給湯器のリモコンに数字が出て、湯が出なくなった。この場面で、まず知っておいてほしいことがあります。表示される番号には意味があり、取扱説明書に一覧が載っています。そして、自分で対処できるものと、業者を呼ぶしかないものがはっきり分かれます。ガス栓が閉まっている、水道が止まっている、凍結している。こうした原因なら、数分で解決します。一方、燃焼や排気に関わる異常は、触ってはいけない領域です。この記事では、その切り分け方を書きます。
この記事でわかること
- 表示が出たときに最初にやること
- 自分で確認できる四つの原因
- 触ってはいけない異常の見分け方
- 寿命と買い替えの判断
まず番号を控える
表示された番号は、紙に書くか写真に撮っておいてください。リセットすると消えてしまい、後で業者に伝えられなくなります。
番号の意味は、取扱説明書に一覧で載っています。説明書が見当たらなければ、メーカーのサイトで型番から探せます。型番は、給湯器の本体に貼られたシールに記載があります。
本体の設置年も、同じシールで確認できます。後で寿命を判断する材料になるので、あわせて控えておいてください。
説明書が見つからず、サイトでも探せない場合は、メーカーの相談窓口に電話してください。型番と番号を伝えれば、その場で意味を教えてもらえます。
リセットを試す
一時的な不具合なら、リセットで復帰します。
リモコンの運転のスイッチを切り、数十秒置いてから入れ直します。これで表示が消え、使えるようになることがあります。
それで駄目なら、給湯器の電源のプラグを抜いて、一分ほど待ってから差し直す方法があります。屋外に設置されている機種では、プラグが本体の近くにあります。
ただし、リセットして直ったからといって、安心してよいとは限りません。同じ表示が繰り返し出るなら、原因は残っています。何度もリセットして使い続けるのは、避けてください。
特に、燃焼や排気に関わる異常では、リセットを繰り返すことが危険につながります。
ガスが止まっていないか
自分で確認できる原因の一つめです。
給湯器へつながるガス栓が閉まっていないか、見てください。掃除や工事のときに閉めて、そのままになっていることがあります。
他のガス機器が使えるかも確かめてください。こんろが点くなら、ガスは来ています。こんろも点かないなら、ガス全体が止まっています。
地震の後なら、ガスメーターが自動で遮断していることがあります。メーターの表示を見て、復帰の操作をしてください。手順はメーターに書かれています。操作の後、数分待つ必要があります。
容器で供給を受けている住宅では、ガスが切れている可能性もあります。この場合は、販売店に連絡してください。
水が来ているか
二つめが、給水の側です。
水道の水が出るかを確認してください。断水していれば、当然ながら湯も出ません。
給湯器へつながる止水栓が閉まっていないかも見てください。本体の下に付いています。
水は出るのに湯が出ない場合、給湯器の中にあるフィルターが詰まっていることがあります。ここは自分で掃除できる機種もあるので、説明書を確認してください。
水量が少ないと、給湯器が作動しないこともあります。蛇口を大きく開けてみてください。
凍結していないか
三つめが、冬に多い原因です。
気温が氷点下になった朝に湯が出ないなら、配管が凍っています。この場合、気温が上がれば自然に解けます。
急ぐなら、タオルを巻いてぬるま湯をかける方法があります。熱湯は使わないでください。急な温度差で、配管が割れます。
解けた後、水漏れがないか確認してください。凍って膨張した水が、配管を割っていることがあります。
予防としては、冷え込む夜に少量の水を流し続ける方法があります。給湯器に凍結を防ぐ機能が付いている機種では、電源を切らないでください。プラグを抜くと、この機能が働きません。
排気の経路をふさいでいないか
四つめが、見落とされやすい原因です。
給湯器は、燃焼のために空気を吸い、排気を出します。この経路がふさがれると、安全のために停止します。
本体の前に物を置いていないか、確認してください。自転車、植木鉢、物置の箱。屋外に設置されている機種では、こうしたものが置かれがちです。
