この記事の要点
- バイクのバッテリーが上がったら、まず原因を切り分けます。 一時的な放電なのか、寿命なのかで、対処が変わります。
- 復活の方法は、充電器で充電するか、ジャンプスターターを使うかのどちらかです。車からのジャンプは、車種によって勧められません。
- 充電器は、バイク用で、全自動のものを選びます。リチウム式のバッテリーは、専用の充電器が必要な場合があります。
- 何度も上がる、膨らんでいる、液が漏れている場合は、交換の合図です。
バッテリーが上がった合図
バイクのバッテリーが弱ってくると、次のような症状が出ます。
- セルスターターを押しても、回る力が弱い。
- 「カチカチ」という音だけがして、エンジンがかからない。
- ライトが暗い、または、点かない。
- メーターが、まったく点灯しない。
いずれも、バッテリーの電気が足りないときの症状です。ただし、セルが元気に回るのに、エンジンがかからない場合は、燃料や点火系の不具合も考えられます。バッテリーとは別の原因です。
上がる原因
バッテリーが上がる原因は、おもに次の5つです。
- 長期間乗っていない。 バイクは、乗らなくても、少しずつ放電します。
- 短い距離の走行ばかり。 発電が追いつかず、充電が不足します。
- 寿命が来ている。 使用年数が長いと、蓄えられる電気が減ります。
- 電装品の追加。 ドライブレコーダーやUSB電源など、消費電力が増えます。
- ライトやキーのつけっぱなし。
特に、冬は注意が必要です。気温が下がると、バッテリーの性能も落ちます。長く乗らない季節の前に、状態を確認しておいてください。
車のバッテリーが上がる原因は、バッテリーがすぐ上がる原因で説明しています。
先に確認すること
復活を試す前に、次のことを確認します。
- キーが、ONになっているか。
- ニュートラルになっているか。または、クラッチを握っているか。
- キルスイッチが、走行の位置になっているか。
- サイドスタンドが、上がっているか。
- 燃料が、入っているか。
バイクには、安全のために、条件を満たさないとエンジンがかからない仕組みがあります。バッテリーとは関係なく、かからないこともあるので、先に確かめてください。
復活させる方法
方法1:充電器で充電する
いちばん確実で、安全な方法です。
- バイク用の充電器を、バッテリーにつなぎます。
- 数時間から、一晩かけて、ゆっくり充電します。
- 満充電になれば、自動で止まる全自動タイプが安心です。
方法2:ジャンプスターターを使う
充電器がなく、すぐに動かしたいときの方法です。
- 小型の、バッテリー内蔵のジャンプスターターを使います。
- バイクの排気量に合った、容量のものを選びます。
- 取扱説明書の手順に従って、つなぎます。
選び方は、ジャンプスターターの選び方と使い方で説明しています。
方法3:車からの救援(注意が必要です)
車のバッテリーとつないで、エンジンをかける方法もあります。ただし、バイクの取扱説明書やメーカーの案内で、推奨されていない場合があります。
- バイクのバッテリーは、小さく、過大な電流に弱いことがあります。
- つなぎ方を間違えると、電装品が壊れる危険があります。
車でのつなぎ方は、バッテリー上がりのつなぎ方と順番に書きました。バイクには、そのまま当てはまりません。迷ったら、バイクショップに相談してください。
押しがけについて
一部のバイクでは、押しがけでエンジンをかけられます。ただし、車種や構造によっては、できません。 また、危険を伴います。取扱説明書で可否を確認し、できないものは、試さないでください。
充電器の選び方
バイクのバッテリーは、車より小さいので、車用の大きな充電器は不向きです。
選ぶときの基準
- バイク用であること。 小さな容量に合わせた設計です。
- 12Vに対応していること。 多くのバイクが12Vです。
- 全自動タイプ。 満充電になると、自動で止まり、過充電を防ぎます。
- 補充電(維持充電)の機能。 長く乗らないときに、つなぎっぱなしにできます。
種類の確認が最も大切
バッテリーには、種類があります。
- 鉛バッテリー: 一般的な、液式や、メンテナンス不要タイプです。
- リチウム式: 軽くて高性能ですが、専用の充電器が必要な場合があります。
