ保温材を巻いて固定し、雨水を防ぐ高い
はさみ、カッター保温材を長さに合わせて切る高い
古い布、ビニール袋保温材がないときの応急の覆い
発泡スチロールの板や、布を詰めた袋水道メーターのボックスの保温
凍結防止用のヒーターとくに冷え込む地域の配管に地域による
懐中電灯夜にメーターボックスや配管を見る高い

保温材とテープは、ホームセンターの水まわりの売り場にあります。配管の太さに合わせたものを選ぶので、買いに行く前に、管の太さを測っておいてください。

保温材の巻き方

  1. 配管の汚れや水気を拭く。濡れたまま覆うと、中で冷えます
  2. 保温材を配管の長さに合わせて切る。
  3. 切れ目から配管にかぶせる。曲がり角や継ぎ目は、すき間ができないよう切り方を工夫します
  4. 保温用のテープを、下から上へ重ねて巻く。瓦のように重ねると、雨水が入り込みにくくなります
  5. 蛇口の根元など、覆いきれない部分も布とビニールで包む。

いちばん大事なのは、すき間を残さないことです。保温材を巻いても、継ぎ目や曲がり角が露出していれば、そこから凍ります。凍るのは、たいてい覆われていない数センチです。

布を巻くなら、濡らさない工夫を

保温材がないとき、古いタオルなどを巻く方法もあります。寒波が急に来て、買いに行く時間がないときの応急の手段です。

ただし、布が雨や雪で濡れると、かえって冷えます。濡れた布は、水そのものが凍って配管を冷やすからです。布を巻いたら、その上をビニールで覆い、テープで留めてください。

水道メーターのボックス

地面に埋まっている水道メーターのボックスの中にも、管が通っています。ふたを開けると、メーターの左右に管がつながっているのが見えます。

ボックスの中に、発泡スチロールの板や、布を詰めたビニール袋を入れて、すき間を埋めておく方法が、多くの水道局で案内されています。検針のときに取り出しやすいよう、ボックスいっぱいに固く詰めすぎないようにしてください。

冷え込む夜は、水を少し出しておく

保温材で覆えない場所や、特に冷え込む夜には、蛇口から水を少し出し続ける方法があります。

水が流れていると、管の中の水が入れ替わり続けるので、凍りにくくなります。出す量の目安は、鉛筆の芯くらいの細さと案内されることが多いようです。

出した水は、浴槽やバケツにためておけば無駄になりません。翌朝、掃除や洗濯に使えます。万一、翌朝に凍っていても、ためた水が使えます。

ひと晩出し続ければ水道代はかかります。ですが、破裂したときの修理代や、水浸しになった床の被害に比べれば、ずっと小さな出費です。ためた水は、翌朝トイレを流すのにも使えます。

凍結防止用のヒーター

冷え込みの厳しい地域では、配管に巻き付けて温める凍結防止用のヒーターが使われています。

便利な道具ですが、電気で熱を出すものなので、扱いに注意が要ります。

  • 説明書に書かれた巻き方を守る。重ねて巻かないよう指示されている製品が多くあります。重なった部分が過熱するためです
  • 古くなったものは、被覆のひび割れを確かめる。長年使ったヒーターは劣化しています
  • コンセントまわりに、水やほこりがたまらないようにする。
  • 配線を直接つなぐ種類は、取り付けに電気工事士の資格が必要です。

最後の点については、電気工事は資格なしでどこまで?で線引きを整理しました。コンセントに差し込むだけの製品なら、資格は要りません。

給湯器には、本体に凍結を防ぐ仕組みが入っていることがあります。冬の間は、給湯器の電源プラグを抜かないでください。その仕組みが働かなくなります。この点は、給湯器の交換は自分でできる?でも触れています。

水道管のほかに、凍りやすいもの

凍結の対策というと、壁や地面から出ている配管に目が行きます。ですが、冬の朝に困るのは、配管そのものよりその先につながっている物であることも少なくありません。

凍りやすい物起きること冬の前にやること
屋外の蛇口につないだホース中に残った水が凍り、ホースや蛇口の先が割れます蛇口から外し、中の水を抜いてしまいます
ベランダや屋外に置いた洗濯機給水ホースと本体の中の水が凍り、朝に使えなくなります冷え込む夜の前に、取扱説明書の手順で水を抜きます
散水用の機器やタイマー内部に残った水で部品が割れます取り外して屋内にしまいます
水の入ったバケツやじょうろ凍ってふくらみ、容器が割れます空にして、伏せて置きます
暖房のない部屋の水まわりふだん使わない洗面所や離れの配管が凍ります寒波の夜は、扉を開けて室内の暖気を回します

とくに屋外の蛇口とホースは、夏に使ったまま、つなぎっぱなしになっていることが多い場所です。ホースが割れるだけならまだしも、蛇口の先の部品まで割れると、蛇口ごと交換が必要になることがあります。

ベランダの洗濯機は、朝いちばんに使おうとして、水が出ないことで初めて気づくことが多いものです。凍った状態で運転ボタンを押し続けると、故障の原因になります。水が出ないときは、無理に動かさず、日が当たって解けるのを待ってください。

凍ってしまったら

凍った配管や蛇口に、熱湯をかけないでください。冷え切った管や蛇口に急に熱い湯をかけると、温度差で割れることがあります。凍っていた部分に、もともと小さなひびが入っていれば、そこから一気に広がります。解かそうとしてかけた熱湯が、破裂の原因になるのです。時間はかかっても、ゆっくり解かすことが、結局はいちばん安く済みます。