排気口に、鳥の巣や落ち葉が詰まることもあります。虫が入ることもあります。外から見える範囲で、確認してください。
雪が積もって、給湯器を埋めている場合もあります。この状態での運転は危険なので、雪をどけてください。
触ってはいけない異常
ここからは、自分で対処してはいけない領域です。
ガスのにおいがする場合、すぐに使用をやめてください。窓を開け、火を使わず、電気のスイッチにも触れないでください。スイッチの火花が引火します。ガス会社の緊急の窓口に連絡してください。
本体から煙が出ている、異音がする、焦げたにおいがする。こうした状態も、直ちに停止してください。電源を抜き、ガス栓を閉めます。
排気の異常を示す表示が出た場合も同じです。不完全燃焼が起きている可能性があります。一酸化炭素は無色無臭で、気づいたときには動けなくなります。
本体のカバーを開けることは、絶対に避けてください。内部にはガスの配管と電気の回路があります。資格のない者が触れる場所ではありません。
湯の温度が安定しない場合
表示は出ていないが、調子が悪いという相談もあります。
台所と浴室で同時に湯を使うと、温度が下がります。これは給湯の能力を超えているためで、故障ではありません。同時に使わないようにすれば解決します。
誰も使っていないのに温度が変わるなら、機器側の問題です。設定した温度と実際の温度が大きく違う場合も同じです。
湯が出るまでに時間がかかるようになった、湯の量が減った。こうした変化も、劣化の兆候です。
水栓側の問題という可能性もあります。浴室の水栓が古い場合、そちらの部品が傷んでいることがあります。他の場所の蛇口で確認すると、切り分けられます。
追いだきの経路
浴槽の湯を沸かし直す機能がある場合、別の系統があります。
浴槽の湯を吸い込んで温め、戻す構造です。この経路には、皮脂や入浴剤の成分がたまります。
詰まりが進むと、追いだきができなくなります。専用の洗浄剤で、定期的に掃除してください。半年に一度が目安です。
浴槽の吸い込み口のカバーも、外して洗ってください。髪の毛がたまります。
入浴剤には、追いだきに使えないものがあります。にごりや、硫黄を含む種類は、機器を傷めることがあります。製品の表示を確認してください。
寿命と買い替え
給湯器には、設計上の標準使用期間が定められています。おおむね十年です。
この年数を超えた機器で不具合が出た場合、修理より交換を検討する段階です。一か所を直しても、他の部分が同じだけ経年しています。
部品の保有期間という問題もあります。製造を終えてから一定の年数が過ぎると、修理用の部品がなくなります。修理を頼んでも、部品がないと言われることがあります。
交換の費用は、機器と工事で十万円台から二十万円台が目安です。号数や機能によって変わります。
そして、給湯器は壊れてから交換すると、湯が使えない日が発生します。冬に止まると生活に大きく響きます。十年を超えたら、壊れる前に計画を立ててください。
交換のときに考えること
買い替えるときの選び方も書いておきます。
号数という数字が、能力を表します。一分間に、水温より二十五度高い湯を何リットル作れるかという意味です。家族の人数と、同時に使う場所の数で決めます。
今と同じ号数を選べば、使い勝手は変わりません。家族が増えた、同時に使う場面が増えたなら、上げるという選択もあります。
追いだきの機能が要るかどうかも、判断の分かれ目です。使っていないなら、湯を足す方式の機器で足ります。価格が下がります。
設置の場所と形式は、原則として今と同じものを選びます。屋外の壁に付ける形式、床に置く形式、屋内に設置する形式。それぞれ工事の内容が変わります。
業者の選び方
修理も交換も、資格を持つ業者の作業になります。
ガスの設備を扱うには、資格と登録が必要です。契約しているガス会社、購入した店、地域の設備業者が候補になります。
緊急で湯が使えない状況では、業者を選ぶ余裕がありません。だから、平時に連絡先を調べておくことをおすすめします。ガス会社の緊急の窓口は、必ず控えておいてください。