種類に合わない充電器を使うと、発熱や破損の原因になります。 自分のバッテリーの種類を、本体のラベルで確認してください。
充電のやり方
充電は、次の手順で進めます。
- エンジンを止め、キーを抜きます。
- バッテリーを、車体から外すか、外さずにつなぐかを決めます。
- 充電器の電源は、つなぐ前に抜いておきます。
- 充電器のプラス(赤)を、バッテリーのプラス端子につなぎます。
- 充電器のマイナス(黒)を、マイナス端子につなぎます。
- 充電器の電源を入れます。
- 充電が終わったら、電源を切ってから、クリップを外します。
バッテリーを外して充電する場合
外して充電するほうが、安全です。車体の電装品に、影響しません。ただし、外すときは、マイナス端子から外し、付けるときはプラスからです。順番を間違えると、ショートの危険があります。
車体につけたまま充電する場合
バイクによっては、外すのが大変です。つけたままでも、充電器をつなげるものがあります。ただし、取扱説明書の指示があれば従ってください。
充電するときの注意
バッテリーは、充電中に、水素ガスを出すことがあります。
- 火気を近づけない。 火花も厳禁です。
- 風通しのよい場所で行う。
- 充電中に、熱くなったり、膨らんだりしたら、すぐに中止する。
- 濡れた手で、触らない。
液式のバッテリーの場合、液の量も確認してください。側面の、上限と下限の線の間に、液面があるのが正常です。下限を下回っていたら、補充が必要ですが、補充できるのは、液式のものだけです。メンテナンス不要タイプは、補充できません。
補充する液
補充に使うのは、精製水(バッテリー補充液)です。水道水は使わないでください。ミネラルが、性能を落とします。
バッテリーの種類の見分け方
充電器やジャンプスターターを選ぶときは、まず、自分のバッテリーの種類を知る必要があります。本体のラベルに、種類が書かれています。
- 液式: 側面に、上限と下限の線があり、補充用の口があります。液の量を点検できます。
- メンテナンス不要タイプ: 液の補充ができません。多くは、密閉された構造です。
- ジェルタイプ: 液がゲル状になったものです。振動に強い特徴があります。
- リチウム式: 軽くて小型のものが多く、専用の充電器が必要な場合があります。
ラベルの型式名も、あわせて控えておくと、充電器の対応を確認するときに役立ちます。見つからなければ、バイクショップに聞いてください。
充電にかかる時間と、終わりの見分け方
充電時間は、バッテリーの容量と、どれだけ放電しているかで変わります。
- 弱った程度なら、数時間。
- 深く放電していたら、一晩以上かかることもあります。
全自動の充電器は、満充電になると、ランプの色や表示で知らせてくれます。ランプが変わるまで、つないだままにしておきます。急いで外すと、中途半端な充電になり、すぐにまた上がります。
深く放電した状態が長く続いたバッテリーは、充電しても、容量が戻らないことがあります。その場合は、交換が必要です。
長く乗らない冬の間の過ごし方
冬は、乗る機会が減り、気温も下がるので、いちばんバッテリーが弱りやすい季節です。
- 乗らない期間が1か月を超えるなら、補充電器につなぎます。
- つなげない場合は、バッテリーを外して、室内で保管します。外したあとも、数か月に1回は充電します。
- 乗る前に、エンジンをかける前の電圧を確認できると安心です。
バッテリーを外して保管するときは、プラスとマイナスの端子が、金属に触れないよう注意してください。ショートの原因になります。
端子の状態も見る
バッテリーが元気でも、端子が汚れていると、電気が通りません。
- 端子に白い粉が付いていないか。
- 端子のナットが、緩んでいないか。
汚れがあれば、掃除してください。方法は、バッテリー端子の白い粉の落とし方に書きました。車でもバイクでも、考え方は同じです。
交換する目安
次の症状があれば、バッテリーそのものの寿命です。
- 充電しても、すぐに上がる。
- 本体が、膨らんでいる。
- 液が漏れている。
- 使用年数が、数年を超えている。
バイクのバッテリーの寿命は、使い方で変わりますが、数年が目安です。乗らない期間が長いと、さらに短くなります。