解かし方は、次の順で考えてください。

  1. 蛇口を少し開けておく。解けたときに水が出るので、分かります
  2. 日が当たって自然に解けるのを待つ。急ぎでなければ、これが最も安全です
  3. 急ぐなら、凍った部分にタオルを巻き、その上からぬるま湯をゆっくりかける。
  4. ドライヤーの温風を、離れた位置から当てる方法もあります。水のかかる場所では使わないでください

4番のドライヤーは、感電と過熱に注意してください。屋外や、足元が濡れた場所で使うのは危険です。一か所に近づけすぎると、樹脂の部品が傷みます。

ぬるま湯やドライヤーで解けないとき、どこが凍っているのか分からないときは、無理に続けず、水道局や工事店に相談してください。

破裂してしまったら

水が噴き出していたら、慌てずに、次の順で動いてください。

  1. 止水栓を閉める。水道メーターのボックスの中にある、元の栓です。多くは右(時計回り)に回すと閉まります
  2. 水が止まったことを確かめる。
  3. 割れた部分に、布を巻いてテープで押さえる。応急の処置です
  4. 修理を依頼する。

1番の止水栓は、いざというときに初めて探すと、見つからないものです。そして、長年回していない栓は固くなっています。冬が来る前に、場所と回し方を一度確かめておいてください。手で回せない栓には、ハンドルの代わりになる工具が要ることがあります。ペンチ・ニッパー・プライヤーの違いで書いたウォーターポンププライヤーなどが使えますが、強くつかみすぎて栓を傷めないようにしてください。

修理はどこに頼むか

破裂した配管の修理は、水道局が指定した工事事業者に依頼します。水道の配管に手を加える工事は、誰でもできるわけではありません。自分で手を出してよい範囲は、水道工事は自分でできる?で確かめてください。

寒波の直後は、修理の依頼が集中して、すぐには来てもらえないことがあります。破裂を防ぐ備えが、いちばんの対策だというのは、このためでもあります。

賃貸住宅なら、まず管理会社や貸主に連絡してください。自分で業者を手配すると、費用の負担でもめることがあります。賃貸での対応の考え方は賃貸でできるDIYの範囲にまとめています。

長く家を空けるとき

冬の旅行や帰省で何日も家を空けると、水を出しておく対策が使えません。

  • 寒冷地の住宅なら、水抜きの設備を使う。水抜き栓の場所と手順は、住宅によって違います。取扱説明書や管理会社の案内を確かめてください
  • 保温材の状態を、出かける前に見直す。
  • 給湯器の電源は入れたままにする。
  • 留守中に破裂したときのために、止水栓の場所を家族と共有しておく。

水抜きをしたあとは、戻ったときに決められた手順で水を通し直す必要があります。手順を誤ると、空気が入って水が勢いよく噴き出すことがあります。慣れていないうちは、案内を手元に置いて作業してください。

冬の前に聞かれること

Q. マンションでも凍りますか

A. 室内の配管は凍りにくいですが、油断はできません。

廊下側のメーターボックスや、北向きの外廊下に面した配管は、冷え込みで凍ることがあります。建物全体の配管は管理組合や管理会社の管理なので、気になる点があれば相談してください。住戸の中の配管は住んでいる人の管理になっていることが多いので、管理規約もあわせて確かめてください。

Q. 保温材は、一度巻けばずっと使えますか

A. 屋外のものは、年数とともに傷みます。

日光でテープがはがれたり、保温材がぼろぼろになったりしていれば、中まで冷気が入ります。毎年、冬の前に見て回り、傷んだ部分だけでも巻き直してください。

Q. 凍って水が出ないとき、ほかの蛇口は使えますか

A. 凍っている場所によります。

家の中の一か所だけ出ないなら、その蛇口につながる管が凍っている可能性が高いです。家じゅうで出ないなら、メーターのあたりや、屋外の配管が凍っているかもしれません。どこが出て、どこが出ないかを確かめると、凍っている場所の見当がつきます。

冬の前にやること

  • 屋外に出ている配管を見て回り、すき間なく保温する。
  • 水道メーターのボックスの中も保温する。
  • 止水栓の場所と、回せるかを確かめる。
  • 冷え込む夜は水を少し出して、浴槽にためる
  • 凍ったら熱湯は使わず、ゆっくり解かす
  • 破裂したら止水栓を閉めて、指定の工事事業者へ

凍結の備えは、寒くなってから始めると、材料が売り切れていたり、手がかじかんで作業しにくかったりします。

保温材を巻く作業そのものは、慣れれば難しいものではありません。まだ暖かいうちに、配管を一周見て回る。それだけで、冬の朝に水浸しの床を見ずに済む可能性が、ぐっと上がります。

冬支度でほかに何をしておくかは、冬支度でやること一覧にまとめました。家と車と庭の作業を、月ごとの目安とあわせて並べています。

水まわりで起きるほかの困りごとと、自分で手を出してよい範囲は、家の水まわりトラブル対処まとめで一覧にしました。

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この記事を書いた人

工具逆引き堂の運営者。乙種第4類危険物取扱者(令和3年8月取得)、第二種高圧ガス販売主任者(令和8年5月取得)。ガソリン・灯油などの燃料やカセットボンベの扱いを中心に、作業ごとに必要な工具と、法令・安全上の注意点を整理しています。資格の詳細と記事の守備範囲は運営者情報をご覧ください。

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