交換の見積もりは、複数から取ってください。同じ機器でも、工事費に差が出ます。ただし、極端に安い見積もりには理由があるので、内訳を確認してください。
保証の内容も比べてください。機器の保証と、工事の保証は別です。
賃貸の場合
借りている住まいでは、給湯器は建物の設備です。
故障したら、管理会社か大家さんに連絡してください。修理も交換も、貸主の負担になることが一般的です。
自分で業者を呼んで修理すると、費用を負担することになりかねません。まず連絡が先です。
湯が使えない期間が長引く場合は、その旨を伝えてください。生活に支障が出る設備なので、優先して対応されるべきものです。
ただし、凍結による不具合は、入居者の管理の問題とされることがあります。冬の対策は、自分で行ってください。
日常の点検でできること
不具合が出てから慌てないために、普段からできる確認を挙げておきます。どれも数分で終わる内容です。
まず、給湯器の周囲を片づけておくことです。前に物を置かない、上に物を載せない。これだけで、排気に関わる停止を避けられます。屋外に置く物が増えがちな家ほど、意識してほしい点です。
次に、本体の外観を見る習慣です。さびが広がっていないか、塗装が浮いていないか、配管の保温材が破れていないか。保温材が破れていると、冬に凍りやすくなります。ホームセンターで売っている補修用の材料で、自分で巻き直せます。
運転中の音も、判断の材料になります。着火のときの音、燃焼中の音。いつもと違う音がするようになったら、変化が起きています。すぐ壊れるわけではありませんが、頭に入れておいてください。
そして、排気が出る方向に、洗濯物を干していないか確認してください。熱と水蒸気が当たります。植木を置いている場合も、枯れる原因になります。
リモコンの表示が薄くなった、反応が鈍くなったという変化もあります。これはリモコン側の劣化で、本体とは別の部品です。交換で直ることがあります。
停止したときの生活の備え
湯が使えない日をどう乗り切るかも、考えておく価値があります。
修理や交換の手配には、早くても数日かかります。冬の繁忙期なら、もっと待つこともあります。その間の入浴をどうするか、近くの公衆浴場を調べておくと落ち着いて対応できます。
台所では、水で洗えない油汚れが問題になります。やかんで湯を沸かして使う方法で、しのげます。
この不便さを知っておくと、十年を超えた機器を先に交換しておく判断がしやすくなります。壊れてからでは、選ぶ余裕も比べる余裕もありません。
よくある質問
リセットすれば使えますが、また出ます
原因が残っています。繰り返し出る表示は、故障の予兆です。特に燃焼に関わるものなら、使い続けるのは危険です。番号を控えて、業者に連絡してください。
お湯が急に水になります
他の場所で湯を使っていないか確認してください。同時使用なら能力の問題です。誰も使っていないのに起きるなら、機器か水栓の不具合です。冬に多い場合は、水温が低くて能力が足りていない可能性もあります。
本体から水が垂れています
燃焼で生じた水が出ている場合があり、機種によっては正常です。ただし、量が多い、常に垂れているなら漏れです。凍結で配管が割れた可能性もあります。業者に見てもらってください。
十年を超えていますが問題なく使えています
使えているなら、すぐ交換する必要はありません。ただし、いつ止まってもおかしくない時期です。冬の前に、業者に点検を頼んでおくと安心です。交換の見積もりを取っておけば、故障したときにすぐ動けます。
まとめ
給湯器に表示が出たら、まず番号を控えてください。リセットすると消えます。そのうえで、ガス栓、給水、凍結、排気の四つを確認してください。自分で解決できるのは、この範囲です。ガスのにおい、煙、異音、焦げたにおい。こうした状態なら、直ちに停止して業者に連絡してください。本体のカバーを開けることは絶対に避けてください。そして、設置から十年を超えているなら、壊れる前に交換の計画を立ててください。
交換の判断は給湯器の交換は自分でできる?、凍結の対策は水道管の凍結対策、ガス工事の資格はガス工事は自分でできる?にまとめています。