交換するときは、元のバッテリーと同じ型式を選びます。端子の位置や大きさが違うと、取り付けられません。車の場合の型式の読み方は、車のバッテリー交換の手順で説明していますが、バイクでは車種の適合表を確認してください。
使い終わったバッテリーは、家庭ごみに出せません。処分については、古いバッテリーの処分方法を読んでください。
走行中のバッテリー警告について
バッテリーが上がる前に、走っている最中に、警告が出ることがあります。
- メーターの、バッテリーの警告灯が点灯する。
- ヘッドライトが、だんだん暗くなる。
- アイドリングが、不安定になる。
これらは、発電がうまくいっていない合図の可能性があります。バッテリーの寿命ではなく、発電する部品や配線に原因があることも考えられます。
そのまま走り続けると、途中で止まってしまう危険があります。安全な場所に停めて、状態を確認し、店に相談してください。
充電器をつないだまま、放置してよいか
全自動の充電器は、満充電になると、自動で切り替わります。そのため、補充電機能のあるタイプなら、つなぎっぱなしにしても、設計上は問題ありません。
- 充電器の取扱説明書で、つなぎっぱなしが認められているか確認します。
- 火災を防ぐため、燃えやすいものの近くに置かないようにします。
- 長期間つなぐなら、ときどき様子を見ます。
古い充電器や、全自動でないものは、つなぎっぱなしにしてはいけません。過充電で、バッテリーを痛めます。
電装品を足すときの考え方
ドライブレコーダーやUSB電源、グリップヒーターなど、後から電装品を足す人もいます。ただし、バイクの発電量には、限りがあります。
- 追加した分の消費電力が、発電量に収まっているか。
- エンジンを止めたときにも電気を使う配線になっていないか。
- 配線を、バッテリーに直接つないでいないか。
接続のしかたを間違えると、止めている間も電気が減り続けます。不安なら、取り付けは、専門の店に任せてください。
上がらせないための習慣
予防が、いちばん確実です。
- 月に1回は、30分以上走る。 短い距離だけでは、充電が追いつきません。
- 長く乗らない時期は、補充電器をつなぐ。
- 電装品を後付けするときは、消費電力を確認する。
- 端子の状態を、定期的に見る。
チェーンなど、ほかの部分の手入れも、あわせて行うと、点検の習慣になります。バイクのチェーン清掃と注油も参考にしてください。
自分でやらず、店に任せる基準
次のような場合は、無理をせず、バイクショップに相談してください。
- 充電しても、すぐに上がる。
- 充電中に、異臭や発熱がある。
- どのバッテリーの種類か分からない。
- 取扱説明書に、自分で外さないよう書かれている。
電気まわりは、感電や、ショートによる火災の危険があります。分からないまま作業するより、任せるほうが安全です。
よくある質問に答えます
Q. 何日乗らないと、上がりますか
バッテリーの状態や気温で変わります。数週間で上がることもあれば、数か月もつこともあります。一概には言えません。
Q. エンジンをかけたら、すぐに復活しますか
かかっても、バッテリーが十分に充電されたわけではありません。そのまま止めると、また上がることがあります。しばらく走るか、充電器で補充してください。
Q. 車用の充電器を、バイクに使えますか
容量が大きすぎて、過充電になる危険があります。バイク用の、小さな容量の充電器を使うのが安全です。
Q. リチウム式のバッテリーは、どう充電しますか
専用の充電器が、必要な場合があります。取扱説明書か、メーカーの案内に従ってください。
Q. 冬になると、かかりにくくなります
気温が下がると、バッテリーの性能が落ちます。冬の前に、状態を確認し、必要なら充電や交換をしておくと安心です。
最後に確認しておくこと
もう一度、整理します。
- 上がったら、まず原因を切り分けます。
- 復活は、バイク用の全自動充電器が安全です。
- 車からのジャンプは、メーカーが推奨していない場合があります。
- 種類に合わない充電器は、使いません。
- 繰り返す、膨らむ、液漏れは、交換の合図です。
バイクのバッテリーは、小さく、デリケートです。乗らない時期の手入れが、寿命を決めます。
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